1月30日に放送された「日曜日の初耳学」。大人気企画<インタビュアー林修>に登場したのは、林先生自身が対談を熱望したという人気落語家・立川談春。“日本一チケットが取れない落語家”と言われる談春が、落語の覚え方、敬愛する師匠・立川談志との思い出や、思いが伝わるしゃべり方のコツについて語った。
■「扇子は結界」談志師匠の教え
人気落語家であり、日曜劇場「下町ロケット」などに出演し役者としても異彩を放つ、唯一無二の表現者・立川談春。林先生との対談ではまず、師匠・立川談志との初稽古のエピソードが飛び出した。
「(談志は)『扇子の置く位置』『お辞儀の仕方』から教えてくれるんです。『扇子はきちっと前へ置け。これは結界だ』。扇子から向こうは観客、こっちは芸人。入ったばっかりの子にそういう教え方もすごいですよね、ありがたかったですけどね」と稽古風景を回顧。
談志といえば、軽妙な語り口が魅力だが、弟子に稽古をつける時は違った。稽古では「立川談志(らしい落語)ではなく、"みんなが思う落語"をぼそぼそしゃべっていて、それがものすごぉく面白い。
『こんなに面白いのに、(高座では)なんであんなエキセントリックなことを言ってるんだろう』、それが初めての稽古が終わった後の僕の感想でした」と振り返った。
■人に伝わる2つの「しゃべり方のコツ」
談春は、落語と"演じること"とは違う、という。「(落語は)演じることよりメロディの方が大事。メロディでしゃべったほうが、人は音声を映像にしやすいんです。正座してるのもそうです。下半身がないほうが、人は(頭の中に)映像を浮かべやすい」と説明。
あえて具体的な小道具を使わないのも、聴衆の想像力を信じるからこそ。「(聴く側の)脳みそを信じてます。何もなかったら、何でも想像できますから」と、"落語家"という仕事の神髄を明かした。
しゃべりのプロ・談春流の"人に伝わるしゃべり方のコツ"は2つ。1つ目は、声のトーン。「この世界には"泣き節"、このトーンでしゃべると人が泣くっていうのがあるんです。逆に、最初のトーンだけで聞かないって決められちゃったりする。コンペで通るしゃべり方やトーンが、きっとあるんだと思います」と指摘した。
そしてもう1つは「聞くこと」。談春は「自分の想いを伝えることが上手な人より、相手の想いをきちんと聞いて受け止めてあげる人の方が絶対に数は少ないし、絶対そういう人の方が、自分も幸せになれると思うんです」と語った。
■実力を発揮するコツは「緊張すること」
かつて、落語家として初めて大阪フェスティバルホールで2700人の観客を前に高座を務めた談春。今年2月23日(水・祝)にも、同じホールで独演会を開く。大舞台で実力を発揮するコツは、意外にも「緊張すること」だという。
「緊張しない人はいないですから。緊張しない舞台って、どんな芸能でもうまくいかない。緊張している時に出るものを"実力"っていうんです。だから、(実力を発揮したいなら)普段から緊張しなさい。自由に緊張できたらすごいでしょ」と、数々の大舞台を踏んできたしゃべりのプロの視点で語った。
落語家として、役者として常に全力を尽くしてきた談春。林先生が最後に「手ごたえのある生き方をするのに何が必要か」を問うと、「世間的に成功だと言われて否定しづらい人たちは、自分にとって質のいい努力をしています。じゃあそれはどうやって探すんだ?と。"無駄な努力"をしてください。100個見つけたら、1個ぐらい手ごたえがあるでしょ。あとはキザですけど、無駄な努力をしてあがいてるときのほうが楽しいですよ」と、視聴者にメッセージを送った。
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【TVer】
「日曜日の初耳学」公式YouTubeチャンネルでは、役者があこがれる役者・佐藤二朗や人気コンビ爆笑問題の太田光が本音を語った<インタビュアー林修>を公開中!
【公式YouTubeチャンネル】
「日曜日の初耳学」はMBS/TBS系で毎週日曜よる10時放送。
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