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【独自】大阪入管の現役職員が激白 入管法改正案は『どうでもいいかな。現場は何も変わらない』『命令には絶対服従』語る組織の実態は

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 6月8日、入管法改正案が参議院の法務委員会で可決され、審議の場は大荒れとなりました。そんな中で今回「大阪出入国在留管理局」の現役職員がMBSの取材に応じ、『現場の実態』や『職員が感じる可決への思い』を語りました。

 今回、「入管施設や職員の実態を知ることにつながるなら」と取材に応じたのは大阪出入国在留管理局の現役職員の男性です。これまで、収容施設だけでなく空港の入国管理部門での違反調査や、送還の立ち合いなども経験してきたといいます。

 まず6月8日に入管法改正案が委員会で可決されたことについて。

 (大阪入管の現役職員)
 「まぁどうでもいいかなという感じです。(現場は)何も変わらないです。今もう強制送還はなかなか難しいんですよ。手を持ってガチガチに固めて連れて行かれる、これが強制送還なんですけどね。ほとんどの人はそんなんならないですよ。自分で歩いて帰りますよ、飛行機に乗って」
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 また“酒酔い医師”など問題視されている大阪入管の医療体制については。

 (大阪入管の現役職員)
 「今はめちゃめちゃ昔と比べたら充実しているなと思います。私らが採用の頃はいませんでしたから、お医者さん。外に連れていくしかないんで。これは本庁からも通達が出ていまして『自分の判断はするな』と。『躊躇せずに救急車を呼びなさい』というお達しがありますので、そこは我々は割り切りますね。素人判断はしない」

 ただ、施設の医師に成り手がいないのが悩みだといいます。

 (大阪入管の現役職員)
 「先生(医師)がこれちゃんとやりなさいと言ってもちゃんとやらない人とか、先生に悪態をつく人とか結構多いんで。先生も疲弊していく感じはみてとれます」
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 『外国人の保護と管理』という任務を行う入管という特殊な組織の中で、職員にもストレスがかかっているといいます。

 (大阪入管の現役職員)
 「うちの組織は公安職ですから縦割りなんですよね。さらに今は人事評価がありますから上には歯向かえないんですよ。国家公務員法プラス公安職の縛り・入管職員の縛り、いろんな縛りにがんじがらめになっていますから、その中で命令には絶対服従というのがあります。(Qストレスフルな職場環境が収容者に対して強く出る?)強く出るというか、良い仕事ができなくなりますよね」

2023年06月08日(木)現在の情報です

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