フジモンが渾身のグルメ俳句で梅沢・東国原タイの名人トップ10段に昇格

もう一度楽しむプレバト

2018/11/05 13:00

11月1日放送の「プレバト!!」俳句査定は、FUJIWARA藤本敏史が行きつけのカレー店で見た光景を詠んだグルメ俳句で、ついに名人最高位10段に昇格。梅沢富美男、東国原英夫と並び、“永世名人”争いに名乗りを上げた。さらに、ランキング戦は“中年の星”として人気の力士・嘉風らが参戦し、俳人・夏井いつき先生を「一言でいうとハイレベル。最下位の人も途中まで『この句、才能アリ』って思ったくらい」とうならせる波乱の展開となった。

骨付きラム肉から銀杏に発想を飛ばした"小さなワクワク感"でフジモンが待望の10段昇格
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今回は「晩秋のレストラン」をお題に、名人9段のフジモンが特待生昇格試験に挑戦。「よく行くタイカレーのレストランがあって、いつも頼むのがラムの骨付きのカレー。骨付きのラム肉って、ちょっと銀杏(いちょう)の葉に似ているんですよね。それに重ねて詠んだ」という渾身の一句で、名人最高位10段をかけた勝負に出る。

<1ランク昇格 名人9段→10段>
タイカレーのラムは骨付き銀杏散る
      藤本敏史(FUJIWARA)

評価のポイントが助詞の"は"であることが明かされると、フジモンは「は?」と不安げな表情に。そしてMCの浜田雅功が「1ランク...」と発表をためると、降格がよぎるフジモンは「うそやん、ここにきて・・・」とつぶやくが、「昇格!」と告げられ、「やった!」と大喜び。夏井先生は「この句の"は"は、いっぱいある中で『これは』と指をさす強調。いつもは骨付きじゃないけど、きょうはちょっとだけ贅沢で、小さなワクワク感がある。それを1文字で表現できている」と大絶賛。「これは狙ってたんですよね?」と問いかけられたフジモンは「もちろんじゃないですか! いつもは骨付きじゃないんですけどね~」と強がり、浜田に「さっき、いつも食うてるって言えへんかった?」とツッコまれても聞こえないふりをする場面も。喜びに浸り続けようとするフジモンだったが、夏井先生は「最後の"銀杏散る"は多少評価が分かれるかもしれない」とも指摘する。

<添削後>
タイカレーのラムは骨付き黄落す

夏井先生は「葉が黄色く色づいて落ちる"黄落"という季語もある。書いてみようか。きっと知らない季語ね?」と添削し始めると、フジモンは「なんか腹立つ」と不満げな様子。それでも、夏井先生が「私なら"黄落す"とする。ちょっと贅沢感というか、特別な大人の秋な感じになる。でも、(フジモンは)銀杏の散っていく葉にラム肉を重ね合わせたかったんだと思う。そうなると、季語を変えると作者の創作意図が消えてしまう。尊重しなければいけないと考えた結果、1ランクアップと判断しました」と評価が変わらないことが分かると、「ありがとうございます!」と満面の笑みに。この結果、フジモンは梅沢、東国原と名人10段で並び立ち、トップ3の一角として"永世名人への道"争いに参戦することになった。

志らくの見事な"季重なり"の句を夏井先生が大絶賛
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昇格試験には、勢いに乗る特待生4級・立川志らくも登場。志らくは、三遊亭円楽(特待生1級)の「プレバト!!」復帰を待ち望んでいたようで、「この間、(金秋戦を)見ていたら、同じ落語家の円楽師匠が『(特待生の)落語家枠は一つでいい』と言っていた。早く復帰してもらって、また腹黒い中途半端な句を詠んでもらおうと思っていた」と円楽の宣戦布告を受けて立つ構えをアピール。そして、「江戸川乱歩の『蟲(むし)』という、ものすごく気持ちの悪い殺人事件の小説がある。読んでいくうちに、晩秋そのものが気持ちの悪い雰囲気になって、店の窓を見たら普通の虫なんだけど、小説に出てくるような気持ちの悪い蟲に思ってしまった」という独創的な一句を披露する。

