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社長「私のベストパートナーだった」廃線寸前の地方鉄道を復活させた『三毛猫のたま駅長』写真集に詰め込まれた約8年間の記録と思い出

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 和歌山県紀の川市にある貴志駅。この駅には世界初の「ネコの駅長」がいます。国内だけでなく海外でも話題となりましたが、この賑わいをつくったのが初代「たま駅長」でした。2015年6月に残念ながら死んでしまったのですが、初代たま駅長のかわいらしい姿がたくさん載った写真集が今年4月に発売されました。

 4月29日。初代たま駅長が祀られている貴志駅構内の「たま神社」に写真集が奉納されました。この日は初代たま駅長の誕生日。写真集はその記念日に発売されました。
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 (和歌山電鐵 小嶋光信社長)
 「いままでもうダメじゃないか、地方鉄道なんかなくなっていいやと言われていた地方鉄道がですね、その楽しさ・大きな魅力を見つけてくれて。いままで仕事をやってきたときのベストパートナーがですね、実は『たまちゃん』だったんですね」

 たま駅長は存続の危機にあったこのローカル鉄道復活のまちがいなく立役者でした。
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 2003年ごろ、南海が運営していた貴志川線に廃線の話が持ち上がります。そこに立ちあがったのが岡山電気軌道を運営する両備グループ。2006年4月、新たに和歌山電鐵として貴志川線を引き継いだのです。
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 その翌年の2007年1月、終点の貴志駅に現れたのが「三毛猫のたま」でした。貴志駅の駅長に就任したのです。元々この駅で飼っていた猫を、そのまま住み続けられるようにして欲しいと、売店の女性が社長に直訴したことがきっかけでした。

 (和歌山電鐵 小嶋光信社長)
 「売店にいたおばちゃんが私を追いかけてきて、『社長さん!うちのたまちゃんをなんとか駅に住まわして下さい』と絶叫するような声で。たまちゃんを見に行ったんですよ。そしたらたまちゃんがキャッと座って私のほうをグッと見たんですね。その瞬間にビビビッと電気が走って」
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 社長の直感は大当たり。猫駅長の人気はあっという間に広がって海外にも広く知られるようになり、フランスのドキュメンタリーチームまで訪れました。ついに2013年度の乗客数は224万人と過去最高を記録。文字通り、たま駅長が経営を引っ張りました。
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 しかし、2015年6月、16歳になったたま駅長は病院で最期を迎えます。急性心不全でした。貴志駅で営まれた社葬には海外からも含めて3000人が弔問に訪れました。
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 たまが駅長を務めた8年余りの間、広報担当の山木慶子さんはずっと写真を撮り続けてきました。それを1冊の写真集にしようと、1年前にプロジェクトがスタートしたのです。

 (広報担当 山木慶子さん)
 「写真が多すぎて…選べない。まだまだ載せられない写真がいっぱいあって」
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 発売イベントの前日、社長のもとに完成した写真集が届きました。

 (和歌山電鐵 小嶋光信社長)
 「懐かしいね。なんか…昔、一緒に仕事したときを思い出すね」

 発売イベントで写真集を手にした人たちは、それぞれにたま駅長への思いを馳せていました。

 (写真集を購入した人)
 「オーラが違いましたね、ほんまに」
 「みんなのもとに帰ってきてくれましたよ、本当に」
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 MBSに未放送の映像が残っていました。2015年4月、たま駅長が大好きだった桜を見たのは、この春が最後でした。

2023年05月04日(木)現在の情報です

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