MBS(毎日放送)

【船井電機】原田会長が『民事再生』の申立書を週明けにも提出へ 突然の破産手続きと解雇の裏で会社に一体何が?過去には「上場廃止」や「巨額の資金流出」などの動きも

編集部セレクト

SHARE
X
Facebook
LINE
  

 かつて“世界のFUNAI”と呼ばれた大阪の家電メーカー「船井電機」。今年9月に経営陣を刷新し、再建に乗り出した矢先に起きた突然の破産。なぜ、会社の「存続」ではなく「消滅」を意味する破産手続きをとったのか?“異例づくめの破産”までを取材しました。

一時は大手メーカーをしのぐ利益率 船井電機のこれまで

0.jpg
 東京地裁が受理した破産事件の記録。その債務者の欄には「船井電機」と書かれています。

 今年10月、破産手続きの開始決定を受けた大阪府大東市の船井電機。ここで働いていた500人以上の社員が突如、職を失いました。破産手続きの開始決定が出たこの日は、実は給料日の前日。社員は急遽、本社食堂に集められ、その場でこう言い渡されたといいます。

 (説明会に同席した弁護士)「みなさんはきょう付で解雇ということになります。申し訳ありませんが、今月分の給料は出ません」

 突然の解雇通知に社員らも戸惑いを隠せませんでした。

 (元社員)「もう笑うしかないみたいな感じでした。起きたことは仕方がないので」
 (元社員)「何も考えていない状態で破産という話を聞いた。生活の不安もあります。FUNAIブランドに誇りはありますし、それがなくなってしまうのが自分の中ではショックです」

 「FUNAI」ブランドで一時代を築いた船井電機は、1961年、ミシンの卸売り業を営んでいた船井哲良氏が創業しました。

 1990年代に入りテレビとビデオが合体した「テレビデオ」で一世を風靡すると、2000年代には液晶テレビの生産を開始。“高機能ではないが低価格で品質は悪くない”、そんな特性が支持されて北米でトップシェアを獲得するなど、一時は大手メーカーをしのぐ利益率を誇る企業に成長しました。

 一代で“世界のFUNAI”を築きカリスマと呼ばれた哲良氏。かつて取材にこう話していました。

 (船井電機 船井哲良社長※当時 1999年)「できるだけ皆さんに説明して、株主からのいろんな意見を参考にしながら経営を進めていきたいと思っています」

 しかし、その後は中国企業などとの価格競争に敗れ、業績は悪化の一途。哲良氏が亡くなると、創業家は外部の経営者に立て直しを託します。

「上場廃止」「巨額の資金流出」謎の多い動き

 白羽の矢が立ったのがコンサルタント会社出身で出版会社社長の男性。新たな経営陣がまず取ったのは、船井電機の「上場廃止」でした。

 この動きに、企業の信用調査をする会社の担当者は疑問を呈します。
9.jpg
 (東京商工リサーチ情報部 山本浩司部長)「上場しているといろいろ報告義務があるので経営の透明性が保たれますが、非上場になった場合、全くクローズなのでわからない。自分の好きなようにやりやすくなる」

 そして船井電機は大手脱毛サロンを買収するなど事業の多角化を進めますが、経営は迷走します。本業の赤字に加え、巨額の資金流出があったというのです。

 (東京商工リサーチ情報部 山本浩司部長)「破産を申し立てた時点では、現預金がほぼすっからかんになっていたと。300億円くらいの資金が流出したと」

 流出したとされる資産300億円について、破綻直前まで社長を務めていた男性はJNNの取材に対し「私的な出費など不正を働いた理解は一切ない」としています。

「船井電機を守りたい思いから破産申請を…」

 そして10月24日、突如発覚した経営破綻。創業者の親族で取締役の男性が、取締役会の決議を経ずに単独でできる「準自己破産」を申し立てたのです。その日のうちに東京地裁が破産開始を決定する異例の展開でした。

 破産の申立書などによりますと、船井電機の債務超過は117億円にのぼるとされています。

 しかしなぜ、会社の存続を図る道ではなく、FUNAIブランドとともに会社が消えることになる破産手続きを選択するに至ったのでしょうか?話を聞くため、申し立てを行った取締役のもとをたずねました。話を聞くことはできませんでしたが、専門家は次のように指摘します。

 (東京商工リサーチ情報部 山本浩司部長)「違う経営者が“乗っ取り”のような形で入ってきて、創業家一族の方が“船井電機を守りたい”という思いから、どうやら破産の申請をされたようです」

9月に就任した原田会長「何としてでも事業再生を」

 前の社長から引き継ぎ今年9月に刷新された新体制で船井電機の会長に就任した元環境大臣の原田義昭氏は、準自己破産の申請について当日まで知らなかったと話します。

 (船井電機 原田義昭会長)「(準自己破産に)びっくりしたのは事実。何としてでもこの事態から事業再生にもっていかないといけない」

 原田会長は手続き開始決定の取り消しを求めて即時抗告しました。

 (船井電機 原田義昭会長)「(Q船井電機にまだ資産はある?)あるとみています。破産という形でこの名門の船井電機を終わらせるわけには絶対にいかない」

 原田会長は会社存続に向け、週明け、民事再生の申立書を提出する予定です。

2024年11月30日(土)現在の情報です

今、あなたにオススメ

最近の記事

ひたすら試してランキング『バスタオル』タオルソムリエ&松嶋尚美がチェック! プロも驚く「吸水性」「ふんわり感」も抜群のあっぱれな1位とは?【MBSサタプラ】

2026/02/03

14歳で自殺未遂...『梅田サイファー』ラッパー・KZが"どん底"不登校の過去をさらけ出す理由 リリックに救われた18歳「それでも歌う、生きる」

2026/01/31

【いちご狩り3選】すぐに行きたい!絶品いちごを味わえる「博士のいちご」「自分で作る」「ロマンティック」 もっといちご狩りが楽しくなる関西の農園の特徴を上田芹莉アナが紹介!

2026/01/31

【カツめし】86歳母が守るレトロなドライブイン 兵庫・宍粟市「オアシス」

2026/01/29

ひたすら試してランキング『クリームパン』数々の賞に輝く凄腕のパン職人が協力 こだわりの自家製カスタードたっぷりで味も文句なしの王道クリームパン注目の第1位は?【MBSサタプラ】

2026/01/28

『摂食障害で体重26kg』"いじめ重大事態"と認定されず提訴決意...いじめと闘った元同級生が支援「辛い気持ち絶対変わるよ」

2026/01/25

【カツめし】親子で43年 下町の人情洋食店 大阪・八尾市「グリルショップやの」

2026/01/22

【きょう判決】山上被告「(旧)統一教会に一矢報いるのが人生の意味」 安倍元総理銃撃事件 「極めて危険」と無期懲役求める検察側と「壮絶な生い立ち」重視の弁護側...司法の判断は

2026/01/21

SHARE
X(旧Twitter)
Facebook