松山ケンイチの俳優人生を変えた「遊ぶように生きる」という考え方

日曜日の初耳学 復習編

2021/12/08 15:00

「日曜日の初耳学」の人気企画、林修先生が“時代のカリスマ”と1対1で対談する<インタビュアー林修>。12月5日放送回では人気俳優の松山ケンイチが登場し、人生観や二拠点生活について語った。“力まない生き方”へと辿りついた背景には、過酷な役作りがあった。

■「デスノート」で試行錯誤する楽しさを学んだ

放送中の日曜劇場「日本沈没―希望のひと―」(TBS系)では、主人公・天海啓示(小栗旬)の盟友で経済産業省の官僚・常盤紘一を演じている。「実際に"日本沈没"が起きたら、と思うと...」という林先生に、松山も「いやぁ、不安になりますよね」としみじみ。

その一方、現場では積極的にアドリブも入れている。第2話で常盤が口にした"激おこぷんぷん丸"もその一つ。松山は「シリアスなドラマですので、緩急のあるものを作りたいなと思って」「しれーっとやりますね」と、アドリブに込めた思いを語った。

2001年に開催されたオーディションで1万6千人超からグランプリに選ばれ、芸能界入り。ドラマ「ごくせん」(第1シリーズ/2002年)で俳優デビューし、映画「デスノート」(2006年)が出世作となった。

「デスノート」では、天才名探偵・Lを演じた。林先生が「クセのある、特殊な役ですからね」と振り返ると、松山は「そういう特殊な役をやったことがなかったし、どうやったらいいかわからなかったんですよね。監督に『Lの句読点を外してつなげるようにしゃべるのはどうか』って言っていただいて、好き勝手に句読点を付け替えてみたんです。ああ、なんか面白いな、と思って」「『デスノート』で、役を作っていく、試行錯誤をする楽しさを学んだんです」と、俳優としての気づきを得た経験を語った。

■畑仕事が演技の"こやし"に...二拠点生活

そんな松山が俳優人生の転機と振り返るのが、大河ドラマ「平清盛」(2012年)と映画「聖の青春」(2016年)だ。

「平清盛」は、松山いわく「自分にとっても宝物です」というほどの作品。大河ドラマの主演に加え、収録が東日本大震災の年と重なったこともあり「いい意味でも、悪い意味でも力んでしまった」。作品のテーマのひとつでもあった"遊びをせんとや生まれけむ(遊ぶように生きる)"は、「いまだに自分の中で大事にしている言葉」だという。

「聖の青春」では、体重を大幅に増やして主人公・村山聖を演じた。そのあまりに過酷な役作りが、その後の作品の "力み"を取り去った。「力む体力自体が失われていて、その流れには逆らえないんですよね。逆らおうとも思わなくなりましたし」と振り返る。

現在は、東京と地方との二拠点生活を送る。地方で過ごす期間は、野菜を育て、肩の力を抜いてのびのびと暮らしている。そうした生き方の背景にあるのが、「このまま演技をしていても、僕はもう出せるものがない」という強い思いだ。

「自分自身が豊かな人生を遊んでいないと。その遊びから生まれる感覚、価値観、考え方の多様性、そういうものを培っていかないと、もう出せない限界が来ていると思っていた」と松山。「(地方での)経験を通して得たものを、俳優としてきちんと持ち込んで、役を通して表現したい」と、理想の俳優像も語った。

■ユダヤ人の教えに感銘「すごく理にかなっている」

想定外のことが次々と起こるコロナ禍を経て、松山は今「一人の人がひとつの仕事っていうことではなく、何個か仕事を持っていく、それが予想しづらいことに対しての一つの対処法かなと思うんです」と考えている。

その根底にあるのは、知り合いのユダヤ人から聞いた「(仕事は)3つ作れ」という教えだ。松山は「すごく理にかなっている気がする。その3つがお互いに刺激し合って新しいものが生まれてくるとか、そういうことができたらいいなと思いますね」と、深く感銘を受けた様子。

来年1月からは、返還直前の沖縄がモチーフの舞台「hana-1970、コザが燃えた日-」に出演する松山。演じ、畑で作物を作って生活するほかにもう一つ、猟師の捕る獣の皮(原皮)の利活用するという新たな仕事にも取り組む。肩の力を抜き、自然体で"遊ぶように生きる"を実践する松山の人生観が反映されたインタビューに、視聴者からも共感の声が上がっていた。

「日曜日の初耳学」はTVerで放送から1週間、見逃し配信中!話題の<インタビュアー林修>、年末恒例<2021年 林先生が驚いたニュース>もチェック!
【TVer】

「日曜日の初耳学」公式YouTubeチャンネルでは、松山ケンイチが自身の人生観を余すところなく語った<インタビュアー林修>を1か月限定で公開中!
【公式YouTubeチャンネル】

「日曜日の初耳学」はMBS/TBS系で毎週日曜よる10時放送。
https://www.mbs.jp/mimi/

SHARE
X(旧Twitter)
Facebook