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「悲惨な叫び声聞こえた」遺体なき殺人事件 兵庫~大阪~高知の3現場、4つの容疑が絡む事件の全容解明は? 暴力団組員ら4人を逮捕送検

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23歳の男性を暴行し、殺害した疑いで暴力団組員の男ら4人が逮捕されました。これまで被害者の遺体は見つかっておらず、現場が兵庫・大阪・京都、さらに高知県に展開する不明点の多い事件です。

警察は、一連の事件で男女10人を逮捕。
26日には殺人容疑などで逮捕した指定暴力団「東組」傘下の組員三谷晃平容疑者(27)ら4人を送検し、事件の全容解明を目指します。

▼「叫び声が聞こえた」発端は夜の尼崎市

事件の発端は6月11日の午後9時半頃。兵庫県尼崎市大物町の路上で、住民が「男性の叫び声」を聞いたことでした。

通報者はMBSの取材に対し、「叫び声が聞こえたんです、とにかく悲惨な。1人が駆けてきた後、走ってくる靴音が3つか4つ聞こえた、そこから殴る時間が始まった」と、当時の状況を語りました。

「防振ガラスを閉めているのに殴る音が聞こえた。殴られていた時間は二十数秒くらい」「119番しようと思って外に出た。そしたら誰もいなかった」(通報者)

警察によりますと、三谷容疑者ら8人は共謀して、男性の両手を引っ張るなどして自動車に押し込み、車内に監禁。車で次の現場へ向かい、移動中にも男性への暴行が行われていたとみられます。

▼殺害現場か…大阪・能勢町の家屋

第二現場は三谷容疑者の居住地と同じ、大阪府能勢町の家屋でした。警察によりますと、家屋の持ち主は本事件に無関係ですが、容疑者らが一時的に借りていたとみられます。

家屋内でも、男性の顔や腹を殴ったり踏みつけたりするなどの暴行が続けられたとみられ、尼崎市内から計3時間以上暴行が繰り返され、さらに男性は左太ももを刃物で刺されたのち、死亡したとみられます。

能勢町の家屋があったという場所を取材すると、建物はなく更地になっていました。三谷容疑者らは、証拠隠滅を図り、家屋の床板や壁紙を剥がして、運搬したとみられています。

仕事で近所を訪れていた男性は「7月ごろ、警察が鑑識作業をしているのを見た。2週間くらい前にはもう更地になっていた」と話しました。

▼車で京都~高知へ

警察の捜査で、容疑者らの車での移動行程がわかってきました。

6月12日の早朝、三谷容疑者らは車に遺体をのせて京都府南丹市へ向かったようです。そして13日の早朝には、別の車にのせかえて、高知県を目指します。

13日の夜、今度は高知県内で遺体を軽自動車にのせかえ、計3台の車をつかって、高知県大川村またはその周辺まで運び、遺棄したとみられています。

3台目の軽自動車は、9月に死体遺棄容疑で逮捕・起訴された大坪美砂被告(28)の父親名義だということです。大坪被告は高知県土佐町在住で、遺棄現場周辺に土地勘があったとみられます。

▼遺体なき殺人事件 不明点多く

この事件は、監禁や家屋の建造物損壊、死体遺棄や殺人事件など4事件が絡み、今年7月以降19歳の特定少年3人を含む男女10人が逮捕されています。

遺体が見つかっていない被害者は23歳の男性で、容疑者らとの関係性には一部不明な点もあります。

警察は、男性の遺体の発見を急ぎ、他にも事件に関与した人物がいる可能性があるとみて、全容解明を進めています。

2025年09月26日(金)現在の情報です

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