「サザエさん」発祥の地は東京じゃなく福岡説を検証

5分で読める!教えてもらう前と後

2018/09/12 13:00

東京都世田谷区桜新町といえば「サザエさんの街」として有名。しかし「サザエさんが誕生したのは九州・福岡!」と主張する人たちがいる。9月11日放送の「教えてもらう前と後」では、「日本の文化の9割は福岡が発祥!」と豪語する博多華丸・大吉が、国民的人気漫画「サザエさん」について常識を覆す事実をプレゼンした。

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サザエさんの連載は福岡の地方新聞でスタート

「サザエさん通り」や「長谷川町子美術館」がある、東京都世田谷区の桜新町で「サザエさんが誕生した場所は?」と聞いてみると、「桜新町です!ココ以外ありません!」「サザエさんはこの街のシンボルです!」と誰もが疑いなく答える。しかし、福岡で同じ質問をしてみると......。「サザエさんと言えば福岡!」「福岡です。サザエさんは福岡の街で育った方という感じでしょ!」と、福岡の人も自信満々に答え、一歩も譲らない。

東京の人にとっては、「ウソでしょ!?」と言いたくなるかもしれないが、実際に福岡市西新には「サザエさん通り」があり、街を歩けばあちこちにサザエさんの姿が。もちろん銅像もある。さらに、福岡のシンボル・福岡タワーでは、夜になるとサザエさんの顔がイルミネーションとなってキラキラ光っているのだ。これは一体どういうことなのか?サザエさんが生まれたのは東京?それとも福岡?

サザエさん発祥の手がかりがあると聞き福岡へ。福岡市総合図書館に保管されている昭和21年4月22日発行の新聞「夕刊フクニチ」で、4コマ漫画のサザエさんを発見! 今から72年前の新聞に、サザエさんの連載第1回が掲載されていた。サザエさんが産声をあげたのは、なんと福岡の地方新聞だったのだ。

「サザエさん」が福岡で誕生した背景について、福岡で長谷川町子さんについて研究している「福岡サザエさんの会」の吉武勝美会長が教えてくれた。「当時、戦争がだんだん激しくなってきて、長谷川さんが疎開したのが福岡だったのです」

長谷川町子さんは、漫画家デビューした15歳の頃は東京で活動していたが、24歳の時に空襲を逃れるため福岡へ疎開。福岡は長谷川さんが幼少期を過ごした故郷だったのだ。そして、長谷川さんが福岡の浜辺を散歩していた時に、登場人物を海にまつわる名前にする漫画を描こうと思いついた。こうして誕生したのが「サザエさん」なのだ。終戦後、しばらくして執筆の場を東京へ戻した長谷川さんが引越した先が桜新町だった。こうしてサザエさんは桜新町のシンボルになったのだ。

福岡のサザエさんと東京のサザエさんには大きな違いが!

「サザエさんについて、実は東京と福岡では、他にも大きな違いがある」と華丸・大吉の二人が、ドヤ顔で解説した。
大吉「サザエさんのお父さん・波平さんは双子でございます。波平さんは毛が1本で、兄の海平さんは毛が2本。これは有名な話ですよね」
華丸「ちなみご先祖様は、かの有名な幕末の武士です」
大吉「磯野藻屑(いそのもくず)源素太皆(みなもとのすたみな)といいまして、福岡では中学校で習うことなんです。あれっ。東京の方はご存知ないですか?」
華丸「福岡と東京でどこが違うかと言いますと、福岡には、実はマスオさんとタラちゃんがいないんです」

連載が始まった昭和21年の福岡時代、サザエさんはまだ独身。その後、長谷川さんが東京へ引越ししたため一度連載が終了する。ところが、「サザエさん」の人気が高く、新聞社から連載再開のオファーが舞い込み、昭和22年に長谷川さんは新たにマスオさんとタラちゃんを登場させて、磯野家7人で連載を再開することにしたのだ。つまり、東京と福岡の差は家庭があるかどうか。
国民的人気漫画「サザエさん」にはこうした歴史があったのだ。

「教えてもらう前と後」はMBS/TBS系で毎週火曜日よる8時放送。
政治・経済・健康・アート・歴史など毎回その分野のスペシャリストが登場し、決定的瞬間を教えてくれる。
「知のビフォーアフター」が体感できる番組。

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