<1ランク昇格 特待生4級→3級>
晩秋や乱歩を読みて窓に蟲
        立川志らく

フジモンは「過去に読んだ俳句も、ガンジー、石川啄木(と有名人が出てきて)、それで乱歩。1パターンなんで今回は現状維持ですね」とケチをつけたが、1ランク昇格が告げられ、夏井先生は「よく考えた季重なり」だと絶賛。"季重なり"とは2つの季語が入っている句のことで、「晩秋という映像を持たない季語、蟲という2つ目の季語が出てくるが、この季重なりは大したもん。乱歩の書く作品の怪しい感じが分かっている人は、季語としてではなく、恐ろしい虚構の蟲だと思う。その辺の季語の強弱が上手いもんですね」と感心しきり。

<添削後>
晩秋や乱歩を読めば窓に蟲

さらに夏井先生は「名人を狙うという意味で、手を入れてみます」と筆を取り、「"読めば"とすると、3つも意味を持つ。読んだので窓に蟲が来てしまったという原因・理由、次は読んだときはいつもそうなるという恒常条件、もう一つはたまたま来てしまったという偶然条件。読み手は好き好きに読むわけです。ちょっとしたことですが文法的な技術を身につけると、さらに上が見えてきます」と劇的添削でスタジオをどよめかせた。

"中年の星"嘉風関は大金星ならずも、夏井先生は「すぐ才能アリに手が届く」と太鼓判
ランキング戦には、36歳にして秋場所11勝の"中年の星"として人気の力士・嘉風、お笑いコンビ・ニッチェの江上敬子が初参戦。さらに前回"凡人"ながら「コツをつかんだ」という片岡鶴太郎、"才能アリ"経験者の皆藤愛子、高田万由子が参戦。夏井いつき先生が「一言でいうとハイレベル。最下位の人も途中まで『この句、才能アリ』って思ったくらい」と絶賛するハイレベルな戦いとなり、まず高田が才能アリ2位、皆藤が3位と大本命の2人が脱落。初登場で大金星の期待がかかる嘉風は、"銀杏"と土俵入りをかけた力強い一句を披露する。

<凡人4位>
銀杏の葉強く踏みつけ土俵入り
           嘉風

俳句は小学生以来という嘉風だったが「秋の風で落ちる銀杏が、荒れる秋場所を予想させる。踏みつけられても、"なにくそ精神"で土俵に立つ」という力士らしいもの。夏井先生は「写真から"土俵入り"に持ってくるって、どんな人かと思った」と作者が気になっていたようで、「生身を見て分かりました」と納得した様子。

<添削後>
銀杏黄落踏み付け今日の土俵入り

夏井先生は「実は"銀杏(いちょう)"だけでは木の名前なので季語にはならない」と季語を"銀杏黄落(いちょうもみじ)"と替え、さらに「志らくさんの指摘のところですが、全部ダメなわけではないが、"強く"を取って、その余った分で"今日の"とすれば臨場感を持たせられる」と添削。しかし、「ちょっとしたことですが、こうすればすぐ才能アリに手が届く」と潜在能力の高さに太鼓判を押すと、嘉風は「勉強になりました」とうれしそう。浜田から「続けていこうと思います?」と聞かれると、相撲のことで頭がいっぱいのようで「思います...」と苦笑いを浮かべた。

その後、ニッチェ江上が才能ナシ最下位に沈み、鶴太郎が木版画家の川瀬巴水に発想を飛ばした一句で才能アリ1位を獲得し、大激戦の幕が閉じた。

     ◇

さて、次回の俳句査定のお題は・・・

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芸術性や文才など芸能人のあらゆる才能をプロが査定! 才能アリなら絶賛!才能ナシなら容赦なく酷評!浜田雅功が最強講師陣を率いてお届けする新しいカルチャースクール番組『プレバト!!』はMBS/TBS系で毎週木曜よる7時放送。https://www.mbs.jp/p-battle/

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