レトルトカレーの劇的進化は「医療用点滴+松本伊代」のおかげ!?

5分で読める!教えてもらう前と後

2018/09/22 12:00

災害用の備蓄としての需要も高まっているレトルトカレー。その消費量は納豆にも匹敵し、全国で年間8億食!9月18日放送の「教えてもらう前と後」では、そんなレトルトカレー誕生秘話と、進化するレトルトカレーの今を紹介。さらに「レトルトカレーと点滴と松本伊代」の意外な関係を解き明かす。

災害でも大活躍のレトルトカレー

今やニッポンの国民食ともいえるレトルトカレーが、被災地での食事に変化をもたらしている。従来の非常食といえば乾パンや缶詰などが主流だったが、現在は種類が豊富で長期保存できるレトルト食品が役立っている。封を切ってそのまますぐに食べられるカレーライスや、火や水がない状況でも紐を引いて数分待つだけでアツアツのカレーライスが出来上がるレトルトもある。

災害ボランティアのみなさんも「いつ電気が復旧するかわからない中、こういうものがあると心強いです」「水を使わなくてもそのまま食べられるのですごくいいと思います」と絶賛。レトルトカレーは今や日常のみならず災害時の強い味方となっている。そんなレトルトカレー、実は医療用の点滴がヒントになって生まれたのだそう。

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世界初のレトルトカレーは製薬会社のグループが手がけた

1960年代、高度経済成長期。日本のサラリーマンはとにかくモーレツに働いていた。しかし、このモーレツな働き方によって、日本では当たり前の光景だった家族全員で囲む食卓から、父親不在の食卓へと変化が生じる。さらに、一人での食事・個食化が進んでいく。その個食化に目をつけたある企業があった。「一人で食べられるカレーがあったら、かなり斬新な商品になるのでは......」

当時、カレーライスは洋食メニューとして大流行。その人気はニュースで特集が組まれるほど。そんな背景から、一人で簡単に食べられるカレーを作れば、ヒットすると睨んだのだが、開発は困難を極めた。特に障壁となったのは、細菌が繁殖しやすくて腐りやすいカレーを長期保存する方法。そのころ食品の保存法と言えば缶詰くらいしかなく、カレーを長期保存できて、かつ簡単に温められる方法が見つからなかったのだ。

そんな中、途方にくれていた開発者の目にあるものが......。「これ使えるんじゃないか?」そこにはなぜか点滴が!実はこの会社、大塚製薬が初めて食品に参入すべく作った「大塚食品」だった。大塚製薬は点滴で国内シェアの半分を占め、殺菌技術においては抜きん出ていた。この技術を応用すれば、常温で長期間保存できる食品が作れるかもしれない。こうして開発を重ねて、世界初の市販用レトルト食品「ボンカレー」が誕生したのだ。

レトルトカレー普及に松本伊代が一役買っていた

その人気はすさまじく、発売からわずか5年で1億食を突破!あの手塚治虫の「ブラックジャック」にも登場。「ボンカレーは、どうつくってもうまいのだ」というセリフがあるほど!
さらにもう一つ!ボンカレーを世に広めた、国民的アイドルのCMがある。それは、デビューしたばかりの松本伊代が出演したCMだった!「らっきょうが転がるんですもの~」と言って16歳の伊代が笑い転げるという斬新な演出で、「ボンカレー」も伊代も国民的人気となっていく。このCMを照れ臭そうに見ていたヒロミが、「じゃあ、きょう家でらっきょうを転がしてみましょう。その時なんて言うのか、次に来た時報告するわ」と、ちょっと嬉しそうだった。

「教えてもらう前と後」はMBS/TBS系で毎週火曜日よる8時放送。
政治・経済・健康・アート・歴史など毎回その分野のスペシャリストが登場し、決定的瞬間を教えてくれる。
「知のビフォーアフター」が体感できる番組。

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