2023年03月03日(金)公開
『40年以上欠かさず毎月5000円』寄付する謎の『kyyM』...人呼んで「長浜のタイガーマスク」消印は?筆跡は?ずっと同じ人物?
編集部セレクト
恵まれない子どもたちに素性を明かさず寄付をするタイガーマスク。滋賀県長浜市にもあのヒーローがいると聞いて取材に行きました。
今年2月22日、滋賀県警長浜署に届いた1通の封筒。封筒の中に入っていたのは現金5000円。そして手紙には『不幸な人に役立ててください』と書かれています。実はこの手紙はこれが初めてではありませんでした。1981年から約40年以上、ひと月も欠かすことなくお金の入った封筒が届き続けているというのです。
(長浜警察署 佐倉幸男調査官)
「今月もまた届いていました。毎月お手紙と5000円を送っていただいています。これが始まったのが今から40年以上前で、まったくわからないですよね。kyyMと、これしかわからない。手がかりもないんです。(総額は)少なくみても200万円にはなっているのかなと」
差出人は『kyyM』。こうした匿名の寄付といえば、1968年から連載された梶原一騎さん原作のプロレス漫画「タイガーマスク」。プロレスラーの主人公・伊達直人が素性を明かさず孤児院にファイトマネーを寄付するというストーリーです。
2011年に群馬県前橋市の児童相談所にランドセルが届けられると、全国各地で善意の輪が広がりました。これは10年ほど前の話ですが、それよりもはるか昔から『長浜のタイガーマスク』は存在していたのです。その正体を探る手がかりはないのでしょうか?
(記者リポート)
「ここ見てください、消印が全て長浜と書いてあります」
つまり、長浜市民なのでしょうか。そして、他にも…。
(長浜警察署 佐倉幸男調査官)
「これが去年12月の手紙、これが平成21年の手紙。同じような字に見えますけどね。“な”が結構特徴ありますね。同じ方かなと」
少しずつ素顔が見えてきたタイガーマスクですが、長浜市民にも聞いてみると…
(長浜市民)
「ふふふ、知らないです~」
「実は私です笑、うそうそうそうそ~。長浜市民としてすごく尊敬する」
その正体は捜査のプロである警察でもわからないということです。では、寄付されたお金はどのように使われているのでしょうか。長浜警察署では、手紙に書かれた思いを少しでも生かしたいと、全額を地元の社会福祉協議会などへ寄付しています。そこではお年寄りが楽しめるスポーツ「モルック」の購入資金などに使われていました。
(長浜市社会福祉協議会 藤田みどりさん)
「男性女性どんな方かわかりませんけど。ぜひこういう形で使われているのを知っていただきたいなというふうには思いますね」
(地元の高齢者)
「僕は高齢者の方だと思っていますけど、ひょっとしたらその人から誰かが引き継いで匿名でやっておられるかもしれませんし。感謝感謝でしょうね」
『長浜のタイガーマスク』の善意は様々なモノに形を変えて幸せを生み出しているようです。
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