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ネオン灯る夜の街・北新地で『花屋さんの1日を定点観測』...僕らは「おめでとう」「ありがとう」を届ける仲介役

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 夕暮れと共にネオンが灯り、日本有数の歓楽街へと姿を変える大阪・北新地。その一角にある花屋さんには夜が深くなるにつれて多くの人が訪れます。街を行き交う色とりどりの花。一体どんな人が、どんな理由で、誰に贈るのか。北新地にある花屋さんの1日を定点観測しました。

少しずつ活気が戻ってきた「北新地の夜」

 12月某日の午前11時。大阪・北新地にある花屋「LuluFlower」の1日が始まりました。市場から仕入れた約300本の花が到着。
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 (LuluFlower 中條友美さん)
 「薔薇だけで100本はあります」

 北新地では赤い薔薇が人気。そのためいつも多めに仕入れているんだそうです。
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 午後0時。搬入が終わるとすぐに花を生け始めました。

 (LuluFlower 中條友美さん)
 「これは今日のイベントのスタンド花です。ホステスさんのお誕生日のお祝いのお花。(Qどれぐらい作る?)25本くらい」
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 ダリアをメインに白と紫の落ち着いた色にして、ホステスさんの気品や優雅さをイメージしたそうです。
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 日が暮れてくると人が増える北新地。夜は来店するお客さんへの対応が中心となるため、事前に注文を受けている花はそれまでに作って配達を済ませておきます。お客さんの大半が飲食関係のため、新型コロナウイルスは店の経営を直撃しましたが、ようやくお客さんが戻ってきたといいます。
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 (LuluFlower 牧野裕介さん)
 「2019年よりは少ないですけど、それに近い7~8割くらいは戻ってきている。コロナの1番ひどい時とかはお店を開けるだけで意味ないみたいな。人がいない」

アイドルの生誕祭にファンからの贈り物「女の子にあった色味を」

 午後2時。店の屋上で作られていたのは大きなフラワーアレンジメント。

 (LuluFlower 中山華子さん)
 「(贈られる)女の子にあった感じで色味とかを決めさせてもらいました」

 贈られる人をイメージして時間をかけて作っていきます。
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 完成した花は翌日、梅田の「HEP HALL」に運ばれました。この日、行われていたのは関西を拠点に活動する4人組アイドルグループ「ミソラドエジソン」のライブ。メンバー1人の「生誕祭イベント」です。
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 花はファンからの贈り物で、アイドルのもとへ届けられました。

 (ミソラドエジソン 夜神ぺっとさん)
 「ちゃんと自分のイメージにあったお花を設置していただけて本当にうれしいです。みんなありがとう!普段生きていたらこんなにたくさんの人にお祝いしてもらえることはないじゃないですか。だからほんまにみんな一人一人にありがとうの気持ちでいっぱいです。ありがとうございます」

 今後はファンからの応援を励みに全国ツアーをまわれるアイドルを目指していくそうです。

ホステスさんの誕生日…店前に並べてお祝い

 午後3時。店では朝から準備をしていたスタンド花が完成。北新地ではホステスさんの誕生日に店の前に花を並べてお祝いするのが恒例だそうです。
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 午後7時。たくさんの花を贈られたさりさんは次のように話しました。

 (さりさん)
 「うれしいです。みんなお花を出してくれてありがたいです。遠目から結構目立ったのできれいだなと思いました。結構高額なお金をもらって一瞬しか残らないものなので、それをこんなに出してもらえるのは本当にありがたいなと思います」

15年来の友人が飲食店をオープン…開店祝いに花を添える

 午後8時。夜になりお客さんが増え、店も徐々に慌ただしくなります。店にやってきたこちらの男性は…。

 (店員)「開店祝いですね」
 (男性)「北新地じゃないんですけど。京橋なんで持っていけたらと思って」
 (店員)「じゃあ今すぐお作りしてお渡ししましょうか」
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 (店を訪れた男性)
 「まだ開いているお花屋さん、北新地やったら開いているかなと思って来ました」

 15年来の友人がこの日に飲食店をオープンするということで仕事終わりに花を買いにきたそうです。

 (店を訪れた男性)
 「(Qご覧になってどうですか?)いい感じですね。このあとが楽しみです」
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 花を渡された友人も満面の笑み。文字通り店のオープンに花を添えたようです。

夢を叶えたママさんに贈る「こだわりのフラワーアレンジメント」

 さらにこの日、北新地にオープンするお店へのお祝いの注文が入りました。

 (LuluFlower 森脇育海さん)
 「お店のオープンイベントが終わった後もそのまま飾りたいということなのでクリスマス仕様に。私的にはこれめっちゃこだわって作った」
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 作り終えるとすぐに配達に向かいます。

 (LuluFlower 森脇育海さん)
 「(北新地も)結構にぎやかになってきましたよ。もう全然人がいない時もありましたし。活気があっていいなと。活気ないと私たちのお店も全然お仕事をもらえないので。みんなつながってお仕事しているので」
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 スタンド花は店の前に。フラワーアレンジメントは店内へ。元々ミナミや本町でお店をやっていたママさん。北新地で店を構えるのが夢で、ついにその夢が叶い、ラウンジ「COTOHA」をオープンすることができました。
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 (ラウンジCOTOHA ママさん)
 「思った以上にお花が届いてびっくりしています。うれしいですね。(お花をもらって)勇気。不安がいっぱいあるので、だけどみんな応援してくれているなと思って。おばあちゃんになるくらいまでお店をしたいと思っているから。もう感謝しきれないですね、どうしたらいいのか。幸せですね」

誕生日の女性へ贈られた「ひまわりの花束」と「ドンペリ2本」

 午後9時。店にきた2人。女性の誕生日ということで男性が花をプレゼントしていました。

 (女性)「ひまわりください。ひまわりとピンクのお花を混ぜてほしいです」

 (店を訪れた女性)
 「普段は自分で買わないのでうれしいです」
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 完成した花を女性がいる店に届けるということでついていくと、店ではすっかり盛り上がっていました。
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 (女性)「ありがとうございます!(お花)いただきました。めっちゃかわいい!」
 (男性)「俺はほんだらこれ!」
 (女性)「ありがとうございます。ラムネいただきました!」
 (花を渡した男性)「社長からはこのシャンパンが入っているから。ドンペリ2本!」
 (女性)「いただきました!」
 (花を渡した男性)「普段はいつも焼酎」
 (女性)「ハッピーです」

 特別な日にドンペリ2本。夜の街にも活気が戻っているようです。

『僕らは仲介役。おめでとう・ありがとうの気持ちを届ける役目』

 そして、午後9時30分。

 (LuluFlower 牧野裕介さん)
 「(Qきょう1日どうでしたか?)本当に良かったですね。喜んでいただいて。言ったら僕らって仲介役みたいなね、お花を届けて、その人の『おめでとう』の気持ちであったり『ありがとう』の気持ちを届ける役目なんで。そこで喜んでもらえたら頼んでくれた人にも良かったと思うし、うちも作ってよかったなと思いますし。うれしいですよね」

 色とりどりの花に込められた多くの人の思いを届け、午後10時、北新地の花屋さんの1日が終わりました。

2022年12月20日(火)現在の情報です

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