8月15日放送の「プレバト!!」俳句査定は、夏井先生が全国から選りすぐった天才小中学生とプレバト名人・特待生が5対5の団体戦で激突する「夏井選抜 天才小・中学生 VS 名人・特待生 夏の他流試合スペシャル」を開催。「赤子の手をひねるよう」(立川志らく)、「負けたら恥ずかしいですよ」(Kis-My-Ft2 千賀健永)と余裕をかましていたが、夏井先生が「これが子どもの俳句だったことに、ただただ驚きです!」と仰天する傑作俳句が続出。小中学生の実力の前に、わずか1点差でプレバトチームが惜敗する結果となった。
夏井先生「志らくさんの方が小中学生の句かと思った」
今回は俳人・夏井いつき先生がプレバト名人・特待生の真の実力を試すべく、全国から選りすぐった天才小中学生との5対5の団体戦「夏の他流試合スペシャル」が行われ、プレバトからはFUJIWARA 藤本敏史(名人10段)、Kis-My-Ft2 千賀健永(特待生1級)、千原ジュニア(1級)、立川志らく(1級)、皆藤愛子(5級)が参戦。さまざまな電車が青空の下を走る写真で「夏空と電車」をお題に、対戦はそれぞれの作風を知る夏井先生がマッチメイク。審査員は俳句界の重鎮・宇多喜代子先生、井上康明先生、高野ムツオ先生の3人が務めた。
前回の他流試合で「俳句甲子園」常連校の愛媛県立松山東高校に勝利したプレバトチームは「小・中学生相手なら赤子の手をひねるよう。負けるわけがない」(志らく)、「負けたら恥ずかしいですよね。知っている言葉の数が違うでしょ」(キスマイ千賀)と余裕をかますが、夏井先生は「なめてたら痛い目に遭うんじゃないんですか」とバッサリ。その言葉通り、プレバトチームが大苦戦する展開に。
<第1試合>
まず、夏井先生が「大人が太刀打ちできない感受性」と太鼓判を押す中学3年生・馬場叶羽さんと志らくが対戦。実は馬場さんが俳句歴9年だと判明し、ジュニアが「小っちゃいフリして、俳句歴は我々より長いじゃないですか!」と驚きの声を上げるなど、プレバトチームは大慌て。
八月が降りる江ノ電の海水浴
立川志らく
風鈴は鳴らぬ駅長室のドア
中学3年生 馬場叶羽
「江の島の海水浴の光景をシンプルに。八月がどーんと海水浴場に降りてきた様を詠んだ」という志らくに対し、馬場さんは「地下鉄の駅長室のドアに風鈴がかかっていて。でも地下なので風は入ってこない。"駅長室"と言う言葉を使うことで、人がいない様や駅長さんの人柄も詠めたら」という句で勝負。
<判定>
28 対 29 ・・・ 勝者:小中学生選抜
僅差ながらプレバトチームが敗北。井上先生は「馬場さんの句は地下鉄だとは分からないが、駅長室の風鈴が鳴らないという夏の暑苦しさ、蒸し暑さが浮き上がってくる」と高く評価する一方で、「志らくさんの句は "八月が降りる"というたとえがやや踏み出しすぎ」と指摘。しかし、宇多先生は「私はそこが良かったと思う」と志らくの句を支持し、評価が割れる結果に。
夏井先生は「志らくさんの"八月が降りる"という擬人化を大胆で面白いと評価するか。一方、馬場さんの句は"ドア"があって風鈴が鳴らないという謎のようなものに惹かれるかが、大きな評価の分かれ目」と解説。さらに「志らくさんの方が小中学生の句かと思った。馬場さんの句の方がきっちりキレイにできているので...」と予想と正反対だったことを明かすと、志らくは「おじちゃんはね。精神年齢が8歳なの」とおどけるのだった。
<第2試合>
第1試合で出鼻をくじかれたプレバトチームからは、紅一点の皆藤が登場。先生が「好奇心の塊」と惚れこむ俳句歴8年の小学6年生・野村颯万くんとの戦いに。
夕立の粒木霊する高架下
皆藤愛子
白南風よレールの下の砕石へ
小学6年生 野村颯万
「急な夕立が降ってきて、高架下で雨宿りをしている時の様子」をストレートに詠んだ皆藤の一句に対し、野村くんは「レールの下を見たら、クッションの役割をしている砕石を見つけた。いつも見えないところで頑張っている砕石に白南風が当たってほしい」と発想を飛ばして真っ向勝負する。
<判定>
28 対 29 ・・・ 勝者:小中学生選抜
結果は、またもプレバトチームの敗北。宇多先生は「空高々と吹く大きな風が、レールの下の、しかも小さな石に届く。こういう着想は面白い」と野村くんに軍配を上げると、高野先生も「"白南風よ"の"よ"が効いている。風に対する呼びかけの気持ちが出ているし、"砕石へ"の"へ"も良い。とても小学生には思えない」と大絶賛した。
<第3試合>
2連敗でもう後がないプレバトチームから千原ジュニア、俳句歴2年にして夏井先生が「17音のファンタジスタ」と期待する小学4年生・阿見果凛さんの対決。
撮り鉄の汗拭いけり103系
千原ジュニア
早緑の電車まっすぐ夏雲へ
小学4年生 阿見果凛
