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『自作三輪車で4時間耐久レース』に挑む工業高校生たち!悪天候やアクシデントを乗り越えて"初入賞"を目指した青春の1ページ

2022年10月04日(火)放送

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 9月23日に京都・南丹市で開催された「4時間耐久三輪車レース」。その名の通り1周300mのコースを4時間ひたすら三輪車で走り続け、その周回数を競うというものです。レースには溶接などで自作した三輪車を使います。このレースに青春を捧げた工業高校生の姿を追いかけました。

“自作の三輪車”で初入賞を目指す工業高校生たち

 京都府福知山市にある京都府立工業高校の3年生・小畑康貴さん(17)。三輪車レースに出場するチームのキャプテンです。チームは機械テクノロジー科のクラスメイト6人で、自分たちでテーマを決めて取り組む「課題研究」という授業の一環として三輪車耐久レースに参戦することになりました。

 (小畑康貴さん)
 「1、2年生の時に3年生の発表を見る中で、三輪車の班が毎年一番面白いなと。先輩方は完走はしても入賞はしていないので、完走して入賞できたらなと思います」
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 チーム名は「イダテン」。学校では3年前からレースに参戦していますが、これまでに入賞したことはなく、目指すは初の5位入賞です。
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 (小畑康貴さん)
 「レーザー加工機という、レーザーでモノを切って加工する機械です」

 レースで使う三輪車はお手製。いらなくなった自転車の部品を組み合わせ、授業で習っている金属加工の技術を生かしながら作っていきます。さすがは工業高校生、パイプの切断はお手の物。1000分の1mmもの精度で金属の形を整えていきます。今回、製作過程で特にこだわったのはサドルの位置でした。

 (小畑康貴さん)
 「去年の三輪車は少し椅子が後ろ側にあるので、足が伸びた状態で全然力が入らないし、坂道でもタイヤが空回りして進まないという問題点があったので。サドルをハンドルに近づけて足が直角になるように」
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 レースに出場できるのは4人。チーム唯一の女性である津田光紀さん(17)はサポート役としてチームを支えます。

 (津田光紀さん)
 「(Q最初からこぐ気はなかった?)こぐ気はあったんですよ。でも3年生になって体力が落ちていって…動きたくない」

メンバーは就職活動の真っ最中…レース当日に面接が入ってしまったメンバーも

 三輪車製作が進む一方で彼らにはもう1つやらなければいけないことがありました。放課後に行なわれていたのは“面接練習”でした。

 【面接練習をする様子】
   (先生)「自己PRをお願いします」
 (小畑さん)「私の長所は課題にひたむきに取り組み改善しようという…」

 実はメンバーはみんな就職活動の真っ最中で、厳しい二刀流を余儀なくされていたのです。
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 三輪車レース2日前。製作期間半年。遂にチーム「イダテン」の三輪車が完成しました。狙い通りに改良できたのか、実際に走ってみると…。

 (小畑康貴さん)
 「結構スピードが出るというか空回りが少ない感じで乗りやすいです。僕がやりたかったことで言えば9割方はできているかなと思います」
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 チームメイトからも好評のようです。しかし、ここで緊急事態が起こりました。

 (『イダテン』のメンバー)
 「(レース当日の)23日は面接があるので出られません。頑張ってほしいなと思います」

 なんと陸上部でチーム1の脚力を誇るメンバーが、レース当日に就職活動が入ってしまったのです。不安を感じながらも決戦はもう目の前です。

迎えたレース当日…会場に続々と現れる強豪たち

 迎えた9月23日のレース当日。1周300mのコースを4時間走り続けて何周できるかが勝負です。
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 会場には続々とライバルの姿が。注目は3年連続2位で悲願の初優勝を狙う「シオノ鋳工」。三輪車レース歴30年の古豪「チームO.S.U」。さらに、愛知県からの刺客「豊田工科高校」など20チームが出場します。
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 いざレースの火ぶたが切って落とされます。トップバッターはキャプテン小畑さん。しかし並み居る強豪たちがどんどん後ろから追い抜いていきます。序盤から劣勢にたたされた「イダテン」。キャプテンから次の走者へ。走り終えると小畑さんが他のメンバーにアドバイスを伝えます。

 (小畑康貴さん)
 「意外とハンドル回したら回ってくれるから大丈夫。怖かったら1回外に逃げて大きく回ればいい」

残り10分でペダルが外れるアクシデントも…果たして入賞はできたのか

 第2走者はキャッチャーで鍛えたID走り塩見駿真さん。
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 第3走者は高身長でクールにこぐ坂根凛音さん。
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 そして第4走者は補欠から出場した雑草魂・東慶弥さんです。

 レース残り半分時点で「イダテン」は16位。津田さんもピットでサポートします。雨というコンディションに体力の消耗。次第に各チームに転倒などのアクシデントが起こります。チーム「イダテン」にも。

 (小畑さん)「足がめっちゃ痛い」
 (津田さん)「大丈夫?」

 (小畑康貴さん)
 「僕じん帯切ったんですよ、この前。治ってはいるんですけど痛くなってきたんで1回交代しました。僕がチームを引っ張っていく立場なんで、僕が頑張っている姿を見せてチームの士気を上げようと」
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 キャプテン小畑さん、痛みに耐えて再びレースへ。いよいよ残りは10分。現在の順位である13位からラストスパートをかけようとしたその時、なんと、右のペダルが外れてしまいました。

   (司会)「11番のマシンが故障です」
 (津田さん)「え?とれた?ペダル?」

 レースを諦めたくない津田さんが工具を持って走ります。手渡した工具ですぐにペダルを直すと三輪車は再び走り出しました。
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 そしてレースが終了。結果は13位でした。目指していた入賞はなりませんでしたが、自分たちの三輪車で無事4時間を完走しました。

 (小畑康貴さん)
 「とりあえず完走できたことはめちゃくちゃうれしかったです。もう一回このメンバーで何か作ってみたいなって思います」
 (津田光紀さん)
 「いろんな事があったけどみんな頑張ってくれて完走できたのでよかったです。メンバーにも恵まれたなと思います」
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 みんなで乗り越えた三輪車耐久レース。それは紛れもない青春の1ページでした。

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