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「羽根とフンのにおいで生活環境は最悪」駅前のムクドリの大群に頭抱える住民たち 夜まで続く鳴き声の大きさは"ゲーセンと同レベル" 追い払っても駅の別出口の方へ...そこで市が苦渋の決断

特盛!憤マン

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 ムクドリの大群による騒音やフンの被害。滋賀県のJR南草津駅周辺では5年以上前からムクドリの大群が飛来していて、周辺住民が頭を悩ませています。これを受けて市が苦渋の決断をしました。

夕方になると飛来する大群 騒音に悩まされる周辺住民

 滋賀県草津市のJR南草津駅前。2011年から新快速が止まるようになり、新しいマンションが増え、ベッドタウンとして人気を集めています。駅の西口を出てすぐそばにある街路樹が並ぶ通り、通称「けやき通り」と呼ばれ、日中はとても静かな場所です。

 しかし、夕暮れ時になると“ある異変”が起きます。それが…

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 (記者リポート)「午後5時です。今、すごい数のムクドリが空に大きく広がって飛んできました」

 空を覆うほどのムクドリの大群がやってきました。通りにある電線の上や、けやきの枝に群がります。

 そして、耳を覆いたくなるような大きな鳴き声が夜まで響き渡ります。その音の大きさを測ってみると、81デシベルでした。80デシベルは地下鉄の車内やゲームセンターの店内などと同じレベル。周辺住民らは毎日この騒音に悩まされているといいます。

 (周辺住民)「不快。ちょっと気になりますね。夜も遅くまで鳴いているので」
 (周辺住民)「ものすごい数ですからね。それが一斉に鳴くような格好ですから」

道はフンで真っ白に「雨が降るとすごく臭い」

 問題は鳴き声だけではありません。歩道が白く見えるほどの大量のフン。路面だけでなく、周囲の植え込みもフンだらけです。

 (周辺住民)「通りかかったときにフンをちょうどするから、たまにかかるんよな」
 (周辺住民)「羽根とフンのにおいと、生活環境としたらもう最悪の状態なんですわ」

 通りに面したクリニックは入り口の前が真っ白です。

 (クリニックのスタッフ)「雨が降るとすごく臭いです。生臭いにおいで独特。羽根もすごく建物の中に入ってきます」

“音”で追い払うも…今度は駅の東側へと移動

 市民の怒りの声に対策に追われているのが草津市の担当者です。

 (草津市道路課 孫本翔太郎さん)「(Qすごい数ですね?)そうですね…例年に比べても今年に関してはすごく多いと思いますね」

 市によりますと、ムクドリがやってくるようになったのは5年以上前で、この通りのけやきをねぐらにしています。そして、なぜか今年に入って特に多くなったといいます。
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 そこで市がとっている対策が、「防鳥機」を使った“音による追い払い”。メガホンのような機械で、ムクドリが嫌う音などを出して追い払うといいます。

 音を鳴らすと、ムクドリが木から一斉に飛び立ち、去っていきました。しかし、これで一件落着…とはいきません。というのも…

 (草津市道路課 孫本翔太郎さん)「ここ(西口)の追い払いをした後に、次は南草津駅の東口の方に来てしまうという事態に陥りまして」

 駅の西口側に居ついているムクドリ。草津市が今年の夏に追い払いを行ったところ、今度は駅の東側へと移動してしまったのです。駅の東側にある不動産会社に話を聞きました。

 (ミニミニ南草津店 尾上悟宇店長)「今年、急に来たっていう感じですね。うちの店がある駅の東側は今までは全然いなかったんです」

 突然、ムクドリがやってきたため、近くのマンションの入居者やテナントから対策を求める相談が相次いだといいます。

 そこで市は、今度は駅の東側で対策を実施。東側から追い払うことができましたが、ムクドリが向かった先は、もといた駅の西側でした。まさにいたちごっこです。

ムクドリと戦い続けて「20年」の街も

 終わらないムクドリ対策に頭を悩ませているのは草津市だけではありません。奈良市では20年ほど前からムクドリとの戦いを続けてきました。天敵のハヤブサの模型を木の上に設置したり、ムクドリの悲鳴を録音したテープを流したり…。やけくその「木にキック作戦」も。

 そして2022年には、学校から借りてきた拍子木を鳴らすという原始的な対策も展開。ただ、いずれも一時的に効果はあったものの結局、ムクドリは戻ってきてしまっていました。

「けやき通り」のけやきを剪定…苦渋の決断

 一筋縄ではいかないムクドリ対策。草津市は新たな対策に乗り出すことを決めました。けやき通りの象徴であるけやきの枝を落とすという苦渋の決断をしたのです。
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 まずは一部の木について枝の剪定を行い、結果が出なければ、最悪、全ての木を伐採することも検討しているといいます。

 (草津市道路課 孫本翔太郎さん)「ムクドリがねぐらにしていたけやきの木を剪定して、物理的にとまれなくすることで、南草津駅周辺のムクドリの全体数を減らせるのではないかという期待を持っています。いろいろな方法を模索しながら対策していきたいと思っております」

 市民たちの生活環境を守るため、草津市のムクドリとの戦いは続きます。

2024年11月05日(火)現在の情報です

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