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60年にわたり「天空の城・竹田城跡」を撮り続ける89歳のカメラマン『すごい写真を撮ったなと言ってもらいたい』

2021年10月22日(金)放送

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「天空の城・竹田城跡」にこだわって、約60年にわたり、写真を撮り続けてきたアマチュアカメラマンの吉田利栄さん(89)。竹田城跡は9月~11月にかけて雲海が見えやすいシーズンとされています。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言で城跡の閉鎖が続いていましたが、10月の宣言解除とともに吉田さんは城跡へと向かいました。どんな1枚が撮影できたのでしょうか。

年間300日以上「竹田城跡」を撮り続けるカメラマン

兵庫県朝来市の「竹田城跡」。その石垣の頂上でカメラを構えるのは、吉田利栄さん(89)。約60年にわたり、竹田城跡の写真を撮り続けてきたアマチュアカメラマンです。

(吉田利栄さん)
「もうちょっと(朝日で)焼けてくれたらいいのにね」
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吉田さんが撮影した雲海に包まれる朝焼けの竹田城跡。14年前、新聞の一面に掲載されたこの1枚が「天空の城」を世に知らしめるきっかけとなりました。
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9月21日、緊急事態宣言を受けて、竹田城跡は閉鎖されていましたが、今回、特別に市の許可を得て、入山しました。

戦国時代から城下の町を見守ってきた竹田城。400年以上が経ち、石垣だけになった今も、当時の威厳を誇っています。

(吉田利栄さん)
「城下町が一望に見えまして、南の播磨の方から攻めてきたとき、もうずっと向こうから見えるわけですね。十分対戦する対応ができたわけです」
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城跡が雲海に包まれるのは、複数の気象条件が全て整った午前中だけ。この日は残念ながら雲海は見られませんでした。

(吉田利栄さん)
「400年前に当時の人が見たのと同じ景色を、現代の人が見ることができる。そういう良さがここにはありますね。それにひかれて同じものを長年撮り続けているんですけど」
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吉田さんは年間300日以上竹田城跡へ訪れ、四季折々の姿を写し続けてきました。

15分間『つかの間の絶景』

9月24日、吉田さんから「雲海を撮影できるかもしれない」と連絡がありました。竹田城跡は閉鎖中のまま。そこで吉田さんは竹田城跡が見える『立雲峡』へ向かいました。そこから見た景色には"天空の城"がそびえ立っていました。
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(吉田利栄さん)
「ここから、立雲峡から眺めると、あたかも雲の上に浮かんでいるかのように見える。どこを見ても近代的なものが何一つ無いでしょう。例えば送電線や、鉄柱、鉄塔、無線の中継所。ここだけは何もないんですよ」
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竹田城跡が見え始めてから15分後、城跡は霧のベールに包まれてしまいました。

(吉田利栄さん)
「隠れたでしょう。気温が上がると温められた霧が軽くなるから、上ってくるんですよ」

つかの間の絶景でした。

パンフレットや列車に使われる吉田さんの写真

朝来市のパンフレットやポスターに並ぶ竹田城跡。実はほとんどは吉田さんが撮影したものです。
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(朝来市観光交流課 羽渕慎也係長)
「パンフレットだけでも氷山の一角でございまして。朝来市に出ましたら、各道の駅が3つあるんですけれども、入った所から出る所まで、吉田さんの写真を見かけないということはないくらいあります。公共交通機関、例えば播但線の電車とか、大阪までのバス、それから空を飛ぶ但馬空港の飛行機、そういったところにも吉田さんの写真が使われていまして。朝来市は吉田さんに助けられていると」

自ら新しい「絶景スポット」を開発

さらに吉田さん、なんと自ら新たな絶景スポットを作り出そうとしています。朝来市から京都府福知山市にかけて広がる「夜久野高原」。吉田さんはこの一面を、季節の花や木で埋めつくそうとしているのです。
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(吉田利栄さん)
「去年の春に植えた紅しだれ桜、400mに50本植えています。からし菜の花が咲いて、両側桜並木で、その奥に雪が被った残雪の山が見えるいうことは、カメラマンの良い撮影ポイントになると思います」
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吉田さん、おもむろに車から四角い箱を取り出します。その箱の中には「ドローン」が入っていました。最新機器を駆使して、経過も逐一記録していきます。

(吉田利栄さん)
「(Q操作は難しくないですか?)そうやね。自動車や船より一番難しいね」
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新たな絶景スポットの開発はボランティアです。なぜここまでするのでしょうか。

(吉田利栄さん)
「残りの人生をどれだけ有意義に過ごすか、それだけのものでね。できれば少しでもこの生まれ育った朝来市に貢献できたらという、それだけの気持ちでやっているんです」

「人に感動を与えられる納得の写真を撮りたい」

10月3日の午前4時、緊急事態宣言が明けて3日目。入山再開を祝うかのように、吉田さんにとって撮影するうえで最高の条件が整いました。城跡には早朝から大勢の観光客の姿がありました。

(吉田利栄さん)
「若い人は羨ましいな。走って上がっている」
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5kgの機材を抱えて、息を切らしながら頂上を目指しますが、狙っていたポイントはすでに人でいっぱいでした。

(吉田利栄さん)
「多いな、どうしようかな。やっぱり下に降りましょうかね。ちょっと見てもらって」

ここからは60年の経験がものをいいます。刻一刻と変化する霧の高さや朝日の角度にあわせて、最適な場所を探します。
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やっと見つけた場所で撮影するのかと思いきや…

(吉田利栄さん)
「ちょっと動きますか」

納得できるポジションを見つけるまで探し続けます。そして…
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澄んだ空に白い雲海。鮮やかな緑とのコントラストが映える、10月3日に撮影された写真です。
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(吉田利栄さん)
「今まで撮ったことのないような、人に感動を与えられるような写真が撮れればと思って続けてやっております。それこそ私の生きた証に『すごい写真を撮ったな』と言ってもらえるような1枚を残したいんですが、いまだに撮れていないんです。なかなか難しいですね、その1枚というのが」

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