2020年には4000万人もの外国人観光客の訪日を目指し、社会もビジネスもますますグローバル化するなか、宗教への理解は避けて通れない問題だ。そんな宗教への理解と大きく関係するのが「緑のココイチ」。11月6日放送の「教えてもらう前と後」では、黄色い看板でおなじみの「CoCo壱番屋」でなぜ緑の看板を掲げる店があるのか。その背景を池上彰が解説した。
緑のココイチにはポークカレーがない
東京・秋葉原にある「緑のココイチ」。この緑はイスラム教のシンボルカラーで、イスラム教徒でも食べられるカレーを出す店だと一目でわかるのだ。日本へのイスラム教徒観光客は年々増加しており、2020年には140万人にのぼると予測されている。「緑のココイチ」のメニューには、チキンカレーと野菜カレーはあるものの、ポークカレーが見当たらない。これはイスラム教が豚肉を口にすることが禁じているため。一番人気はチキンカツカレーだ。使っている油は植物性。またアルコールも禁止されているため、調味料に含まれる成分にも制約があり、付け合わせの福神漬けやラッキョウも酒やみりんを使っていない。もちろん、アルコール消毒もNG。そのため、調理器具の消毒は塩素を使用するという徹底ぶりで、イスラム教徒が日本でも安心してカレーを食べることができる。
イスラム教徒が食べられるお店に共通マーク
そんなイスラム教徒向けの飲食店には、「許されている」ということを意味しているアラビア語の「ハラル」マークがある。つまりこのマークは厳格に守っていることを証明しており、イスラム教徒が食べていいという証なのだ。
ちなみに、焼肉チェーンの「牛角」にも、通常のメニューとハラル対応のメニューを用意している店舗がある。ここでは、鶏のモモ肉がイスラム教徒に大人気なんだとか。さまざまな外国人と交流する機会が増える中、この「ハラル」は覚えておきたい。
「教えてもらう前と後」はMBS/TBS系で毎週火曜日よる8時放送。
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