【初耳】人が誰もいない富士山山頂を見られるのは今年だけ!?

日曜日の初耳学 復習編

2020/09/12 10:00

9月6日放送の「林先生の初耳学」で、人気モデルのロイがモーターパラグライダーに初挑戦! 目的は、“入山禁止”の影響で無人となっている富士山山頂の風景をカメラに収めること。今しか見られない貴重な映像をおさえるため、上空1000メートル超の世界へ舞い上がったロイ。そこには、地上では想像できない厳しい環境が広がっていた。

専門家も太鼓判!貴重映像の撮影に挑む
例年、20万人以上の登山客でにぎわう夏の富士山。だが、今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で、入山禁止の措置がとられている。記録が残っている1960年以降、夏の富士山に登山客がいないのは初めてのことだという。
今こそ、おそらくこれまでどこにも存在しなかった「人のいない夏の富士山山頂」をカメラに収める好機。そこで、人気モデルのロイがモーターパラグライダーで山頂付近まで接近する<初耳トライ>に乗り出した。
この企画を、富士山に詳しい静岡県立大学・鴨川仁特任准教授に伝えると「真夏の"人がいない富士山山頂"の写真は本当に貴重だと思います」「素直にうらやましいです」と興味津々。専門家もうらやむ貴重映像を撮影するため、ロイが新たな挑戦に踏み出した。

富士山山頂までの3つの難関
静岡県静岡市の三保海岸から、44km先の富士山山頂を目指す。パラグライダー初挑戦のロイは、ベテランインストラクター・手塚英孝さんとの2人乗り。山頂の映像や写真を撮影するため、モーターパラグライダーカメラマンの山本直洋さんが並走する。
パラグライダーの2人乗りは、重さが2倍になるためバランスをとることが難しく、高度300mほどを保って飛行するのが一般的。標高3776mの富士山山頂に2人乗りで近づくこと自体、前代未聞の挑戦だという。その上、2人乗りは燃料の消費も早く、継続して飛べるのは2時間ほど。十分安全性に慎重を期したうえでのトライが始まった。
まずは低空でテスト飛行後、理想の風が吹いてきたところで3人は富士山を目指し、飛び立った。

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富士山山頂までの飛行ルートには、「標高700mの壁"浜石岳"」、「流される西風」「山頂近くの天候急変」の3つの難関が待ち受けているという。各ポイントで、行ってみて初めてわかった上空の知られざる環境の変化も明らかになった。

【上昇気流は体感できる】
上空から駿河湾を見下ろす絶景に「気持ちいい!」と大はしゃぎのロイ。まずは、正面にそびえる標高700mの浜石岳を超えるため、"上昇気流"を利用して高度を一気に1000mまで上げていく。
高度450mを過ぎたあたりで上昇気流に遭遇。「すごいすごい! 風がすごく上がってきてて、我らの体も持ち上げられてます!」(ロイ)と、上昇気流を体で感じながら上昇していった。

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【"雲の中"はビショビショ】
上昇気流に乗っていくと、目の前に雲のかたまりが出現した。地上の水蒸気が山の斜面にぶつかり、上昇気流に乗って上空で急激に冷やされると雲ができるのだという。
ロイの乗ったパラグライダーは、できたばかりの雲の中へ。ロイは「湿り気やべえ! シャワーに入ってるみたいな感じ。服ビショビショ!! すごいすごい! 顔にミストを感じる。美顔器みたいな感じで」と実況。地上からのイメージとは全く違う"雲の中"の様子をリアルに伝えた。

【上空1000m以上は強風に注意】
雲を突き抜けると、遠方に富士山頂が見えてきた。上空1000m以上は強い西風が吹き荒れていて、うまく風を利用して飛ばなければ、東へ大きく流されてしまう。
「うわ、推された押された。山の下から吹きあがってくる風が我らの背中を押してます。自然ってすごい!」と声を上げるロイ。ここで手塚さんは、横向きの体勢で西風を受けながら飛ぶ"偏流飛行"に切り替え、1400mまで上昇した。
飛行中、手塚さんが取り出したのは、なんと肉まん。トップパラグライダーたちは、大好物を持って飛び、上空で食べる"パラグライダー飯"が楽しみなのだとか。ロイも、眼下の絶景を眺めながらのパラグライダー飯を堪能した。

【山頂付近は天候が急変】
富士山山頂まで直線距離で約20km付近まで接近した一行。ここからの最大の難関が、山頂付近の天候急変だ。山頂周辺は風向きや風の強さ、気流が数分単位で変わり、予測しにくく安全性の確保が難しい。
富士山山頂にも、上空の風が強い時に現れる"笠雲"が現れるなど変調の兆し。タイミングを見計らい、笠雲が消えたタイミングでさらに山頂へと近づいていった。

【上空2000m付近はとにかく寒い!】
富士山山頂まで15kmとなったところで、一気に高度を上げていく。しかし、ここで富士山頂に積乱雲を確認した。積乱雲に安易に近づくと、強い上昇気流に巻き込まれて吹き飛ばされてしまう危険があるという。一行は、天候が変わるまで上空1900m地点で待機となった。
この時、上空1900m地点の気温はなんと10℃。「寒い寒い寒い!めっちゃ寒い!」とロイ。体温が奪われていく中、残された飛行可能時間も30分ほど。10分ほどの待機の後、安全のためここで続行中止となった。

2人乗りパラグライダーによる富士山山頂接近の挑戦は、残念ながら完遂できず。だが、並走したカメラマン・山本さんが、重量が軽い1人乗りで可能な限り山頂に接近。目的だった「誰もいない富士山山頂の映像」の撮影に成功!
映像を見た鴨川先生は「本当に私もびっくりです。最も登山客が多い夏の時期、必ず山頂には何百人も写っているはずなんです。ですがまったくそういった気配はない。誰もいない。(人がいない)はっきりした映像はこれが今のところ唯一ではないかと思います」と太鼓判を押した。

     ◇

富士山山頂トライのパラグライダー未公開映像も!「初耳トライ」を公式YouTubeチャンネルで配信中
【公式YouTubeチャンネル】

次回9月13日(日)放送の「林先生の初耳学」では、ロイ君が鹿児島県・徳之島の水中鍾乳洞で新種生物探しに挑む。さらに、水川あさみの大好物・カレー1杯分のカロリーを消費するには?をティモンディ&ゆきぽよが検証する。

「林先生の初耳学」はMBS/TBS系で毎週日曜よる10時放送。
博学で知られる林先生でさえ知らなかった知識を"初耳学"に認定する。
https://www.mbs.jp/mimi/

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