1月3日放送の「プレバト!!」は名人・特待生だけの俳句タイトル戦「冬麗戦」の決勝が行われ、Kis-My-Ft2 横尾渉が悲願の初優勝を果たした。“無冠の名人”だった横尾は“庖丁始”を季語に、五七五の調べから外れた破調句を披露。夏井いつき先生は「定石を無視しているが、絶妙な言葉のバランス」と大絶賛し、キスマイメンバーの千賀健永も「頑張っている姿をずっと見てきた」「結果が出て本当にうれしい」と仲間の雄姿に思わず男泣き。初のタイトル王者に輝いた横尾は会心のガッツポーズを決め、満面の笑みでトロフィーを掲げた。
東国原が2位、大波乱の幕開けに梅沢「ライバルはいなくなった」と王座奪還に意欲
名人・特待生だけの俳句タイトル戦"冬麗戦"の決勝は、予選を勝ち抜いた皆藤愛子(特待生3級)、フルーツポンチ 村上健志(名人10段)、梅沢富美男(10段)、Kis-My-Ft2 北山宏光(5級)に加え、金秋戦でシード権を獲得している東国原英夫(10段)、FUJIWARA藤本敏史(10段)、Kis-My-Ft2 横尾渉(4段)、中田喜子(3段)、千原ジュニア(初段)の9人が「お鍋」をお題に激突。俳人・夏井いつき先生が「小さな差。本当に苦労した!」と順位をつけるのに頭を悩ませたほど、かつてないハイレベルな戦いを繰り広げた。
タイトル王者だけがスタジオに飾られる肖像画をフルポン村上、東国原の2人が独占する中、梅沢は「今回は本当に気合を入れてきました! チャレンジして、タブーに挑戦しました。優勝して(賞金の)30万円を視聴者にプレゼントしますよ。他の皆さんは全部懐に入れるでしょうけど、私はそんな男じゃない!」と宣言し、スタジオは大盛り上がり。そして、まず惜しくもタイトルを逃した2位が発表されることに。
<第2位>
湯豆腐の湯気アインシュタインの舌
東国原英夫
「(予選の)御大(梅沢)みたいに置きにいっていませんから。いつでも勝負! 宇宙の真理を追究したアインシュタインの舌に湯豆腐の湯気を当てたら、どんなことを分析、発見するのかなって。皆さんに投げ掛けたかった」
発想を飛ばしまくった優勝狙いの句だったが、2位にとどまり「終わった...」と悔しさをにじませる東国原に対し、梅沢は「ライバルはいなくなったね」と自身の優勝を確信。優勝候補が脱落する波乱の幕開けとなったが、夏井先生は「なぜ"湯豆腐の湯気"と"アインシュタインの舌"を取り合わせるのか分からない人もいるかもしれませんが、取り合わせというのは全く関係のない2つの言葉をぶつけて、言葉の火花を散らす手法なんです。よく思い切ってやられたと思いました!」と絶賛。
さらに、先生は「"湯豆腐"というのは非常にシンプルな食べ物ですが、その分奥が深い食べ物でもあります。それに対し、"アインシュタイン"という物理・宇宙を奥深く考えていくイメージの言葉をぶつけてくる。いい言葉の火花が散っていると思います。五・七・五は裏切っておりますが、対句表現のリズムを収めている。さすがだと思います。個人的にはこういう挑戦は大好きですし、大きく評価したい」と褒めたたえた。
まさかの4位に梅沢富美男「裏番組に出てやる!」と悔しさ爆発
続いて、「30万円を獲るつもりで、すでにソファーを買っています!」と自信満々だった春夏の二冠王・フルポン村上が3位に。大本命の2人が脱落したことで、新たなタイトル王者の肖像画が飾られることが決定。その後、8位に皆藤、5位にフジモン、6位にキスマイ北山がランクインし、残るは「俺が優勝しなかったら、プレバトじゃないだろ」と息巻く梅沢、女性初のタイトル王者を目指す中田、優勝経験のない無冠の名人・キスマイ横尾、昨年の冬麗戦準優勝のジュニアの4人に。梅沢の王座奪還か、それとも世代交代が起きるのか、白熱の展開となる。
<第4位>
湯豆腐にすの立ちはじむ四方の春
梅沢富美男
「"湯豆腐"が季語、"四方の春"もお正月の大きな季語なんです。ですから、あえてサラッとした"湯豆腐"という季語を使ってみたんです。みんなでワイワイ飲んでいるうちに、湯豆腐に"す(細かい穴)"が入るじゃないですか。その時間まで、みんなでお酒を飲んだり、おしゃべりをしたり楽しんでいる。季語が2つ入っているチャレンジをしたんです!」
まさかの4位に納得がいかない梅沢は「タブーに対してチャレンジしたんだぞ!」「視聴者も(プレゼントの)30万円待ってたんだ!」と吠えまくるなど大荒れ。しかし、「じゃあ自分で払いましょうよ。ポケットマネーで」と東国原にツッコまれると、急にトーンダウンして「ど...」と言葉を詰まらせ、スタジオは大爆笑。
