「教えてもらった前と後で、見る目が変わります!」を合言葉に、滝川クリステルと学ぶ今回のテーマは……「科学的調理法」と「帝国ホテルおもてなしの裏側」。「科学的調理法」編では、唐揚げもハンバーグも科学的な目線をプラスするだけで美味しさが倍増する調理法を紹介します。「帝国ホテルおもてなしの裏側」編では、9年連続で顧客満足度第1位を獲得している帝国ホテルの人気の秘密に迫ります。
マリリン・モンローをはじめチャールズ・チャップリン、ベーブ・ルース、ヘレン・ケラーなど世界に名だたる有名人たちが宿泊していることでも有名な日本を代表するホテルのひとつ、帝国ホテル。明治政府の威信を背負い1890年に開業して以来、伝統を今に受け継ぎ、世界各国の要人からも愛されている。
しかし、帝国ホテルはただ伝統のあるホテルというだけではない。実は日本版顧客満足度指数で、9年連続1位を獲得していることからも、その実力の程がうかがえる。(2017年度 サービス産業生産性協議会調べ)。
いったいなぜ帝国ホテルが宿泊客に愛されるのか、その秘密を「教えてもらう前と後」が取材した。総客室数931を誇る帝国ホテルで働く人々の姿を通してその魅力に迫り、知られざる"おもてなし"の数々を検証した。
宿泊客に見えない"おもてなし職人"
皇居のすぐそばにある帝国ホテルは、教科書にも載っているあの有名な「鹿鳴館」の隣に、「迎賓館」としての役割を担うため誕生した。
1954年、新婚旅行で日本を訪れたマリリン・モンローが、記者から「夜は何を着て眠るんですか?」との質問に「シャネルの5番」と答えたあまりにも有名な逸話。この名言が生まれた場所こそ、帝国ホテルなのだ。
最もゲストが長い時間を過ごす客室をどう整えているのか取材した。すると、掃除やベッドメーキングを終えたあとに、帝国ホテルならではの"おもてなし"が。その"おもてなし"を担っているのは「インスペクター」と呼ばれるスタッフ。室内の清潔さだけではなくゲストにとって不都合がないか、ありとあらゆるチェックをする、清掃後の最終点検者なのだ。
インスペクターは、備品のチェックはもちろんのこと、家具の傷や汚れ、テレビの映り具合、枕の角度やシワなどを順番にチェックする。その項目は実に200にも及ぶ。中には、ゲストが座った位置によって見える場所に埃がないかを確認するというこだわりの項目も。
ドアマンのポケットには必ず1万円
ホテルの顔とも言える玄関で、ゲストを最初に迎えてくれるドアマンのポケットには、必ず1万円が入っている。それも、新券の5千円札1枚と千円札5枚。
これは、タクシーで来館したゲストが1万円札しか持ち合わせていない時に、いつでも両替できるようにと用意しているのだという。
また、ゲストと接するベルマンのポケットには、必ず救命用のマウスピースが入っている。一刻を争う事態が起きた場合に救急車を呼ぶだけではなく、迅速な応急処置が行えるように準備しているのだ。そしてベルマン全員が救命技能認定証を持っており、万が一に備えているのだ。
さらに、エレベーターの中にも知られざるおもてなしが。
エレベーターの中に飾られているのは、バラのつぼみの生花。あえてつぼみを選んでいるのは、花が開いた状態だと散ってしまう恐れがあるため。そして、いつも同じ状態を保つために、つぼみの花も1日3回取り替えているという。
それも、エレベーターはゲストを迎える一番小さな客室という帝国ホテルのおもてなし精神のあらわれ。ちなみにロビーにある花も生花。季節ごとにデザインを変えフォトスポットとしても有名だが、見た目が変わらないよう毎日細かい手入れを施している。
ゲストが少しでも心地よく過ごせるよう、帝国ホテルには随所に"おもてなし職人"ならではの気配りと技術が隠されていた。