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「着る冷凍庫」に「汗を眠らせる制汗剤」!? いよいよ襲いかかる酷暑の季節 『沸騰化する夏』を乗り切るグルメやアイテムを徹底調査!

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 「地球温暖化の時代は終わり、地球沸騰化の時代が到来した」とも言われる昨今。そんなアツ~い夏だからこそ、ほしくなるモノ、売れているモノを徹底調査しました。

”地球沸騰化”時代で新たな消費のトレンドが生まれるチャンス

 まだ5月ですが、すでに暑い…。専門家はこう語ります。

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(流通気象コンサルタント・常盤勝美さん)
「地球温暖化から地球沸騰化の時代が到来した。消費者の行動パターンや嗜好、ニーズが変化している。そういう時は新たな消費のトレンドが生まれるチャンス」

 “地球が沸騰している”と言われるほどの暑さですが、私たちの暮らしを快適にしてくれる企業のアイデアも!?暑さ対策の最前線を徹底取材です。

アツ~いたこ焼きを冷たい出汁と一緒に 鍋の素は万能の調味料に

 まずは「グルメ」から!暑いと食欲が落ちてしまいがちですが、大阪城公園のたこ焼きチェーン「たこ焼道楽 わなか」を訪れると…

(たこ焼道楽 わなか 沖正道さん)
「夏用のおいしいたこ焼きを用意しています」

「冷やしわんこたこ」(8個 税込750円)。たこ焼きが夏でも売れるメニューに大変身!アツ~いたこ焼きを、氷が入った冷たい出汁に浸けて、いただきます!

(山中真アナウンサー)
「中のアツアツがトロッとしているのもおいしいですけど、そのトロッとが冷たいお出汁の喉ごしに変わる。これは新たなたこ焼きの形!」

 続いては、鍋。残暑がどんどん長くなり、涼しい秋からの需要が減少傾向だといいます。そんな中、鍋の素を扱うエバラ食品は去年から「プチッと鍋」シリーズを手軽な調味料として、鍋以外の料理に使うレシピを宣伝。9月以降の売上がアップしたといいます。本当に手軽に美味しく料理を作れるのか?

 自炊を始めてまだ半年ほどの、MBSの河西美帆アナウンサーが肉野菜炒めに挑戦しました!

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 2人前の味付けに今回使ったのは、1個あたり約55円の『プチッと鍋』の『寄せ鍋』味のみ。
 
 調理時間わずか5分で完成です!

(河西美帆アナウンサー)
「美味しい出汁の味がする野菜炒めになっています。こんな簡単なんですね!もっと早く知りたかった」

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 『プチッと鍋』のアレンジレシピはホームページにどんどん追加されていて、水で薄めれば、そうめんのつゆにも使えるんです!アツアツのグルメも、発想の転換で夏にうれしい「売れる商品」に変化していました。

冷感ウェアには「着る冷凍庫」も登場!?

 一方、さらなる涼しさを求めて冷感ウェアも進化しています。

 真夏の作業着として見かけるファン付きウェア(小型扇風機付きウェア)には、リュックサックを背負うと風が通りづらくなるという弱点がありました。

 そんな中、登山用品を手がけるモンベルは去年から、リュックを背負うことに対応したファン付きウェア「ファンブローベスト」(税込9900円 ※ファン・バッテリー別売り)を発売しました。

(モンベル広報部・大塚孝頼さん)
「リュックのハーネス(ひも)が空気の通り道をふさいでしまう。あえてファンを左右非対称の位置にして、空気を前と後ろの両方に循環するようなデザインになっているのが一番の特徴です」

 背中を蒸れにくくするパネルもついていて、通勤や買い物などリュックを使う日常生活でも使いやすい仕様。売れ行きは好調で、今年からラインナップも増やしているそうです!

 また、機能性ウェアが得意でお安いワークマンは、「ペルチェベストPRO2」(税込1万9800円)を販売中。担当者は、「着る冷凍庫です」と自信満々。実際に着用してみると…

(山中真アナウンサー)
「ここ(プレート)がいまメッチャ冷たい。氷ぐらい冷たいですよ!冬場に冷たい手で背中を急に触られたみたいな、ピタっとひやっとしている」

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 電気を通すとマイナス3℃まで冷たくなる、最新技術を駆使した5枚のプレートで背中と腰回りをひんやり。お値段は一着1万9800円(税込み)と、ワークマンとしては少しヒヤッとする気もしますが、実はヒーター機能付きで冬にも使えることもあり、売り切れる店舗もあるほど人気なのだそうです!

”汗を眠らせ”コントロールする時代到来?

 夏といえば、汗の悩み。汗をたくさんかく人が仕事に支障をきたすなどして月に3120億円の経済損失が生まれているという研究結果もあります。

 そこにビジネスチャンスを見出し、研究・開発を進めているのが化粧品メーカーのマンダムです。

(マンダム・久加亜由美さん)
「私たちは『汗を眠らせる』技術を研究をしています」

 一体どういうことなのか? 汗を“眠らせる”という「新時代の制汗剤」のサンプルを左の脇だけに塗り、その部分の汗をどれだけ抑えられるのか、実験しました。夏を再現したという室温30℃・湿度60%の部屋で、記者が黙々とペダルをこぎます。約15分たつと…

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 たしかに、制汗剤を塗った左側は、汗をかいている範囲が狭いようです。

 この「新時代の制汗剤」は、大阪大学とマンダムが共同で研究しています。従来の制汗剤は、汗の出口にフタをするものでしたが、研究チームは、そもそも汗が汗腺が収縮して出ているという仕組みを解明。

 そこでGMA(グリチルリチン酸モノアンモニウム)という物質を使い、汗腺自体の収縮を眠らせることで、汗を根本から止める方法を開発したのです!

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(大阪大学・原武史 招聘准教授 ※マンダムから出向中)
「従来の制汗技術は100年以上前の技術であって、全然変わっていなかった。今回の汗を眠らせる技術をしっかりと組み合わせることができれば、いままでの制汗のデオドラントにはない、もっと汗を抑えることができる製品を開発できるのでは」

 この研究の実用化が進めば、汗を思い通りにコントロールできる日が来るかもしれません。

 “沸騰化”する暑さ。企業の創意工夫が、私たちにも経済にも、心地いい風を吹かせることになりそうです!

2025年05月30日(金)現在の情報です

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