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『旧統一教会』『母親の献金』山上徹也容疑者から今後何が語られるのか...約5か月半の「鑑定留置」が終了【安倍元総理銃撃事件】

2023年01月10日(火)放送

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 去年7月に安倍晋三元総理が銃撃されて死亡した事件。殺人などの疑いで送検された山上徹也容疑者は、1月10日に鑑定留置を終えて奈良西警察署に移送されました。

 (記者リポート)
 「約6か月の鑑定留置を終え、取り調べが再開されます」

 1月10日午後3時ごろ、警察官に囲まれながら奈良西警察署に入った山上徹也容疑者(42)。刑事責任能力の有無を調べるため、去年7月に始まった鑑定留置を終え、約5か月半ぶりに姿を見せました。眼鏡をかけ、まっすぐ前を向いて警察署に入っていきました。
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 去年7月、安倍晋三元総理が奈良市の近鉄・大和西大寺駅近くで参院選の遊説中に銃撃され、死亡しました。山上容疑者はその場で現行犯逮捕されました。
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 (山上徹也容疑者)
 「母親が旧統一教会に多額の献金をし、家庭がめちゃくちゃになった。旧統一教会と安倍元総理に関係があると思い、狙った」

 逮捕直後から動機として語っていたという「旧統一教会」への恨み。しかし、事件当日の夜も会見を開いた奈良県警は「旧統一教会」という名前は明かしませんでした。
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 (奈良県警 山村和久捜査一課長)
 「『特定の団体』に恨みがあり、安倍元総理がこれと繋がりがあると思い込んで犯行に及んだ旨、本人が供述しております。(Q特定の団体とはどういった団体?)それにつきましてはお答えを差し控えさせていただきます」
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 一方、事件から3日後、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)が会見を開き、山上容疑者の母親が信者であると話しました。
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 その後、山上容疑者の伯父が取材に応じ、母親の教団への献金で家庭が崩壊した実態を証言しました。

 (山上容疑者の伯父)
 「(母親が)入会とほぼ同時に2000万円を献金。さらにすぐ3000万円。総計1億円なんですよね、保険金と不動産でね。総額いくらかというのは本人も覚えていないですよ。次から次へと献金しているから」

 母親は父親の自殺がきっかけで1991年ごろに教団に入会。多額の献金により山上容疑者は大学に進学できませんでした。結局、母親は総額1億円以上献金し、2002年に自己破産しました。そして…。

 (山上容疑者の伯父)
 「2005年1月に(海上自衛隊にいた)徹也が自殺未遂している。これを実行した理由ですけれども、旧統一教会によって兄と妹が生活困窮しているわけですよね。そこへ自分の死亡保険金を渡す」
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 その後、教団からは約10年間で計5000万円が返金されましたが、山上容疑者はTwitterに旧統一教会への恨みを繰り返し投稿していました。

 【山上容疑者がTwitterに投稿した内容より】
 「我が家から全財産を奪い、母に家族を騙してそれを秘匿するよう諭した」
 「オレが14歳の時、家族は破綻を迎えた。統一教会の本分は、家族からアガリを全て上納させることだ」

 初めての投稿は2019年10月。度々、安倍元総理についても言及していました。

 【山上容疑者がTwitterに投稿した内容より】
 「オレが憎むのは統一教会だけだ。結果として安倍政権に何があってもオレの知ったことではない」
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 教団への積年の恨みの末に及んだ犯行なのか。奈良地検は、教団への恨みが安倍元総理への殺害に向かったことに論理的飛躍がみられるとし、去年7月25日から山上容疑者の精神状態を調べるための鑑定留置を実施。1月10日まで約5か月半にわたって留置が続いていました。地検は鑑定の結果などを踏まえ刑事責任を問えると判断し、勾留期限の1月13日までに殺人と銃刀法違反の罪で起訴する方針です。

 捜査が再開される山上容疑者。今後、何を語るのでしょうか。

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