日本の文房具が進化する陰に暴走族の存在ってどういうこと?

5分で読める!教えてもらう前と後

2018/09/16 10:00

「象が乗っても壊れない」のCMでおなじみ、日本中の小学生が持っていたと言っていいほど流行った「アーム筆入」は暴走族がきっかけで誕生したという。9月11日放送の「教えてもらう前と後」では、日本の文房具の進化と暴走族との意外な関係を紹介した。

暴走族のニュースからひらめいた筆箱のアイディア

マフラーを改造して「バリバリ」と騒音を立てジグザグに走る様子から「カミナリ族」と呼ばれた暴走族が、実は日本の文房具の進化に一役買っていたという。そのきっかけとなったのは、カミナリ族の若者が信号機を破壊しようと投石しているニュースだった。

石をぶつけても信号機が割れないことに興味を持ったのが、文具会社勤務の伊藤幸信さんという男性。警察にその素材を問い合わせると、ドイツで開発された「衝撃」と「耐熱」に優れた新素材「ポリカーボネート」ということが判明する。日本ではまだ信号機などにしか使われていない特別な素材だったが、その強度に着目。耐久性に優れた丈夫な筆箱を作りたいとひらめいたのだ。

丈夫な筆箱は上司から大反対

当時の筆箱は、衝撃や熱にも弱いセルロイド製が主流で、教室のストーブで溶けるなど様々な問題があった。しかし、上司に相談しても「何を考えているんだ。こんな強い筆入れを作ったら一個買った後はずっと買ってくれず、売り上げが下がってしまう。作ったらダメだ」と大反対されたそう。

そんな周囲の反対を押し切って作った「アーム筆入」は、耐久性と「象が乗っても壊れない」というCMが話題になり大ヒット!年間500万個、当時の金額で15億円を売り上げる程の人気商品となった。その功績が認められて、伊藤さんは現在、サンスター文具の代表取締役会長となっている。このアーム筆入の大ヒット以降、子どもたちの関心が文房具に。時代に合わせ、次々に進化を遂げたのだった。ひとりの男性が、あのニュースを見ていなければアーム筆入も誕生しなかったし、日本の文房具の進化はなかったかもしれない。

「教えてもらう前と後」はMBS/TBS系で毎週火曜日よる8時放送。
政治・経済・健康・アート・歴史など毎回その分野のスペシャリストが登場し、決定的瞬間を教えてくれる。
「知のビフォーアフター」が体感できる番組。

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