4月9日放送の「プレバト!!」では、名人・特待生のみが参戦できる水彩画タイトル戦「春の水彩画コンクール2020」が放送される。4回目となるコンクールでは、しずちゃん(名人初段)、土屋アンナ(特待生2級)、田中道子(3級)、辻元舞(4級)、アンミカ(5級)、小倉久寛(5級)、白石糸(5級)の7人が激突。それぞれのテーマは抽選で決定され、水彩画家の野村重存先生が「切り取り方」「正しい描写」「明暗」の30点満点ずつ、さらにお題ごとに先生が重視するポイントを「特別加点」として最高10点を加え、合計100点満点で評価する。
番組で「水彩画の才能査定ランキング」コーナーがスタートして4年が経ち、多数の名人・特待生が誕生し、プロ顔負けの腕前の持ち主が群雄割拠する"水彩画戦国時代"の様相を見せている。スタート時から芸能人の水彩画を査定してきた野村先生に、これまでに衝撃を受けた水彩画や注目の名人・特待生、そして今回のコンクールの見どころを直撃した。
芸能人の多才ぶりに圧倒、「特待生第二世代」も登場して下克上の様相に
――2016年から「水彩画の才能査定ランキング」の査定をご担当されていますが、これまでの放送を振り返っての思い出や感想をお聞かせください。
はじめの頃は、芸能人の皆さんも比較的軽いタッチで、あっさりとした感じの作品でした。なので、お手本もあまり書き込まなくて良かったんです。それが回を重ねるごとに、皆さん気合が入ってきて、こちらも「これは負けられない!」と力が入りました。そして、しずちゃん(南海キャンディーズ)や鈴木砂羽さん、田中道子さん、千賀健永さん(Kis-My-Ft2)などが、いわば「特待生第一世代」として上位を占めてきましたが、ここに来てアンミカさんや辻元舞さんらが「特待生第二世代」といった感じで台頭してきました。まさに下克上的な様子になってきた気がします。何より芸能の世界で活躍されている皆さんの多才ぶりに驚き、描くことへの真剣さには頭が下がる思いです。
――これまで見てきた作品の中で衝撃を受けたのは誰の作品ですか?
ノンスタイル井上さんの花見の様子を描いたという作品は笑いました。加藤登紀子さんの絵は、もはや「表現作品」といった感じでインパクトがありましたね(笑)
そして、アンミカさんと辻元さんには驚きました。お二人とも画力が高く、上手なうえに、絵を描くことが本当にお好きなんだなと感じました。
注目はアンミカ、辻元舞「これからどんな傑作が生まれるのか、すごく楽しみ」
――先生が特に注目している名人・特待生、その絵の特徴や味わいを教えてください。
やはりアンミカさん、辻元さんは、これからどんな傑作が生まれるのか、すごく楽しみです。
アンミカさんは奥行きや立体感がとても自然に描ける人で、さらに色や形、光の表現など絵全体の構成力に注目しています。
辻元さんは、モチーフの正確な描写や材質感にまで迫る描写力で、どこまで描けるのか期待しています。画面にさりげなく子どもの姿を書き入れるなど、ちょっとした演出も楽しみですね。
また、千賀さんやしずちゃん、田中さんは着実に上達しているので、すごく「伸びしろ」があると思っています。
千賀さんの絵は、明るく軽やかな雰囲気が魅力ですが、描く線や形は、なかなかシャープで力強いんです。
しずちゃんは、描く対象(モチーフ)を素直に観察して描こうとする誠実さと、どんなお題でもしっかり描き切る力強さが大きな魅力です。
田中さんは、絵の基本がしっかりできているので、その画力をいろいろなお題に応用していけば、どんどん上位に行くと思います。
「描きたいだけやろ!」浜田雅功のツッコミは「その通りです(笑)」
――世間では先生の神がかった「お手本」が話題になっています。それと共に「先生が描きたいだけなのでは?」というツッコミもあります。
MCの浜田雅功さんからのツッコミですよね(笑)。「描きたいだけやろ!」は、家宝もので、ありがたいばかりです。そして、結構その通りで、自分が描きたいだけだったりしてます(笑)。「お手本描き」は私にとっても、すごく貴重な勉強になっているんです。自分では選ばない場所や構図を描かせてもらえるので、技量の幅を広げる、すごく有意義な経験であり、すごくいい練習になっているんです。
――番組でもさまざまなアドバイスをいただいていますが、改めて初心者でも水彩画が上手くなるコツを教えてください。
初心者の方は完成を目指して、無意識のうちに急いでしまっていることが多いです。水彩画は水を使うので、はじめに塗った色がきちんと乾いてから色やタッチを重ねます。そのため、ゆっくり乾かしながら描くことが必要なので、実は休み休みのんびり描くことが大切です。また、水を使い過ぎないことも思い通りの形を描く大事なコツです。
コンクールは力作ぞろい、上位3人は「過去最高レベルの完成度」
――先生にとって水彩画はどのような存在ですか。また、その魅力もお聞かせください。
私にとっての水彩画は生活の中心であり、いろんな意味で根幹となっています。もちろん、他の画材も使うのですが、何と言っても水彩画は、その画材、用具の扱いの簡便さや手軽さが魅力です。仕上がりの雰囲気も画用紙と一体化した色調が軽やかで、優しいのも大きな魅力ですね。
――最後に「春の水彩画コンクール2020」の見どころをお願いします。
まさに、7人7様の力作ぞろいで、今回もさらにさらにレベルアップしています。皆さんそれぞれ個性の魅力を保ちつつ、弱点を克服しようとする努力が見えるのも見どころです。そして、上位3人の作品は、過去最高レベルの完成度と言っても過言ではないでしょう。すごいです! 複雑な風景も細部までしっかり丁寧に描きこまれた臨場感、手で触れた時に手触りまで伝わってきそうな描写力、奥行きや立体感を自然に感じさせる空間の表現などなど、見どころ満載です!
【野村重存(のむら・しげあり)】
1959年東京生まれ。多摩美術大学大学院修了後、同大学助手、美術専門誌、私立美術館勤務等を経て、現在は絵画レッスンプロとして活動。カルチャースクール、生涯学習講座の水彩画・デッサンなどの講師、技法書の執筆などを手掛ける。
取材・文/中野 龍
◆4月9日(木)よる7時放送◆
「プレバト!!才能ランキング」春の3時間SP
【動画】みどころはこちら
芸術性や文才など芸能人のあらゆる才能をプロが査定! 才能アリなら絶賛!才能ナシなら容赦なく酷評!浜田雅功が最強講師陣を率いてお届けする新しいカルチャースクール番組『プレバト!!』はMBS/TBS系で毎週木曜よる7時放送。https://www.mbs.jp/p-battle/