2025年05月23日(金)公開
ここにも万博効果!?『ウラ万博』銘打つベイエリア 万博帰りの客で飲食店など盛況「ボーナスはもう1戸家を借りられるくらい」気軽に会える"大阪港区女子"も活躍!
編集部セレクト
大阪・関西万博の経済効果は、経産省の試算にでは2.9兆円ということですが、思わぬところでも万博の“あやかりマネー”がありました。会場周辺エリアでは全力で万博に便乗する人たちも。各地で起きている現象を取材しました。
入場者数約350万人(※5月20日時点)となった大阪・関西万博。会場近くのホテルは…
(グランドプリンスホテル大阪ベイ 久保知輝さん)「今はおかげさまでかなり満室近い状態。こちらのスイートルームですと最近は万博の影響で政府関係者や海外の王族も宿泊されるケースが増えています」
大阪市港区にある下町の小さな商店街にも…
(小山お好み焼店)「わざわざ弁天町駅で降りて食べにきてくれる人もいる。ポーランド館のシェフが近くに住んでいて、注文のしかたがベーコン(豚バラ)、エッグ、スプリングオニオン(ねぎ)と」
じわりと裾野を広げる経済効果。期待が高まる「万博あやかりマネー」を徹底取材しました。
「通天閣」で万博みやげが好調
(通天閣観光 高井隆光社長)「万博効果、ミャクミャクきていますね」
万博を見越し去年、オープンしたアトラクション「Dive&Walk」は連日、大にぎわい。万博効果が出ているといいます。
(通天閣観光 高井隆光社長)「1日約300人のお客さんが新世界に飛んでおりますので、万博の帰りに通天閣・新世界に来ていただくきっかけづくりができている」
さらに、思いもよらず繁盛しているのがお土産コーナー。そのワケは…
(東京から)「(万博に)きのう行きました。万博会場のお土産屋さんすごく混んでいて買えませんでした」
(鹿児島から)「人が多くて時間がなかったもんですから」
万博会場のオフィシャルショップは連日、大混雑。購入を断念した人が通天閣で万博みやげを見つけて購入していたのです。
(通天閣観光 高井隆光社長)「万博が始まる前は日に1万円売れたらいいほうだった。万博が始まってから10倍以上の経済効果があるかなと」
夢洲と吹田”2つの万博”めぐりが人気に
(神戸から)「万博がいま話題ということでそっち(夢洲)にも行きたいんですけど、55年前に行われていたということで、こっち(万博記念公園)にも来ようと思って」
(島根県から)「ツアーで来たんですよ。あしたは大阪・万博会場で、きょうは万博記念公園で。55年前に見ましたもん」
(オランダから)「歴史的だし美しい。見たいと思ったんだ。今の万博会場にも行っていいと思ったんだけど、こっちも美しいね」
夢洲と吹田、”2つの万博”めぐりが人気になっているようです。
万博で中止のネモフィラを求めて「長居植物園」へ
一見、万博とは関係なさそうな大阪市東住吉区にある長居植物園にも影響が。
(来園者)「舞洲がない以上どこか見に行きたいなということで、長居植物園に来ました。きれいですよね、癒されます」
万博会場の近く舞洲で毎年開催されていたネモフィラ祭り。今年は万博の影響で中止になりました。それもあってか長居植物園の来場者数は過去最高の1万6418人(※5月5日)を記録しました。※今シーズンは終了しています
(長居植物園 瀬川早保さん)「ネモフィラだけではなくてバラ、シャクヤク、いろんなお花をご覧いただけますので、ぜひ毎月お越しいただければうれしいです」
ひらかたパークは「”わ”んぱくイヤー」とPR
「ひらパー」の愛称でおなじみ「ひらかたパーク」(大阪府枚方市)もあやかりマネーをつかもうとしています。今年は万博ならぬ”わ”んぱくイヤーと銘打ちPRしているんです。
(ひらかたパーク 赤土実優さん)「(Qどんなところが「わんぱく」?)後ろに見える木製コースター『エルフ』。叫びたい放題の『木製リング』というふうになっていまして」
