太田光が語る"漫才論争"の根源「漫才が学問になっていっちゃった」

日曜日の初耳学 復習編

2022/01/27 12:45

1月23日に放送された「日曜日の初耳学」の大人気企画<インタビュアー林修>に爆笑問題・太田光が登場した。語ったのは、自身の“笑い”の原点や笑いへの思い。時に炎上しながらも飾らず本音を口にする芸風そのままに、“コンプライアンス問題”や“社会風刺ネタ”、さらには自身の“暗黒期”まで、包み隠さず語った。

■「漫才が学問になっていっちゃった」

1990年代中頃、日本中にブームを巻き起こしていた「ボキャブラ天国」に出演したことがきっかけで一躍注目を浴びた爆笑問題。太田は当時を「あれ(「ボキャブラ天国」出演)は本当に大きいです」「その時に今の芸風、客席に飛び込むとか、大暴れするっていうのは、あの頃始まったことじゃないかな」と振り返った。

近年、テレビなどで公開されるお笑いコンテストでの評価が、視聴者の間で"笑いとはどうあるべきか"という論争に発展するケースも見られる。このことについて林修先生が話題を向けると、太田は1980年代初頭のお笑いブームをけん引したツービートやB&B、ザ・ぼんちらの名前を挙げ、「それまでの定番の漫才を全部崩した素人芸だから、我々は食いついたわけです。ただ面白いことを言う」と分析。

「視聴者の方が『漫才とはこうあるべき』と決めちゃってるのが、もしかしたらあるかもしれないね」「ツッコミはこうしなきゃいけない、ボケはこうだっていうのを(視聴者も)知ってるし、漫才が学問になっていっちゃった。でも残ってるのは、それを崩してった人たち。言ってみれば型を破った人たちだから、あそこまで革命を起こせたと思う」と、先人への思いを語った。

■「コンプライアンス問題」に思うこと

「苦痛を笑いのネタにする番組」がBPO審議入りしたり、外見を笑いにすることを自粛する芸人が現れるなど、年々厳しくなるコンプライアンス問題にも話題は及んだ。

太田は「うちの田中(裕二)がチビっていうことで笑いをとる。フリップをはがそうとして手が届かない時に、お客さんは笑うわけですよね。でも(そこには軽蔑や蔑みだけじゃなく)愛嬌があったり、『そういうことってあるよね』っていう共感の笑いも同時に重なっている」と分析。

「そういうことで笑いをとってはいけませんって言ってる人たちは、人の失敗で笑ったことがないって言ってるに等しいんだけど、俺は"人間は人の失敗で笑うもの"だと思ってる」としみじみ語った。

林先生はさらに斬り込んだ。爆笑問題の芸風である"社会風刺ネタ"について「ますますやりづらくなってると思うんですが」と問いかけた林先生。

太田は「(事件や事故があったときに)一番最初に不謹慎だ、やめてくれって言われるのはバラエティーであり、漫才です。その辺は当たり前」と現状を受け止め、そのうえで「そのテーマを外しちゃうと、爆笑問題はあのテーマを外すのか、と視聴者は思う。それは元気なくしちゃうんじゃない?っていうこと。『爆笑問題が触れられないほどのことなの?』ってなるじゃない。それはイヤなんだよね」「悲しいこともいっぱいある。でも、そこで笑わせられなかったら意味がない」と、芸人としての矜持を語った。

■「人間関係で悩むのは当たり前」

そんな太田にとって、高校時代は"暗黒期"だったという。「高校時代は3年間、ほぼ一言も会話をしていない」。その時期を救ったのが、笑いだった。

当時、世の中は漫才ブーム。「ビートたけしさんが登場し...笑いが変わっていく、ちょうど過渡期だった」。ビートたけしらが持ち込んだ毒のある新しい笑いが刺さり、今の芸風が確立されていった。

インタビューの最後には、自身が笑いをやる意味にも思いを馳せた。それは、苦しかった"暗黒期"から得たものだ。「人間関係で悩むのは当たり前ですよ。だって全然違うんだもん、人と人とは。それを自分だけじゃないかと思っているなら、俺は『ほとんどの人はそうですよ』って言いたいね」。力強く語った太田に、視聴者からも「太田さんカッコいい」「ますますファンになった」の声が上がっていた。

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【TVer】

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【公式YouTubeチャンネル】

「日曜日の初耳学」はMBS/TBS系で毎週日曜よる10時放送。
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