市川團十郎を本気にさせた人物とは?「17歳の時、『え、こんなカッコいいヤツ世の中にいるの?』と思ったんです」

日曜日の初耳学 復習編

2024/12/11 12:12

歌舞伎俳優の十三代目市川團十郎白猿が『日曜日の初耳学』に登場。林修を聞き役に、『市川團十郎』の名前の重みを守る覚悟や家族への思いを語った。そんな團十郎の普段の様子をよく知る人物として長女・市川ぼたんと長男・市川新之助もそろってVTR出演し、可愛らしいトークを繰り広げた。

■「これが歌舞伎であるならば、自分の人生を懸けてもいい」
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市川團十郎家は、長い歴史を持つ歌舞伎界でも最も権威ある家柄の一つ。その名の重みを尋ねられ「大変ですよね、どうしてなっちゃったんでしょうね」と飄々と答える一方で、伝統の継承と変革のバランスについて「"伝統もやるし、新しいこともちゃんとやる"というのが、伝統を守ることになる。"右肩上がりで水平線"、そういう認識でいたいです」と語る言葉には、歌舞伎界を引っ張る強い責任感がにじむ。

5歳で初お目見得の舞台に上がり、7歳で市川新之助を襲名。師匠でもある父・十二代目市川團十郎のもと、幼い頃から稽古に励んできた。10歳時には連獅子の稽古を毎日2時間続け、椎間板ヘルニアになったことも...。「17歳前くらいまでは(歌舞伎を)やめようかなと思っていました。大変なんで」と、稽古に明け暮れた思春期を振り返った。

一度は離れかけた心を歌舞伎に引き戻したのは、祖父である十一代目市川團十郎の存在だったという。「祖父が亡くなって30年の年に私が17歳で、その時に祖父の映像を初めて見たんです。それを見た時に、『え、こんなカッコいいヤツ世の中にいるの?』『これが歌舞伎であるならば、自分の人生を懸けてもいい』と思ったんです。こんなカッコいい人がいるんだ、それも自分のじいちゃんなのかと」。偉大な名跡を受け継ぐ覚悟は、この時に固まった。


■麻央さんに叶えてあげたかった夢「よかった、見ていてくれた」
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プライベートの團十郎を知る人物としてVTRで登場したのは、市川ぼたん(13)と市川新之助(11)。素顔の父について、新之助が「迫力は...ないですね。包み込んでくれる感じが強いです」と語れば、ぼたんも「ゲームしていると一番悔しがるのは父です。"パパ=かわいい"っていう印象が強いんです」と打ち明ける。その様子からは、わが子を愛情いっぱいに育てる父の顔が浮かび上がってくる。

2人にとって、今も父と同じくらい大きな存在なのが、母・麻央さんだ。ぼたんは「将来『これになりたい』っていうのがなかった時、(麻央さんがブログに記した)『なりたい自分になる、人生をより彩り豊かなものにするために。だって、人生は一度きりだから』を見て、新しい一歩を踏み出せた。その言葉に背中を押された」という。2025年1月の初春大歌舞伎「双仮名手本三升 裏表忠臣蔵」では、團十郎が4役を演じ分けるほか、ぼたんも出演する。

そんな麻央さんについて、團十郎自身が思いを語る場面も...。およそ9年前、新之助が2歳8か月で初めて舞台に上がったとき、その様子を客席で見守った麻央さん。團十郎はインタビューの席で当時の映像をあらためて目にし、「麻央が初お目見得を見ている舞台。それが一つの僕の夢だったんですよね」と振り返った。

そして「自分の息子や娘が歌舞伎の舞台に立つ姿を初めて見るとき、母親はすごく幸せなんだろうなっていうのを、自分の母やほかの方を見ていても思っていたんです。麻央にも絶対これを体験してもらいたいと思っていたんです。今見たら、映像として残っていたんですね。よかった、見ていてくれたんだな」と、深い愛情をにじませた。


■仕事をする上で大切なことは..."楽しむこと"

さらに、父であり師匠でもある十二代目團十郎への思いも語られた。歌舞伎界は「いろんなことが変えづらい」という團十郎。その一つが"休演日"。團十郎が休演日の導入を呼びかけたきっかけも、父の言葉だったという。

「父は12か月中11か月、歌舞伎の舞台に立っていたんです。病室でふと2人になった時に話した言葉が残りますね。一言しか言わないんですけどね、『私は休むことを学べばよかった』と言っていました」。その言葉から、休演日の必要性に思い当たったという。「自分の人生をどういうものか認識しないといけない、ということを感じました。歌舞伎のために生きてはいますが、"なりたい自分になる"ということも、もっと掘り下げないと芸事は面白くならないだろうと思うので」と麻央さんの言葉を重ねながら、父に学んだことをあらためて振り返った。

最後に"仕事をする上で大切にしていること"を問われると「最近変わったんですよ」と意外な返答。「本当に簡単な言葉ですけど、"楽しむこと"。昔は義務、責任、やりきる力...そういった言葉で自分を追い詰めていました。團十郎を襲名して変わったことは、ようやく楽しめるようになってきた。今は、"楽しむこと"を大事にしています」と清々しく答え、インタビューを締めくくった。


(MBSテレビ「日曜日の初耳学」2024年12月8日放送より)

無料見逃し配信はTVerで2025年1月5日(日)まで
市川團十郎 編!
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「日曜日の初耳学」はMBS/TBS系で毎週日曜よる10時放送。
公式HPはこちら。

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