最大のライバルと再戦 クボタスピアーズ・藤原忍

MBSラグビーダイアリー

2021/04/03 08:00

 ラグビートップリーグ第6節。4月3日に秩父宮ラグビー場で行われるサントリー対クボタの全勝対決はどちらに軍配があがるのか。クボタのリザーブに登録された新人スクラムハーフ・藤原忍(天理大卒)は、並々ならぬ思いでこの試合に挑む。出場すれば初キャップ。そして、「最大のライバル」と意識するサントリーの齋藤直人もリザーブ入りしているからだ。試合前に今の率直な気持ちを語った。

「もちろんチームが勝つことが第一。そして、直人さんに個人的にも勝ちたい」
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 秩父宮ラグビー場にできたアカクロの歓喜の輪。今も藤原忍は、あの時の景色、悔しさを鮮明に覚えている。

2020年1月2日。大学選手権の準決勝。天理大は14対52で早稲田大に大敗した。その試合にスクラムハーフとしてスタメン出場した藤原の対面が、1学年上の齋藤直人(現サントリー)。2人は、2019年にジュニアジャパンで海外遠征に行った時からお互いをライバルとして認め合い、切磋琢磨してきた仲。今もよく連絡を取り合うほど仲が良いという。

「大学1年生の時から直人さんを意識してきました。直人さんは、世代別の代表に常に入っていますし、初めて大学選手権の準決勝で試合をした時に、ゲームを支配する能力が長けていると感じました。試合に大敗し、チームだけでなく個人的にも負けたと感じて相当悔しかったです。」

その日からより一層、スキル練習に取り組んだことはもちろんだが、記者に「ライバルは?」と質問されると必ず「斎藤直人さん」と答えてきた。今回、トップリーグでお互いに試合出場を果たせば2回目の対戦となる。

「今回、リザーブに入った時に直人さんに連絡しました。お前の初キャップだし、負けてられないから俺も頑張るわ!と返信がきました。ようやくスタートラインに立てたかなと感じています。経験は直人さんの方が上かもしれませんが、負けているとは思っていません。チームが勝つことが第一。そして、個人的にも直人さんに勝てるように頑張りたいと思います。」

「緊張もしていますが、試合を最大限に楽しみたいです」
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 今週、藤原はフラン・ルディケHCに呼ばれ、個人的なミーティングをした。HCには初のメンバー入りをした藤原が緊張しているように見えたのかもしれない。

「忍の武器を存分に出してくれ。ミスをしても何も思わない。リラックスして冷静にしっかり役割を果たして欲しい。と監督から話がありました。緊張していた部分もありましたが、監督と話して気持ちが楽になりました。より一層、試合で良いパフォーマンスをみせたいと思っています。」

全勝対決を制するのは?そして、天理大では初の大学選手権優勝に導いた藤原だが、トップリーグでどんなプレーを見せてくれるのか。将来の日本代表を争うかもしれない齋藤とのライバル対決にも注目してみたい。

文:進藤佑基
写真提供:クボタスピアーズ

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