夏井先生は「季重なりの挑戦、私は大きく評価しています。この句の非常に面白いところは"湯豆腐にすの立ちはじむ"とマイナスの表現をしておいて、最後に"四方の春"という大きな新年のめでたい季語を持ってきた。うまくやっていると思います」と褒めつつ、「ただ一点だけ。"すの立ちはじむ"で終止形なので意味が切れてしまって、"四方の春"が付け足しになっちゃう。本当は"立ちはじむる"としなければいけない。でも中八になっちゃう」と指摘。さらに、「すごく同情した。この内容なら1位になれるのに。でも直しようがないなとも思った」と優勝の可能性があったことも明かした。
<添削後>
湯豆腐にすの立ち四方の春の酒
先生は「でも、あなたの話の中にいい言葉があったじゃない。"酒"を使ったら良い感じになりそう」と添削に着手し、「これなら1位だったかも」。あまりに見事な劇的添削に梅沢も「なんでそんなに上手に直すの?」と感心しきりだったが、優勝を逃した怒りは収まらず「もう裏番組に出てやるからな!」と悔しさをぶちまけていた。
キスマイ横尾渉が悲願の初タイトル、腕を天に突き上げて会心のガッツポーズ
最後は、キスマイ横尾、中田、ジュニアという誰が勝っても初タイトルとなる三つ巴の争いに。東国原は「こうなったらジュニアくんでしょうね。(2人には)申し訳ないけど」とジュニアの優勝を断言したが、なんとジュニアは7位に撃沈。期待しまくっていたジュニアは「東さん、どうしてくれんねん!」と逆ギレ。一方、優勝が現実味を帯びてきた横尾は「もう優勝ですね! そろそろ(タイトルが)欲しい」「鍋ですし、料理は得意分野なのでいけるんじゃないか」と身を乗り出し、中田も「1位獲れたらいいですねえ~」「どうしたらいいんでしょう」と女性初のタイトル王者まであと一歩に迫って落ち着かない様子。
<第1位>
庖丁始都心は計画運休
Kis-My-Ft2 横尾渉
「優勝は横尾!」。名前を告げられると、横尾は腕を天に突き上げて会心のガッツポーズ。中田はまさかの最下位に「嘘~!」とおなじみの表情で落胆した。
この句について「都心に雪が降って、計画運休で電車が動かない。予定もなくなってしまって、何をやろうかな。じゃあ、久しぶりに料理でもしてみようかなという句です」と横尾。
東国原は「これがチャレンジです! 彼はずっと定型できていた。もう一歩だなと思っていたら、いきなりチャレンジできた」と大絶賛。梅沢も「素晴らしいですね!素晴らしいチャンピオン!」とたたえると、決勝を見守っていたキスマイ千賀健永は「僕は横尾さんが頑張っている姿をずっと見てきたし、グループの中で一番勉強熱心だから。こうやって結果が出て本当に...本当にうれしい!」と仲間の雄姿に思わず男泣き。やや芝居がかった千賀の涙に対して、北山が「あいつ(千賀)情緒がおかしい」とツッコミを入れ、スタジオが笑いに包まれる場面も。
夏井先生は「ちょっとリズムがぎくしゃくしているので、最初は高い評価にはしていなかったんです。ゆっくりと丁寧に分析すると、どんどん評価が上がってくるタイプの句でした」と告白し、「"庖丁始"と7音も使って上五を埋めているので、七・五と整えるのが定石なのですが、それも無視している」とかなり攻めた内容だったことを指摘。
その上で、先生は「"都心計画運休す" にすれば、ちゃんと調べが入ってくるのですが、この"は"は大事なんです。自分が住んでいるところは大丈夫だけど、都心は大雪なので計画運休することをあらかじめ知っているわけです。だから"は"は絶対に外せない。"運休す" "運休日"とやってもいいのですが、そうすると後半に比重が来て、肝心の季語の"庖丁始"との言葉のバランスがちょっと崩れる」と解説し、「微妙な言葉のバランスを作者自身が考えた上で、これだ! と決められたんじゃないかな」と難しいバランスを巧みに制していると絶賛。
そして、「今回の1位、2位の句は破調。東国原さんの"湯豆腐"と"アインシュタイン"のチャレンジも面白かったのですが、季語をどう生かすか微量の心遣いでした」と僅差だったことも明かし、「こっちの"庖丁始"は主役になっています。この句を若い横尾さんが作ったんだと、うれしく思っております!」と新王者の誕生に拍手を送った。
その後、次回の春のタイトル戦のシード権が4位まで(横尾、東国原、村上、梅沢)与えられることも発表され、最後は賞金30万円とトロフィーを受け取った横尾の満面の笑みで幕を閉じた。
<2020冬麗戦 決勝 結果発表>
第1位 横尾渉(Kis-My-Ft2)
第2位 東国原英夫
第3位 村上健志(フルーツポンチ)
第4位 梅沢富美男
第5位 藤本敏史(FUJIWARA)
第6位 北山宏光(Kis-My-Ft2)
第7位 千原ジュニア
第8位 皆藤愛子
最下位 中田喜子
◇
さて、次回の俳句査定のお題は・・・
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