万博の「大屋根リング」に刺激されたのか木製コースターを「リング」と呼び「わんぱく」に叫んで欲しいそうです。さらに公式キャラクターは…
(ひらかたパーク 赤土実優さん)「”わ”んぱくイヤーの公式キャラクター、イルカイルカです。(Qルが小さいですけど、ミャクミャクを意識していませんか?)全然していないです」
お客さんは…
(枚方市から)「いつもながらおもしろいなと思いました。ひらパーらしくていいと思います」
“わ”んぱくイヤーは「万博とは関係ない」といいますが、万博に合わせてひらパーにも興味を持ってほしいと話します。
(ひらかたパーク 赤土実優さん)「(Q意識している部分ありますよね?)”わ”んぱくイヤーとしては全然意識していないです。一緒に関西を盛り上げられたらいいなと」
『大阪港区女子』に『ウラ万博』!?ベイエリアも盛況
万博のチャンスを逃すまいと沸き立つ街も。海遊館がある大阪市港区。大阪港駅の近くにあるお寿司屋さんを訪ねました。オーナーの牧香代子さん、万博にあやかろうと万博開催の決定後に店をオープンしました。狙い通り、外国人客が増えたそうです。
(創作寿司ひかり 牧香代子さん)「(外国人のお客さんは)1万円のコースと7000円のコースがあるんですけど、確実に1万円のコースを頼んでくれる。ありがたいです」
ただ、開幕前は万博のお客さんにどうしたら立ち寄ってもらえるのか、頭をひねったそうです。そこで…
(創作寿司ひかり 牧香代子さん)「ウラ万博。会場の此花区が『表』としたら裏手にあるベイエリアで盛り上げようと活動しています」
今年3月「ウラ万博」と銘打って始めた大阪ベイエリアの町おこし。牧さんはエリアがひとつになって万博のお客さんが立ち寄ってもらえる街にする取り組みを始めました。エリアの情報や80店舗以上の飲食店などを掲載した冊子をつくり訪れた人に配っています。さらに。
(創作寿司ひかり 牧香代子さん)「実はこんなこともしているんですよ。大阪港区女子。ちょっとベテラン感あるんですけど、会いに来られる港区女子というコンセプトでつくっていて、ぜひとも万博に来られた際に港区の女子に会いに来てほしい」
ベイエリアで飲食店などを営む大阪の港区女子が街の案内をしたりおもてなしをしたりして、このエリアのファンになってもらうキャンペーン。一番の強みは華やかな暮らしぶりで話題の東京の港区女子とは違い「気軽に会える」ことなんです。効果は現れているのでしょうか?
ウラ万博のTシャツを着て迎えてくれたのはたこ焼き店「たこ焼き王国」のオーナー・北村昴大さん。
(たこ焼き王国 北村昴大さん)「(Qウラ万博で売り上げは違う?)絶対違います。万博帰りに夜ごはんを食べにくるお客さんは増えたかなと」
(創作寿司ひかり 牧香代子さん)「お互いを紹介し合えるっていうのは大きいと思うんですね。ときには店が満席になっているときもあるので、それなら『あっち行ってくれへん』『こっち来てくれへん』っていうつながりができるのは大きい」
居酒屋「築港横丁」もウラ万博に参加。万博帰りのお客さんで夜の賑わいが出てきているそうです。万博でもうかっている?と聞くと…何度も深くうなづきます。
(ウラ万博の加盟店のスタッフ)「(ボーナスはある?)いただています。毎月もう1戸家を借りられるくらい」
期待以上にウラ万博の効果がでているようです。牧さんは万博はひとつの通過点だと考えウラ万博、ベイエリアの発展につなげたいと話します。
(ウラ万博主宰者 牧香代子さん)「万博はある意味半年間しかない大きなお祭りだと思っていて、そのあとまた商売をやっていかないといけない。きっかけをつくったあとに『この街にもう1回来たい』と思えるしかけを私たち全体でできたらいいなと思います」
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