俳句・冬麗戦「どんな手を使っても...」帝王・梅沢富美男の必勝策にブーイングの嵐

もう一度楽しむプレバト

2019/12/27 14:00

12月26日放送の「プレバト!!」俳句査定は、タイトル戦“冬麗戦”の予選が行われ、皆藤愛子、フルーツポンチ 村上健志、梅沢富美男、Kis-My-Ft2 北山宏光の4人が決勝に駒を進めた。「予選で落ちるようだったら名人の称号を下ろす」と豪語していた梅沢だったが、プライドを捨て、定型にはめ込んだ手堅い一句で3位通過を決めると、スタジオは「1位みたいな顔をして」「勝負してない」「芸風と違う」と大ブーイング。夏井先生も「おっちゃん、置きに来やがったな」と苦笑いすると、梅沢は「どんな手を使っても通過したかった」と本音を明かし、スタジオが大爆笑に包まれた。

キスマイ北山が決勝進出一番乗り、「台湾のみんな、頑張ってるよ!」と喜び爆発

総勢14人の名人・特待生が参戦する俳句タイトル戦"冬麗戦"が開幕し、前回のタイトル戦"金秋戦"から導入された新ルールにのっとり、今回の予選にはシード権を持たない名人・特待生9人が登場。金秋戦で6位以下だった名人10段の梅沢富美男とフルーツポンチ 村上健志、特待生2級の松岡充に加え、名人初段の立川志らくとKis-My-Ft2千賀健永、特待生3級の岩永徹也と皆藤愛子、特待生5級のKis-My-Ft2 北山宏光と森口瑤子が、「年末年始の駅弁売り場」をお題に決勝進出4枠をかけて激突した。

決勝で待ち構える名人10段・東国原英夫、FUJIWARA 藤本敏史、名人4段・Kis-My-Ft2 横尾渉、名人3段・中田喜子、名人初段・千原ジュニアが余裕の表情で見守る中、シード権を失って初めて予選から参加する梅沢は「プライドが傷つきました」と憮然とした表情で切り出し、「予選から勝ち上がって優勝という、誰もなしえなかった快挙を私がやりますから!」と宣言。一方、普段は仲の良いキスマイメンバーにもライバル意識が生まれているようで、北山が台湾公演で「北山、俳句ガンバレ!」とファンから応援されたことを明かすと、横尾は「僕には一切なかった」、千賀も「僕らは "じゃない方アイドル"みたいな扱いをされている」と悔しがるなど冒頭から火花を散らした。

<第4位 予選通過>
 初旅や頬にぷくりとボンタンアメ
          Kis-My-Ft2北山宏光

まず決勝進出1人目となる4位が発表され、名前を告げられた北山は腕を突き上げてガッツポーズ。さらに「台湾のみんな、頑張ってるよ!」と呼びかけ、喜びを爆発させた。

「小さい頃からボンタンアメが好きで、旅の時には食べていた。駅のホームで売っているイメージもあって、その思い出を書かせていただきました」

横尾は「最近、北山は『俺の俳句の作り方が分かってきた』とずっと言っていた」と実力を認めつつ、「ただ、"ぷくり"ってかわいく言っているのが、すげー腹立つ」と気に食わない様子。しかし、俳人・夏井いつき先生は「この句は型にきっちりと入れてきましたね。"初旅"はいい季語ですね。その年初めての旅、明るさや心の華やぎがあります。"ボンタンアメ"と最後に具体的なものを出してきたのも、とても良かった」と絶賛。

さらに、先生は「最初は"頬にぷくりと"という描写がありがちかなとも思ったのですが、"ボンタン""ぷくり"という音の響きが楽しいですし、ボンタンアメを知っている人はすぐに噛まないで口の中に入れている初旅の楽しさのような描写になっているので、全体を読んだ時にちゃんと季語を生かす言葉として機能している」と解説し、「身の丈でちゃんと作っているのが、とても良い!」と褒めたたえた。

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「逆に予選に出ちゃって、ごめんなさい」2位通過・フルポン村上がドヤ顔連発

残り3枠となる中、梅沢が「1枠で十分なの! 4枠なんていらないから」と余裕を見せれば、志らくも「名人に昇格した時の『色変えぬ松や渋沢栄一像』という句が、渋沢栄一記念館に飾られたんです」と猛アピール。そして、予選通過にわずかに及ばなかった5位に岩永、6位に森口がランクインし、2位が発表されることに。

<第2位 予選通過>
 抜型を重ねて仕事納めかな
         フルーツポンチ 村上健志

「野菜とかクッキーとかをいろんな形にできる金属の抜型なんですけど。駅弁の中にもお花の形をしたニンジンとかあるじゃないですか。それを作っている人が型を重ねて最後にしまう。その仕事納めがいいなって思って」

夏井先生は「うまいですね! 抜型という単語だけで、どういうお仕事なのか想像させます」と言葉のチョイスを高く評価。「私たちはお題の写真を見ていますが、お弁当屋さんだけでなくお菓子屋さんかもしれません。この単語で語ろうとしている情報量がしっかりあります。"重ねて"もさりげない動作だけど、非常に的確な動きだと"仕事納め"で分かる。そして"かな"という詠嘆の使い方も、ゆったりとしみじみと安堵に近いような気持ちも入っています。さすがだな!」と太鼓判を押した。

