林修・友だち疲れの現代人へ、孤独のススメ

日曜日の初耳学 復習編

2018/08/08 11:00

 7月29日に放送された『林先生が驚く初耳学』で、予備校講師の林先生が「“1年生になったら友達100人できるかな”は否定すべき」と“友人不要論”を熱弁し話題だ。林先生は、菅野仁のベストセラー『友だち幻想』をベースに持論を展開。この歌は現代人の人間関係の悩みを象徴する歌であるとし、「現代人は友だちがたくさんいることがいいことだといつの間にか思い込むようになっているが、その出発点にあるのがこの歌なのでは…?」と疑問を呈した。

友だちからのメールが煩わしいと思ったことはないか?
 「友だち関係が重い、面倒だと思うことは本当にないですか?」「そろそろ寝ようかなと思った時にメールが来たら、返事はどうします?」。林先生が質問を投げかけると、ゲスト陣からはおおよそ「友だちからのメールにはなるべく返信しないと悪い気がする」という答えがかえってきた。さらに、「それが負担」と友だち関係における煩わしさの一端を認める発言も。それに対し林先生は、「友だちというのは自分の人生がより良くなるように、大げさに言えば幸せになるために一緒にいたい人をお互いに選んでいる関係。なのにそれが負担になってしまってよいのか?今はSNSなどで人と人が繋がるのが簡単な時代。だが、多くの人と繋がりすぎてしまうことが負担になってしまっているのでは?」と現代人の人間関係に潜む問題点と原因を指摘した。

友だちは少ない方がしあわせ
 さらに林先生は、下重暁子の著書『極上の孤独』の「友だちや知人は少ないにこしたことはない」という一説や、ドイツの哲学者ニーチェの「愛せない場合は通り過ぎよ」という言葉を紹介し、"ちょっとドライな人間関係"を勧めた。中島健人が「通り過ぎすぎて孤独になるのは寂しくないですか?」と反論すると、林先生は臆することなく「孤独って寂しいんですか?」と質問返し。また、川合俊一の「ハワイに1人で行って3日間誰ともしゃべってないことに気付いた時に、ものすごく孤独で寂しかった」という話には、「じゃあ聞きますが、川合さんは何冊本を持って行ったんですか?」と意外な質問をぶつけた。

「孤独」が嫌いな人は本を読まない
 なんとコミック誌1冊でハワイに乗り込んだ、という川合のエピソードに対し、林先生は「僕の経験では"孤独は嫌だ"という人の共通点は本を読まないこと」と指摘。「だいたい人間は、考えるという作業は1人じゃなきゃできない」と言い、「小学校の時、先生にみんなで考えましょうと言われて僕は、みんなと話し合うことはできても考えるのは1人じゃなきゃ出来ませんと言いました」と、子ども時代にすでにそれを理解していたという驚きのエピソードを披露した。「人間は、考えるということは1人でしかできない。1人になって自分を見つめ直すことで人との繋がり方を見出すことができる。それを唯一可能にしてくれる孤独が寂しいんですか」という林先生の理路整然とした説明に皆納得の様子の中、「次はヤンジャン2冊持っていきます」と川合がお茶目な返しで笑いを誘った。

「林先生が驚く初耳学!」はMBS/TBS系で毎週日曜よる10時放送。全国1億3千万人から募集した選りすぐりの知識を抜き打ちで林先生に出題。物知りの林先生でさえ知らなかったものを"初耳学"に認定する。
https://www.mbs.jp/mimi/

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