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違法駐車するドライバーに記者が直撃!『駐禁除外』標章の不正使用が大阪・ミナミで横行 「親族のを使っていた」と主張するが...障がい者のための制度を悪用か

特命取材班 スクープ

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 歩行が困難な障がい者らに交付される『駐車禁止除外指定車標章』。対象者本人のみ使用可能(運転・同乗)で、これを車に掲示しておけば、原則、駐車禁止エリアでも車をとめることができる。障がい者の暮らしの助けになる制度だが、大阪・ミナミの繁華街でこの標章を不正に使った違法駐車が横行している。標章を不正使用する人たちを直撃し、その実態に迫った。

障がい者の暮らしの助けになる『駐車禁止除外指定車標章』

 大阪市生野区に住む飲食店経営の竹下徹さん(46)は心臓に病気を抱えていて、約12年前、身体障がい者1級の認定を受けた。

 (竹下徹さん)「心臓の部屋の一つの機能がなくなってるというか止まってしまっていたみたいで、それをペースメーカーで補うという。ペースメーカーを入れて12年になります」

 また、去年1月には腰の病気も患い、右足が上げにくい状態だ。

 竹下さんは経営する飲食店の買い物などで車をよく利用する。この日も近くのディスカウントストアへと向かった。車をとめたのは、駐車場ではなく店の入り口近くの路上。ダッシュボードには、“ある紙”を置いている。それは『駐車禁止除外指定車標章』だ。障がいで歩行に支障がある人などが警察に申請することで公安委員会から交付されるもので、車に掲示しておけば駐車禁止の場所でも原則、違反に問われない。

 (竹下徹さん)「駐車するときに(ダッシュボードに)置くようにしています。(Q店の目の前に駐車できるのは?)一番ありがたいですね」
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 標章のおかげで重い荷物を運ぶ距離が短くなり、歩くのが困難でも買い物に出かけやすい。障がいのある人の暮らしの助けになっている“駐禁除外標章”。しかし、その「不正使用」が横行しているという場所がある。

標章の不正使用が横行「コピーや売買されていると聞く」

 (記者リポート 去年11月)「金曜日の午後9時となりました。堺筋には路肩に多くの車がとまっています。駐車禁止のはずですが、どの車にもドライバーは乗っていません」

 大阪・ミナミの繁華街、心斎橋や道頓堀のすぐそばを走る5車線の道路『堺筋』。夜間は客待ちのタクシーを除いて一般車は駐車禁止だが、路上にずらりと並んでいる。そのほとんどがダッシュボードに駐禁除外標章を置いている。夜が更けても…

 (記者リポート 去年11月)「午前0時になりましたが、堺筋にとまった車はほとんど動いていません。標章を掲示した車のほとんど動かず、駐車したままです」

 この現状について、一般ドライバーたちに話を聞いた。

 「(道の両側)ほとんどとまっていますね。(Qどう思いますか?)(駐禁にならず)うらやましいです」
 「めちゃくちゃ多い。特に金曜・土曜は。(標章を使っているのは)若い子が多いです。若いといっても僕くらいの。僕40歳なんですけど、それぐらいの年齢の人が多いです」

 また、障がいがあり標章を持っている男性は、この通りに駐車する車には「標章の不正使用が多い」と話す。

 (障がいのある男性)「(標章を使っている人が)たくさんおるけど、コピーとかやっているやつも多いらしい。(標章が)売買されているとかも聞く」
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 この男性によると、交付を受けた障がいのある本人以外が標章を使ったり、コピーした標章を不正に使ったりしているという。

 取材班は、標章を置いて長時間駐車している車のドライバーに、帰りを待って声をかけた。

 (記者)「標章はあなた自身に交付されたものですか?窓を開けていただけませんか?」
 (若い男性2人組)「……(無言)」
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 問いかけに答えない若い男性2人組。突然、ドアを開けた。歩行に支障はないようで、早足で去っていった。

不正利用するドライバーに記者が直撃

 警察も「不正の横行」を防ごうと取り締りに力を入れている。警察官が取り囲んだのは白い乗用車の男性だ。標章を置いていたが、親族のものだといい、違法駐車として道交法違反で切符をきられた。反則金は1万5000円だ。記者が事情を聞くと…

 (記者)「親族の標章ですか?」
 (男性)「そんなものわかっているがな」
 (記者)「あなたのではない?」
 (男性)「“他人”のやったらオレ逮捕されるやないか。はい、もういい?」
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 「赤の他人のものではない」と話すが、親族のものであっても本人以外が使用するのは違法だ。

 また、堺筋では日中、料金を支払えば路上にある白い枠の中に駐車ができ、標章を持っている人は無料でその枠を利用できる。しかし、そこでも不正使用が横行している。

 警察官が標章を置いている乗用車を調べていると、男性が戻ってきた。

 (警察官)「〇〇〇さんって誰ですか?」
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 警察官が標章の交付を受けた人の名前を尋ねたところ、この男性も「親族の標章を使っていた」と話した。

 (記者)「標章を使っていた事情を聞かせてほしいが?」
 (男性)「忙しいんで」

 男性は取材に答えず去っていった。

記者の問いかけに「犯罪ではない」と繰り返す男性

 さらに、道頓堀近くに駐車する白い乗用車。警察官に気付いたドライバーの男性が名乗り出てきた。

 (警察官)「(標章は)自分のですか?」
 (男性)「お父さんのです」
 (警察官)「お父さんはどこにいるの?」 
 (男性)「今、家にいてます」
 (警察官)「利用目的外で違反になっちゃうんです。免許証はどこにありますか?」
 (男性)「今…おウチ、おウチに」

 父親の標章を使っていたと話す男性。この場所にとめていた目的はというと…

 (警察官)「ここにとめやすいからとめた?」
 (男性)「とりあえずとめて、そこでご飯を食べるつもりやったからね」

 法律違反の認識はあるのか。記者が男性に話を聞いた。

 (記者)「事情を聞きたいが?」
 (男性)「ダメです。犯罪じゃないからね。ダメです」
 (記者)「標章はあなたのではない?」
 (男性)「もう警察に伝えているんで、ダメです」
 (記者)「標章はお父さんの?誤って使った?」
 (男性)「やかましい。大丈夫です」

 男性は「犯罪ではない」と繰り返し、それ以上は答えなかった。

 障がい者の暮らしのためにつくられた駐禁除外標章制度。不正使用はその制度も揺るがしかねないれっきとした犯罪だ。
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2025年01月13日(月)現在の情報です

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