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村上が気持ちの悪いドヤ顔を連発すると、フジモンが「その顔なんやねん!」と腹立たしそうにツッコんだが、村上は「逆に予選に出ちゃって、ごめんなさい」とさらに調子に乗りまくっていた。

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梅沢富美男がプライドを捨て3位通過、非難の嵐に「予選だけ通ればいい」と開き直り

その後、8位に松岡がランクインし、残る2枠を梅沢、志らく、千賀の3人の名人と、特待生の皆藤が争う熾烈な展開に。東国原が「番狂わせがあったら面白いねえ」と煽れば、ジュニアも「メガネ(梅沢、志らく)か? 裸眼(千賀、皆藤)か? どっちがくるのかな」。すると、沈黙していた梅沢は「ここで落ちるようだったら名人の称号を下ろした方がいいと思います」。予選敗退すれば名人の座を返上するという、まさかの発言が飛び出し、スタジオにざわめきが起こる。

<第3位 予選通過>
 初旅やほのかに匂ふポリ茶瓶
           梅沢富美男

「若い子は分からないかもしれませんが、ペットボトルがなかった昔は弁当に"ポリ茶瓶"がついていた。蓋をとって飲むやつ。良い年を迎えて、初めて旅をする。懐かしいなという句を詠んでみました」

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自信満々だった梅沢の意外な順位に、スタジオからは「えー? 1位じゃないんだ」「ずっと1位みたいな顔をしてたから」と大ブーイング。東国原が「御大の戦略が見え隠れしますね。絶対に外さない句ですよ。絶対、3位以内を狙いにきてます。定型のやり方で置きにいってます。全然勝負してないよ。芸風と全然違う!」と怒りをにじませながらツッコむと、夏井先生も「おっちゃん、置きにきやがったなと思いました」と苦笑い。

先生は「季語を置いて、"や"で強調して、12音でワンフレーズを作る。基本中の基本の型をしっかりと押さえている。3位と4位は同じ季語の型ですが、安定感があるんです。むしろ失敗しにくい」と手堅い手法を使ったと解説。その一方で、「でも、ちゃんと意図が伝わる工夫をしているんです。"初旅"の明るさや華やぎを置いておいて、"ほのかに匂ふ"とあいまいな表現で読者に謎を投げるわけです。美しい匂い袋かなと雅なものを思わせながら、"ポリ茶瓶"という昔懐かしいグッズ。一回でも飲んだことのある人は、匂いも一緒に伝わってきます。その狙いが成功している」と評価した。

MCの浜田雅功が「皆さんに散々言われてますけど、どうしても予選を通過したかったの?」と問いかけると、梅沢は「はい、その通りです」と開き直って告白。「どんな手を使っても予選だけは通過したかったんです。名人らしいなんて考えないで、予選だけは通ればいいなーって」と本音を打ち明け、スタジオは大爆笑に包まれた。

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皆藤愛子が1位通過の番狂わせ、実力者・志らく&2018年王者・キスマイ千賀を下す

ついに残るは1枠となり、実力者の志らく、2018年の"冬麗戦"王者の千賀に対し、唯一の特待生・皆藤は「最下位は嫌だな...」とポツリ。しかし、志らくがまさかの7位に沈む番狂わせが発生すると、千賀は思わず「うおぉ!」と声を上げ、「今日も三振かって思ってたんですけど、これ俺ホームランの可能性がある。いけると思う!」と勝利を確信。そして、予選トップ通過となる1位がついに発表される。

<第1位 予選通過>
 右肩に枯野の冷気7号車
          皆藤愛子

「えっ? いやったー!」思わず大声を出してしまい、口を抑えながら皆藤は大はしゃぎ。一方、千賀は「嘘でしょ...」と意気消沈。

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「新幹線で右の窓側に座っていたら、冷気がきて、パッと窓を見たら枯野が広がっていた」

フジモンは「いいですよ! だって、"右肩に"でどこの席に座っているか分かるじゃないですか。大阪発東京行きだったらA席ですもんね」と光景が目に浮かぶ句をべた褒めすると、夏井先生も「この句は本当にいい句だなって、うっとりしました。うまいですよ!」。

先生は「"右肩に"と部位を具体的に書き、何だと思ったらに"枯野"という季語。何で右肩にだけ"枯野の冷気"があるのかしらという小さな謎を投げ込まれ、"7号車"という状況がちゃんと出てくる。ここまで読んだ瞬間に、列車のどの席に座って、右に意識を傾けながら窓の外を見ているのではないかなと想像ができます」と解説し、「私は最後の"7号車"が出てきた瞬間に、先頭の1号車が広い枯野をゆっくりカーブしていく、それを7号車の窓から見ているという車窓の広がりも見えました。お上手です! 素晴らしい!」と大絶賛。

この結果、皆藤、フルポン村上、梅沢、キスマイ北山の4人が決勝に進出し、シードで待ち構える東国原、フジモン、キスマイ横尾、中田、ジュニアとタイトルを争うことになった。

<冬麗戦 予選 結果発表>
第1位 皆藤愛子
第2位 村上健志(フルーツポンチ)
第3位 梅沢富美男 
第4位 北山宏光(Kis-My-Ft2)・・・以上は決勝進出
第5位 岩永徹也
第6位 森口瑤子
第7位 立川志らく
第8位 松岡充
最下位 千賀健永(Kis-My-Ft2)

     ◇

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