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嵐山は"平日こそ"が危険!?大混雑であわや事故 駐停車禁止エリアの車で渋滞発生→車列の間を歩行者が横断 解決策を模索する地元住民ら

特盛!憤マン

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 京都のオーバーツーリズム問題。嵐山の『長辻通』は人と車が入り乱れて危険な状態になっていて、地元住民が困惑しています。

「大きな事故が近いうちに起こってしまうんじゃないか」商店街の会長が危惧

 京都・嵐山。観光客もすっかり戻り、平日休日かかわらず多くの人で賑わいます。しかし、その人気の裏で「ある問題」が起きているといいます。
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 (嵐山商店街 会長・石川恵介さん)「大きな事故が、いずれというか近いうちに起こってしまうんじゃないかというふうに危惧はしています」

 嵐山商店街の会長で竹細工店を営む石川恵介さん。観光客が戻ってくれてうれしい反面、交通量が急増し、道路がとにかく危険な状態だというのです。

 問題となっているのは、渡月橋から天龍寺方面を南北に結ぶ嵐山のメインストリート「長辻通」です。事故防止のため、車両は土日祝日の日中に限り北行きの一方通行となっていますが、外国人観光客が曜日関係なく訪れる今、双方向に通行できる平日こそ危険だというのです。なかでも石川さんが特に危険だと指摘する場所が、人気スポット『竹林の小径』の入口付近です。
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 (石川恵介さん)「ああやってタクシーを止めちゃうと、それを別の車が追い越していくのですが、そこを人がさらにその車の外側を歩いていくような感じになるので、危ないですね本当に」

 竹林の小径につながるT字路付近は飲食店が密集していて、多くの歩行者が通ります。それに加えて両側にバス停もあるなど混雑する要素が多いことから、駐停車禁止となっているのですが、それが機能していないというのです。

 その実態を調べるため、取材班が平日に現場へ行ってみました。

平日の午前7時はゆっくり散歩できるほど 午前8時すぎになると続々と観光客の姿が

 午前7時。この時間は、ゆっくりと犬の散歩ができるほど人通りが少ないようです。しかし、午前8時を過ぎて、徐々に観光客が増え始めました。その後も人通りは多くなり、午前10時には大勢の人が行き交います。そして…

 (記者リポート)「午後2時前の嵐山です。平日にもかかわらず、多くの観光客が訪れています」

 昼過ぎから夕方にかけては“大混雑”。歩行者天国かのよう堂々と車道の真ん中を歩く人もいます。
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 (記者リポート)「観光客の方でしょうか、歩道をはみ出て歩いていて、それをタクシーや車がよけているような状態です。竹林の周辺は駐停車が禁止となっているんですが、タクシーが止まっていて、渋滞を起こしています」

 駐停車する車のドライバーたちに石川さんが声をかけます。

 (石川さん)「止めたらいけない。止めないでここ、行って行って。移動してね」

 別の車にも声をかけます。
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 (石川さん)「早いこと移動してください。お願いします」
 (ドライバー)「え?」
 (石川さん)「駐停車禁止なんです、ここ」
 (ドライバー)「誰がそんなん決めたんや」
 (石川さん)「地域で決めているんです。地域住民で決めているんです」
 (ドライバー)「わかりました。うるさい」
 (石川さん)「お願いしますね」

 次々に車が駐停車してほかの車がすれ違うことができない事態に。渋滞の原因となりうるだけでなく、車の間を歩行者が横断するなどして危険な状態となっています。こうした状況に地元の人たちは…

 「家から出られない。家の前が渋滞。ここ毎日自転車で通ってるんですけど、人がいっぱい飛び出てくるからね。危ない感じですよ。(Q怖い?)怖いですよ。ずーっとゆっくり進んでいかないと当たってしまうので」
 「(観光客が)割と道の真ん中を歩かれるので、クラクション鳴らしていいのかどうかって考えて…。なるだけ外に出ないように」

駐停車禁止エリアに止まるドライバー「うるせえよ、あほが」「邪魔なのわかっているけど」

 危険な状況の中、駐停車禁止エリアに止まる車は絶えません。取材班がドライバーたちを直撃しました。

 (記者)「駐停車禁止なんですけど、ご存知ですか?」
 (ドライバー)「(客が)出てくるさかいにな言うとったんやけど…。うるせえよ、このあほが」

 (記者)「ここ(止めると)渋滞の原因になるんですけど?」
 (ドライバー)「ああ、すみません」
 (記者)「(駐停車禁止を)知っていましたか?」
 (ドライバー)「あ、すみません」
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 一方で、次のような意見を述べるタクシードライバーも。

 (ドライバー)「しかたない。営業してたらほとんどのタクシーが止まるからあそこで。(竹林の小径の入り口近くを)逃すとメーターが上がる。(京都駅から)だいたい3000円くらいなんよ。そやから前いくと(メーターが)上がるし、向こうやと歩かなあかんし。バス停の前に止めたら邪魔なのわかっているけど、お客さんが『降ろせ』いわはったら降ろさなしゃあないし」
 (記者)「混雑の原因になっていることについてはどうですか?」
 (ドライバー)「そんなんいうたらね、仕事にならへんのよ」

『平日も一方通行』とする実証実験 アンケートに6割が“歩行者の安全確保に有効”と回答するも…

 こうした状況を受け京都市は去年11月、平日も含めた1か月間、長辻通を一方通行とする実証実験を実施しました。その後、地元住民を対象に行ったアンケートでは6割が「平日の一方通行が歩行者の安全確保に有効だ」と回答。石川さんは地域の理解が得られれば安全確保のために平日の日中も一方通行を実施すべきだと話します。
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 (石川恵介さん)「(訪れる人の)8割くらい外国の方が来られなかで、土日だけの規制が意味をなしていないです。平日も含めて一方通行みたいにしていかないといけないのかなと思います」

 そして今年4月、地元住民や行政の担当者などが集まり、混雑解消に向けた話し合いが初めて開かれました。ただ、平日の一方通行化について全員が賛成ではないようです。

 (近くに住む人)「一方通行だと、逆向きのバスがないですから、遠回りしないといけないし、かえって不便というときもありますよ」
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 (近くに住む人)「(Q平日も一方通行にするのは?)ダメです、それは。観光客より生活する人のため、それが第一ね。年寄りにはね、本当にここ、バスが行かなくなったら歩きようがないですよ」

「大きな一歩」過ごしやすいまちづくりに向けた模索は続く

 そして、6月5日、2回目の話し合いが行われ、2時間半以上にわたり、一方通行を含め具体的な解決策を検討。今後も話し合いを重ねていくとしています。参加した市の担当者は次のように話しました。
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 (京都市都市計画局 青柴勝さん)「ようやくスタートについたかなって感じ。安心安全で皆さんが心地よく住んでもらえるような嵐山、かつ観光地で住んで誇りに思える嵐山(にしたい)って声が非常に多かったので、そういう嵐山になるようにわれわれもしていきたいです」
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 (石川恵介さん)「(平日の一方通行化への)反対意見ももちろんあるでしょうけども、皆さんでしっかりと話し合いをしていって、一定の答えといいますか、出していかないといけないですし、今までそれができていなかったのもあるんですけど、方向性をみんなで決められるっていうのは、大きな一歩なんじゃないかなと思っています」

 観光客が戻り、新たな課題に直面している嵐山。さまざまな立場にとって過ごしやすいまちづくりに向けた模索は今後も続きます。

2024年06月14日(金)現在の情報です

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