全国有名レストランのシェフや、カタールの大富豪がその味に魅了され、わざわざ取り寄せるほどの高級ブランドトマトがある。
7月3日放送の「教えてもらう前と後」では、その高級トマトが栽培されている高知県の農家を取材。世界の食通を唸らせるトマト誕生のきっかけが、実は台風によって被害を受けたことだったという意外な事実を教えてもらう。
台風でトマト畑に海水が流れこんだところ奇跡が
高知県内のフルーツショップでは、果物と一緒にトマトがたくさん並んでいる。その中に、一箱6000円という超高級なトマトを発見! 実はこれ、日本初のフルーツトマトといわれる「徳谷トマト」。甘くて濃厚、海外でも人気の高級フルーツトマトの糖度は、なんと10.3%もあり、マンゴーに匹敵する値。こんな奇跡のトマトがなぜ誕生したのか。
およそ50年前の1970年8月21日、高知県に台風が上陸。甚大な被害をもたらした土佐湾台風が、実は徳谷トマト誕生のきっかけになったという。
台風の影響で川の堤防が決壊しトマト農家の隣にあった川が氾濫。海に近かったため海水の混ざった水がトマト畑に流れ込んだ。植物は塩分に弱いため、農家にとって畑が海水に浸ることは致命的。しかし諦めずに残ったトマトを栽培し続けたところ奇跡が起こった。
不思議なことに、トマトが甘くなっていたのだ。
トマト農家の栄田教良さんは、「塩分を含んで木がストレスを感じて、甘みがぎゅっと。自然の恵みだと思います」台風で土壌に混ざった塩分が水分の吸収をほどよく邪魔し、トマトにストレスを与えることで糖度が増したと考えられる。それをヒントに、ギリギリまでトマトにストレスを与えて、甘くする研究を続けた結果、驚くほど甘い高級なフルーツトマトとなったのである。
ストレス農法を活用して甘い野菜が誕生
スタジオで、1個500円のフルーツトマトがゲスト陣に振る舞われると「わぁ~。いい香りがする」「うん!これ甘い!」「甘いですね!でもトマトの良さは残したまま!」と、想像を絶する美味しさにみなさん感動の様子。
実は、このストレス農法をヒントに全国的に大ヒットしたもう一つの野菜がある。「塩と相性がいいやつでしょ?」と推理する博多華丸に田中美佐子が「あっ。スイカだ!」とひらめくがハズレ。答えは兵庫県淡路島の玉ねぎ。畑に塩をまいたところ甘い玉ねぎが誕生し、その後全国で大ヒットした。
自然は時として、人間が考えもつかない奇跡をおこすことがあるのだ。
「教えてもらう前と後」はMBS/TBS系で毎週火曜日よる8時放送。
政治・経済・健康・アート・歴史など毎回その分野のスペシャリストが登場し、決定的瞬間を教えてくれる。
「知のビフォーアフター」が体感できる番組。
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