庶民の代表"磯野家"が危機!!

日曜日の初耳学 復習編

2018/07/18 18:00

50年にわたり放送する国民的アニメ『サザエさん』。舞台となる磯野家は、一般的なサラリーマン家庭で“庶民”のイメージとして定着しているが、現代に置き換えてみると、“庶民”とはだいぶかけ離れてしまっているようだ。7月15日放送『林先生が驚く初耳学!』の「白熱教室」では、半世紀という時代の変化の中で『サザエさん』の世界と現実社会とのギャップが生じ、どんどんリアリティーがなくなりつつあることを林先生が熱弁した。

磯野家の資産は土地だけで2億円
磯野家の資産を明かしているとして林先生が取り上げたのは、最近発売された『磯野家の危機』という書籍。それによると、作品の設定である「東京都世田谷区新町3-51」を現在の地価に換算すると、1坪200万円、土地だけで資産は2億円にもなるという。林先生は、「これでは "庶民というイメージの具現化"とされていたが、本当にそう言えるのか?」と主張。さらに林先生は、家長の波平が亡くなったときに残された3人に何が起こるかをお決まりのエンディングになぞらえ、「さて来週のサザエさんは..."骨肉の争い""花沢父のアドバイス""カツオ ニヤリ"の3本です!」とジョークで遺産相続にまつわる危機を窺わせた。

波平の年収は1000万円越え!?
さらに書籍では磯野家の金銭事情も明かされているという。原作31巻では波平の月給は7万円とされているが、現在の年収に換算すると1120万円。さらにマスオさんは544万円程で、世帯収入は1700万円弱になるという。これは日本国民の上位1%に入る高収入。「この低金利時代なら、"波平 仮想通貨でおお儲け""波平 老後のためにタワマン下見""波平 仮想通貨大暴落で真っ青"となるところ...」と林先生お得意のジョークも交えながら、「1970年代当時は"一億総中流"といわれ、磯野家は庶民の真ん中にいた。だが、バブル崩壊、リーマンショックといったことがあるたびに、富が一部の人に偏る世の中になってきた。世界全体で見てもここまで格差が開いたりのは初めて」と『サザエさん』をとりまく時代の変化について説明。
続けて、日本の貧富の格差の変化を分かりやすく例えたモデルとして、シャンパンタワーを紹介。「お金に例えたシャンパンは、以前なら上位に位置する富裕層から溢れたものが下位の貧困層に回るようになっていて、日本の生活水準が底上げされていた。しかし今は富裕層の器(グラス)が大きくなり、そこに溜まっていくばかりで下位にまでお金が回っていかない。上は景気がいいと言っても、いわゆる一般の人々が景気の良さを実感しにくいのはこういうことも関係しているのでは」と解説した。

ゲストからは「サザエさんがセレブだったとは意外!」という声も上がるなか、「『サザエさん』という作品にはなにも非はない。設定を変えないまま放送を続けていたら世の中の方があまりにも変化してしまった。そのなかで"リアルな庶民の暮らし"というラインをどこまで守っていけるのかという意味で(磯野家が)"危機"なのだ」とまとめた。

「林先生が驚く初耳学!」はMBS/TBS系で毎週日曜よる10時放送。
全国1億3千万人から募集した選りすぐりの知識を抜き打ちで林先生に出題。物知りの林先生でさえ知らなかったものを"初耳学"に認定する。
https://www.mbs.jp/mimi/

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