「団地ブーム」のおかげでなぜかシャンプーが劇的に進化

5分で読める!教えてもらう前と後

2018/06/15 11:41

1960年代、高度経済成長期に空前のブームになった「団地」。それをきっかけに劇的に進化を遂げたものがある。それが「シャンプー」。「団地」と「シャンプー」がなぜ結びつくのか。6月12日放送の『教えてもらう前と後』(MBS/TBS系)で、コラムニストの泉麻人が「団地」をきっかけに日本が動いた前と後について教えてくれた。

団地ブームで日本人のお風呂事情に変化

昭和35年。東京の多摩地区に建設された「ひばりが丘団地」。関東最大と言われたこの団地を、当時の皇太子さまと美智子さまが公務で視察されたニュース映像が残っている。ベランダに立たれ、近代住宅の様子を興味深くご覧になられたおふたり。そんなニュースからも、団地が日本にすごい影響を与えていたことが伺える。

ドラマ「金曜日の妻たちへ」の撮影にも使われた「多摩ニュータウン」は、
昭和46年の完成。多摩丘陵を切り開いた広大な敷地は万博会場の約9倍、全体で約41万人を収容するベッドタウンとなった。大卒の初任給が1万円ほどだった時代に、家賃はおよそ4千円だった団地は、誰でも手が届くものではなかったが、ピーク時には100倍をこえる倍率となり、庶民の憧れの象徴でもあった。

そんな団地ブームの到来により、日本人のお風呂事情が変化する。
銭湯に行くのが一般的で、お風呂が付いている家が少なかった時代。団地の各家庭に内風呂が作られたことで、お風呂は自宅で入るものになった。それとともに洗髪に対するイメージも激変。追加料金が必要な銭湯では洗髪を控えていた人たちも、自宅で洗髪ができるようになると回数が増えたのだ。そこで「シャンプー」が急速に進化を遂げます。固形石鹸で髪を洗っていたのが、液体のシャンプーが開発されてより使いやすくなったのだ。

コマーシャルの影響で日本女性の美意識も変化

昭和初期に言葉が浸透し始めた「シャンプー」も改良が進み、企業もコマーシャルに力を入れ始める。昭和7年頃のポスターには、「せめて月二回は髪を洗ってください!汚れた髪は衛生に悪いばかりでなく、他迷惑でございます」と書かれており、その3年後には「御洗髪は一週一度!」と書かれたポスターが登場。まだまだシャンプーは貴重品で、週に1度髪を洗うことがおしゃれとされる時代だったのだ。

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家庭に液体シャンプーが一気に普及したのは昭和40年代後半。人気絶頂だったプロボウラーの中山律子さんが髪を洗う姿を映したCMがきっかけだった。
さらに、昭和62年には空前の「朝シャン」ブームが到来。斉藤由貴が出演したCMをきっかけに女子高生の間で「朝シャン」があたり前となり、その年の流行語大賞にもなるほど社会現象にもなった。子ども用にキャラクターの形をしたシャンプーも登場したのもこの頃。ちなみに泉麻人さんが子供の頃使用していたのは「鉄腕アトム」の形をしたシャンプー。
シャンプーが進化した裏側には、こんな知られざる歴史があったのだ。

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