2024年11月30日(土)公開
関東地盤のスーパー「オーケー」悲願の関西初上陸!3年前には買収争奪戦に敗れ断念した過去 関西上陸までの道のりに密着
編集部セレクト
ついに関西進出!特売を行わず「エブリデイ・ロウ・プライス」を掲げ、徹底的なコストカットで安さを追求するスーパー「オーケー」が11月26日東大阪市にオープンしました。3年前にも進出を試みるも、競合との争奪戦の末に断念。悲願の関西上陸までの道のりを密着しました。
オープン前から大行列!安さが売りの「オーケー」東大阪市に関西1号店
(山中真アナウンサー)「オープン1時間前、すでに大勢の方が行列を作っています」
11月26日東大阪市に1号店を出店したスーパー「オーケー」。店の売りは、ずばり“安さ”でおにぎり1つ62円(税込み)ロースかつ重 322円(税込み)と破格です。※高井田店限定価格
販売されている刺身には“ツマ”や“大葉”は一切のっていません。薬味は、別売りにするなどして低価格を実現。物価高のあおりを受けて1円でも安く買い物をしたいという消費者のニーズとマッチしているようです。買い物客のカートにはあふれんばかりの商品が・・・
(山中アナ)「すごい量ですね。なんでこんなにいっぱい買った?」
(来店客)「お得やったんで」
(来店客)「めっちゃ安かった。実家にもおすそ分けで」
首都圏に156店舗を展開し2024年3月期の売上高6230億円(前期比+12.7%)営業利益366億円(前期比+26.1%)と業績は右肩上がりで満を持して関西に進出しました。
3年前、関西進出を断念した過去…
(オーケー 二宮涼太郎社長)「関東で育ったスーパー、関東のお客様からで評価いただいているスーパー。目の肥えた価格にも厳しい関西のお客様にしっかり鍛えていただきたいと思って関西にやってきました。悲願です」
「悲願」そう社長が話すワケとは?
(二宮社長・2021年)「(関西スーパーと)ご一緒したいなと思っていたところで、率直に残念」
3年前、オーケーは関西進出の足掛かりにするため「関西スーパー」を買収しようとしましたが、「阪急阪神百貨店」を傘下に持つ「エイチ・ツー・オー・リテイリング」と激しい争奪戦を繰リ広げた末、断念した苦い過去があります。
しかしオーケーは首都圏に次ぐ、第二の商圏として関西進出にこだわり自前での販売網構築に向け準備を進めていました。
社長自ら地元スーパーへ足を運び「消費者目線」を調査
今年6月、この日は出店候補にあがっている土地を複数か所、視察。住宅街は近いかなど、周辺の立地状況を確認します。
(二宮涼太郎社長)「こういう感じだな。向こう側にライフがあります」
進出するなら物流コストなどの効率面からまとまった数の店舗の出店が不可欠だからです。
(二宮社長)「関西は本当に出店の機会まだまだたくさんありそうなという感触を持っています」
移動の合間を見て関西の地元スーパーにも足を運びます。店内のレイアウトや品揃えはもちろん車内では競合店の総菜を食べて味付けなど消費者目線で調査します。
(二宮社長)「こういう粉ものってスーパーとかでも買います?関西の人は」
(記者)「買いますね。焼きそばとかも、みんな買ってます」
(二宮社長)「お好み焼きって、スーパーでやる限界というか、自分で作った方が…」
(※地元スーパーのお好み焼きを一口食べて)「でもおいしいですね」
関西進出の勝算はあるのか聞いてみると…
(二宮社長)「関東も人口が多いエリアですけど関西圏も非常に人口が多い。今さすがに関西の方もスーパーで値切ることはないのかと思うけど、値切りたいと思わないくらいちゃんと安く品ぞろえをしたい」
関東の「オーケー」 関西との“食文化の違い”を研究
その成功のカギを握るひとつが「総菜」です。直接的な売り上げはもちろん、実は来店頻度を上げる大事な要素。今回の出店に伴い新商品の開発を任された担当者は。
(総菜・ベーカリー本部 田中邦明本部長)「(関西は)売り場の半分くらいが巻物だったのでずいぶん違うと思いました。寿司は特に。売り上げの構成比も寿司は関西が高かったので」
例えば「巻もの」も首都圏では“細巻き”が主流ですが、関西は圧倒的に“太巻き”で食べ応えにこだわる関西人ゆえと分析します。さらに…
(田中本部長)「(関東では)たこ焼きと焼きそばの2種類しかやっていない、粉ものは。関西ではいまの関東の売上規模の10倍くらいを見込んでいます」
関西向けに50種類ほど開発することになりました。日々、試行錯誤の連続です。
(田中本部長)「(すし飯は)関西の方が甘みと酸味が強い。食文化の違いはあると思うんですけど」
すし飯も、味は濃い目の関西風に。粉ものについては、新たに大ぶりの鉄板を各店舗に導入し、製造力をアップする体制も整えました。
今年10月、社長試食の日。関西を意識した試作品が並びます。具材などの特色とともに店頭予定価格、原価率などシビアな情報を共有しながら進みます。力を入れた粉ものも登場。自信作のモダン焼きです。
(担当者)「競合他社の価格は豚玉399円から、モダン焼きは100円アップで498円~500円台とオーケーとしてはこれを399円で出させていただこうと」
(二宮社長)「いただきます」
仕入れ力を生かして材料費を下げさらに店内調理することで価格も抑えました。
(二宮社長)「おいしい」
(田中本部長)「(麺を)挟むので」
(二宮社長)「作業性がね」
(田中本部長)「作業が重たくなっちゃうんですけど、そのほうがやっぱりおいしい」
仕入れ先にも自ら足を運ぶ 社長「まずは関西で存在感が出るように」
さらに関西圏での仕入先を確保するため社長自ら取引先に足を運び開拓に努めてきました。訪れたのは、大阪の水産卸会社。
(二宮社長)「まずは1店舗からということでご無理申しまして、すみません。競合他社も警戒しているところかと思いますが、マグロやサーモンはうちの売りの商材ですので」
ただ、首都圏からの参入は関西を拠点とするスーパーからすると“黒船襲来”。地元重視の取引先には断られるケースもあったといいます。
(二宮社長)「関西新参者というのもあれば『関西スーパー』の一件もあったので、最初は様子見というところがありましたが、徐々にご理解をいただいている」
迎えたオープン当日。注目の高さから入場制限まで行われる混雑ぶり。関西向けに開発したイカ焼きやモダン焼きなど粉ものも店頭に並びました。
(田中本部長)「(Qお客さん手に取ってますね)想像以上に開店前から並んでいただいてすごい期待を感じているところです」
群雄割拠で熾烈さが増すスーパー激戦区・関西。価格にも味にも厳しいといわれる関西人に受け入れられるのか?ここからが正念場です。
(二宮社長)「まずは関西でしっかり存在感が出るように。(Q今後、関西で何店舗くらいにしたい?)特に上限を決めていませんのでどんどん出していきたいと思います」
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