ナナハンや車など乗り物俳句を得意とするジュニアは「"撮り鉄"マニアの方々がカメラを構えて待っているところに古い電車が来た」という句を披露。それに対し、阿見さんは「お題の写真を見て、早緑の電車が真っすぐ夏雲の方へ向かっているような気がした。電車はいつも同じ線路の上を走っているけど、いつかどこかへ飛び出したくならないかなと思って」とかわいらしい発想。あまりの出来栄えに、ジュニアが「これ(阿見さんの句)を俺が詠んだんじゃないかな?」とどさくさに紛れて言い出す場面も。
<判定>
29 対 27 ・・・ 勝者:プレバト選抜
やっと1勝を挙げたプレバトチームは大喜び。ジュニアも「やっぱり僕が詠んだのは103系の方でしたね」と手のひら返しで大はしゃぎする。
<第4試合>
千賀「弾丸列車」の知られざる意味とは
総得点で同点に持ち込み、勝負の第4試合はキスマイ千賀と俳句歴8年の中学3年生・宇都宮駿介くんが対戦。しかし、フジモンは「怖いわ~。三振かホームランの子なんで」と千賀への不安を口にする。
原爆忌弾丸列車光るこの空
Kis-My-Ft2 千賀健永
原爆忌今日も明日も通る道
中学3年生 宇都宮駿介
なんと2人は偶然にも"原爆忌"という同じ季語を使っていたことが判明。しかも、「弾丸列車は新幹線のこと。広島が原爆で破壊つくされた時から考えたら、新幹線が走るほど平和になったんだな」という千賀、「いつも歩いている通学路に、もし原爆が落ちていたら明日は通れていないと思ったら、大事に通らないといけない」という宇都宮くん共に平和を詠んだ句を披露。しかし、なぜか千賀は仲間のプレバトチームから「意味が全然わからない」と酷評されてしまい、ジュニアは宇都宮くんの句を「めちゃくちゃええ」と大絶賛。さらに「これ9点差で負けるで!」とまで言い出す。
<判定>
28 対 28 ・・・ 引き分け
結果はまさかの引き分け。宇多先生と井上先生は宇都宮くんの句に軍配を上げたが、高野先生が2点差をつけて千賀の句を高評価。しかし、高野先生は「この句の良さに本人も気づいていないと思う」と意外なコメント。「"弾丸列車"は戦時中に下関から大陸まで通そうとした列車」だと指摘し、「叶わなかった列車を思い出しながら、平和になった今、新幹線に乗っている。時間がダブルイメージで見えてくるのがとても良い」。予想外の結果に宇都宮くんが「本人が分かってないのに引き分けなのは悔しい」とつぶやくと、最初は「知ってましたよ!」と言い張っていた千賀も「なんか、すみません。汗が止まりません...」と苦笑いしていた。
<第5試合>
フジモン完敗!「これが子供だったことにただただ驚き」
同点のままもつれ込んだ最終勝負の第5試合は、フジモンと大人も参加する俳句コンテストで最優秀賞に輝いた"発想の達人"の小学6年生・水野結雅くんが激突。フジモンは「ちょっと心配なのは、僕が圧勝してしまって俳句を嫌いになるんじゃなかな?」と挑発するが、水野くんは全く動じない。
塩っぱめの飯頬張る西日の火室
FUJIWARA 藤本敏史
鈍行は僕の生き方かぶと虫
小学6年生 水野結雅
フジモンは「"火室"とは蒸気機関車の石炭を入れる場所。釜炊きの仕事は体力をめちゃくちゃ使うんです。特に夏は汗が滝のように流れて大変。西日が当たる夕方の休憩時間に、塩分強めのおにぎりを頬張っている」と意図を説明。対する水野くんは「鈍行は各駅停車で遅い。僕もいつも遅くて怒られて。でも、その生き方でも自分はいいと思って。"かぶと虫"は見た目は格好いいけど、動くとノロノロしている。僕の生き方と同じ」という一句で勝負。
<判定>
28 対 29 ・・・ 勝者:小中学生選抜
<総合得点>
141 対 142 ・・・ 勝者:小中学生選抜
高野先生がフジモンに10点満点をつけるも、宇多先生と井上先生が水野くんに10点を入れ、水野くんが勝利。総合得点でも小・中学生選抜チームの勝利が決定した。夏井先生は水野くんの句を「鈍行に対して"カタツムリ"とかだったら絶対アウト。でも"かぶと虫"ときたか。 力強く、遅く、美しく。これを小学生にやられたら! これが子どもだったことに、ただただ驚いている」と大絶賛。
水野くんは「審査員の先生に10点もつけてもらって、うれしいです」と喜びを噛みしめると、フジモンは「高野先生に10点つけてもらえて、本当にうれしいです」と負けじとアピール。慰めるように宇多先生が「きょうは互角でしたね。はっきり言って、どちらがお子さんの句なのかわからない」とハイレベルな戦いだったと健闘を称えたが、最後に志らくが「わずか1点差なんだけど、よくよく考えたら千賀くんの句が高野先生の深読みだから。冷静に考えたら完敗なんですよね...」と蒸し返し、スタジオが笑いに包まれて幕を閉じた。
◇
さて、次回の俳句査定のお題は・・・
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