林修も共感!「眠い」のツイートをしてはいけない理由

日曜日の初耳学 復習編

2019/08/24 10:00

8月18日放送の「林先生の初耳学」に、発売後1か月で6万部を突破したベストセラー『読みたいことを、書けばいい。』(ダイヤモンド社) の著者で元電通コピーライターの田中泰延(たなか・ひろのぶ)さんが出演。林修先生と“相手に伝わる文章”をテーマに語り合った。田中さんの「つまらない人間ほど、自分のことを語りたがる」という強烈メッセージに林先生もいたく共感! 私たちもSNSでついやりがちな“あること”とは?

電通マンから"青年失業家"に転身!
芸能界イチの読書家・林先生が気になる本の著者に取材を行い、その魅力を3分に凝縮して授業する「3分でわかる!ベストセラー学」で今回取り上げたのは、ユニークな視点で書かれた文章読本。開くと「物書きは『調べる』が9割9分5厘6毛」「書くことはたった一人のベンチャー企業」といった印象的な見出しが並ぶ。
その著者・田中泰延さん自身も非常に個性的。24年間務めた電通を2016年に46歳で退職し、現在は"青年失業家"の肩書きで文筆活動などを行う。田中さん流の言葉の選び方と文章術に、林先生も「ワードの力が強い」「(同書を)手に取りましたらまぁ面白い。面白くて仕方がない」と賛辞を惜しまない。

自己PRは「トラック運転手」!?
田中さんの言葉に対する姿勢を端的に表すものとして、就職活動中に書いたエントリーシートが同書でも紹介されている。自己PRは「トラック運転手」、志望動機は「御社が私を必要としているように感じたので」など、各項目いずれも驚くほど簡潔だ。
実は当時、早稲田大学の夜間部に通いながら日中はトラック運転手として働いていた田中さん。「何百人の学生を見る面接採用の人って、もう(長々と書かれたエントリーシートは)見たくないと思うんですよ。自分が経験して、これだけはわかる、これだけはちょっと得意かなっていうことを1行、キャッチコピーのように書けば読んでもらえるのでは」と考え、簡潔なエントリーシートを作成したのだという。
この頃から現在に至るまで、言葉を扱う田中さんの念頭には一貫して"受け取る相手"への思いがある。「自分の経験を相手にいかにわかりやすく伝えるか」「どう書けば自分に興味を持ってもらえるか」...。読む人の気持ちを徹底的に意識した結果生まれた田中さん流の文章術に、林先生は深く共感。「文章で人との関係をひらくことがわかっている人だからこそ、あのエントリーシートになった」「(同書は)コミュニケーションの基本そのものまで我々にヒントを与えてくれる」と絶賛した。

「眠い」のツイートがつまらない理由
そして対談の話題は、SNSが広く普及した現代ならではの"伝わる文章術"へ――。
今、インターネット上には情報があふれている。しかし、その中には十分に調べずに書かれた文章が少なくない、と林先生が指摘すると、田中さんも同意。
「全然調べてないですよ、みんな。最初から『わたしはこう思った』といっても全く面白くない」と、自分の思いだけを綴ったひとりよがりな文章が多いと指摘した。
その例として田中さんは「Twitterでも、つまらないつぶやきをしている人はやっぱり朝起きたら『眠い』って書いてますよね。朝は誰でも眠いんじゃい!」と一刀両断。「つまらない人間とは『自分の内面を語る人』」という強烈な表現で斬って捨てた。
では、相手に伝わる文章を作るにはどうすればいいのか? 田中さんは「調べていることやどこかから聞いた知識をそこにくっつければ聞いてもらえる」と持論を展開。たとえ140字のツイートでも、きちんと一次資料にあたって調べた情報(事象)を踏まえ、そこに思いをのせることで初めて相手の興味を引く文章になる、とした。
この考え方を端的に表した一節「物書きは『調べる』が9割9分5厘6毛」に共感した林先生。「とことん事実に支えられた文章を仕上げて、そこに自分の思いをのせる」ことが相手に伝わる文章の基本であり「(きちんと調べていない文章では)人の心に届かない。今、文章や情報があふれ返っている現代だからこそ、原点に返ることを我々に教えてくれる」と同書の魅力を語り、授業を締めくくった。

*「林先生の初耳学」はMBS/TBS系で毎週日曜よる10時放送。全国1億3千万人から募集した選りすぐりの知識を抜き打ちで林先生に出題。物知りの林先生でさえ知らなかったものを"初耳学"に認定する。
https://www.mbs.jp/mimi/

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