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コダワリ

コロナバブルが一部で発生?時計・車・アート...サービスに金を使えない富裕層が『モノ消費』へ回帰する実態

2021年09月07日(火)放送

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コロナ不況もどこ吹く風と、腕時計・高級車・アート作品などの高額商品を購入する人たち。その様相はまさにバブルさながらです。静かに熱気を帯びる「モノ消費」の実態を取材しました。

高額商品を購入する人たち

東京・銀座。海外ブランドの路面店がひしめき合うこの街には静かにそして確かに熱気が漂っていました。
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 (記者)「きょうは何を買いに来たのですか?」
(会社員)「時計ですね」
 (記者)「時計!この緑はもしかして…」
(会社員)「(腕につけている時計を見せて)これです」
 (記者)「もう着けている」
(会社員)「念願の」

高級腕時計の代名詞「ロレックス」を購入した人。さらに…。

(会社員)「去年は車を買いました」
 (記者)「何を買われましたか?」
(会社員)「『L』がつくやつです」
 (記者)「なるほど…」
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ロレックスとレクサスの夫婦は颯爽と記者の前から立ち去って行きました。

こうした熱気は関西でも。取材をした家族はこの日、総額20万円のお買い物。「旅行に行けないので代わりにモノを」と話しました。
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そして、こんな人の姿も…。

(歯科医)「エルメスで服を3着ほどと、小物と…」
 (記者)「総額はいくらくらいですか?」
(歯科医)「えー、300万円くらいです」
 (記者)「ちなみに何系のお仕事ですか?」
(歯科医)「歯医者です。コロナだからって病気がなくなるわけじゃないので」
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歯科医の腕にはやはりロレックスでした。

(歯医者)「デイトナです。いま(時価)500万円くらいになっているらしいですね。最近買いました」

コロナ禍に買い物熱が高まっています。

商談中の高級時計が850万円「需要に供給が間に合っていない」

ブランド品や貴金属などの買取・販売を行う「KOMEHYO梅田店」(大阪・北区)。ショーケースに所狭しと並ぶ高級腕時計、それらにアツい視線を送る人たちの姿がありました。
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現在購入を迷っている客がいて商談中だという品物は、時計ブランドの中で最高峰といわれているパテックフィリップの時計で、価格は850万円だといいます。
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高級腕時計の人気は高まり続けていて、価格の高騰に歯止めがかからないといいます。

(KOMEHYO梅田店 篠田優アシスタントチーフ)
「欲しい方の需要に対して供給が間に合っていない。そういったところでやっぱり値段も上がっていきますし、どこまで上がるんだろうなというのが正直なところですね」

輸入中古車ディーラー「コロナ前より売れている」

時計の次は車。輸入中古車ディーラー「ロペライオ世田谷」(東京・世田谷区)で、川久保翼取締役に案内してもらいました。
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    (記者)「さっそくなんですけれども、目についたのが『御成約車』」
(川久保取締役)「そうですね、ちょうどきょうご成約。2台ほどございまして」
    (記者)「きょう売れたんですか?」
(川久保取締役)「そうです、ポルシェとベンツのGクラス、2台が本日ご成約をいただいています。1つの店舗で1日に7台8台という日もあります」

店内にはポルシェなど名だたる高級車がズラリと並びます。
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真っ赤なボディが輝きを放つフェラーリは何と税込み4290万円。記者も試乗させていただきました。
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(川久保取締役)「座ったらご成約になります」
    (記者)「え…?破産します」

恐る恐るエンジンをかけてみると。

(記者)「いやーちょっと…。これ、ヤバいですね」

こんな高級車がコロナ禍になってから飛ぶように売れるんだそうです。

(川久保取締役)「売れ行きはですね、昨年と比較すると販売台数が130%、売り上げが150%という状況です」
    (記者)「コロナ前より売れているということですか?」
(川久保取締役)「そうです」

株高を背景に億単位の資産を築いた人“億り人”という言葉も踊る昨今。

即断即決で購入されていく「アート作品」

行き場を失ったマネーはこんなところにも。大阪・北区に今年8月にオープンしたアートショップ「HOPE BEAR GALLERY」。ここで展示・販売されているのは全てブラジル出身の世界的ポップアーティスト「ロメロ・ブリット」の作品です。あのディズニーとコラボしたことでも話題となりました。
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レオナルド・ダ・ビンチの『最後の晩餐』をモチーフにした絵画『FIRST SUPPER』。複製品ながら40万円を超えています。それでも…。

(約40万円の絵画を購入した会社員)
「これから元気にならないかんということで、(絵が)元気な柄なんで、コロナに負けない元気な生活をしようと」

一目惚れしたという会社員の男性が即断即決で購入しました。

さらに店内ではこんなやりとりも。

 (女性)「132万円?」
(従業員)「いや、13万2000円です。ケタが違います」

生け花教室で講師をしているという女性、王冠をつけたカエルのオブジェが気になって仕方ない様子。

(生け花教室の講師)「暗証番号がわからないの。サインで」
(従業員)「署名の方で。わかりました」

やはり即断即決。カエルのオブジェを購入しました。

―――値段のケタを間違えていましたが?
(生け花教室の講師)「いえいえ、ちゃんと見えていますよ。それくらいの価値がありますね、ということですね。やっぱりすてきなものには目を奪われてしまいますね。13万2000円はお安いかと思いますけれど」

コロナ不況が叫ばれる中でも、消費熱を身にまとう人たちの姿がありました。

富裕層は「モノ消費」に回帰

エコノミストの早川英男さんは次のように指摘します。

(東京財団政策研究所 早川英男主席研究員)
「今回のコロナの局面では、日本全体の家計の所得ってそんなに落ちていないんですよ。例えば大企業の正社員の人たちって給料が減ったわけではないですし。年金生活者はもちろん年金が支払われているし。家の中にこもっているので貯金だけ貯まっている状態。余っちゃったお金をどうしようっていうと結局モノに使うしかなくて」

旅行や外食などの「コト消費」が制限されるコロナの時代。カネ余りに沸く富裕層は「モノ消費」に回帰し始めているというのです。こうした現象は、「日本国内の製造業が急回復する一因になった」とも。

(東京財団政策研究所 早川英男主席研究員)
「世界中の人たちが、お金をサービスに使えないもんだから、モノを買っている。その結果、実は日本の輸出が伸びている。製造業の収益は大きい」
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一方、憂き目に遭っている観光行や飲食業も「ワクチン接種が進み行動制限が緩和されれば必ず持ち直す」と早川さんは予言します。

(早川さん)「よく言われるのが『リベンジ消費』が出てくる。『リベンジ消費』がどこへ行くかというと、今度はモノじゃなくてサービスへ行く。みんなもうフラストレーションがたまっていますからね」
  (記者)「制限からいざ解き放たれたときに、人間って振り切って楽しめるのかなと」
(早川さん)「エコノミストの間でも見方は両方あります。『これは来るぞ』という意見と、『いやいや皆そんなにすぐには変わらない』という意見」
  (記者)「早川さんはどちらなんですか?」
(早川さん)「どちらかというと『来るぞ』と思っています」

高額商品が売れ続ける令和3年モノ消費の狂騒曲。次はコト消費の季節が「来る」のでしょうか。

(9月7日放送 MBSテレビ「よんチャンTV」内『コダワリ』より)

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