MBS(毎日放送)

『ペンギン室温は3℃』『大きな水槽のろ過・水温調整』電気料金高騰で苦悩の水族館...「生き物たちのため365日24時間止められない」

編集部セレクト

SHARE
X
Facebook
LINE

 高騰が続く電気料金。その影響は私たちの生活だけではなく水族館や自治体などにも大きく表れています。

 私たちの生活に大きく響く電気料金の値上がり。来年春以降も大幅に値上げされることが見込まれるため、岸田文雄総理は来年1月以降できるだけ早く負担軽減策を実施することを明らかにしています。
2.jpg
 電気料金高騰の影響はこんな場所にも表れています。約620種3万点の生き物を展示する「海遊館」では…。

 (海遊館 柿本賢佑さん)
 「生き物たちが暮らす水槽内もそうですし、お客さまがいらっしゃる観覧通路にもいたるところで電気を使っています。量が量なので影響もそれだけ大きくなりますね」
3.jpg
 中でも多くの電気を使用するのが“水温を整える機械”などです。

 (海遊館 柿本賢佑さん)
 「こちらの設備は水の温度を整える機械です。電気で動いています。海水をそれぞれの生き物にあった温度に調整しています。こちらにあるのが水槽のろ過装置です。生き物たちの体調管理のためにも365日24時間止めることができない設備です。これだけの設備を動かすためにはそれなりの電力が必要です」
4.jpg
 館内にある水槽はそれぞれに照明・ろ過・水質調整が必要です。またペンギンのいるエリアは常に室温を3℃に保たないといけません。海の生き物たちにとって細かな環境調整は生命維持に関わるため止めることができず、かなりの電気代がかかってしまうといいます。海遊館では照明のLED化などを進めて対策を行っていますが…。

 (海遊館 柿本賢佑さん)
 「想定していたよりも電気料金の値段が上がっている部分もありますので、予算の関係だったりでかなり苦労している部分もあるようです。早急に対応できるところとしましては、スタッフの事務所の小まめな節電が一番身近なところかなと思いますので、改めてそういったところを徹底していきたいと思っています」
5.jpg
 電気料金値上がりの波は自治体にも容赦なく押し寄せています。昼休みになると庁舎内が一斉に消灯される「兵庫県庁」。職員たちは窓から入る光を頼りに昼食をとったり作業をしたりします。

 (兵庫県庁の職員ら)
 「ちょっと暗いんですけど文字は見えるので作業している感じです」
 「もう毎日なので、昼休みはこのくらいの明度」
6.jpg
 10年ほど前から節電対策として昼休みの消灯などを続けていますが、今年はそんな地道な節電対策では補いきれない事態になっているといいます。

 (兵庫県 中野秀樹財政課長)
 「(電気料金が)非常に高騰しておりまして、当初予定しておりました予算額では電気代の支払いが難しいと」

 今年度の電気代が昨年度より3割増える見込みで、当初予算の45億円では足りず、急遽、増額分約13億円を補正予算に組み込みました。

 (兵庫県 中野秀樹財政課長)
 「非常に想定外の事態となりまして、財政的にも影響が大きいかなと思っております」

 県では国への財政措置の要望も検討しているということです。
7.jpg
 関西電力における一般家庭の電気料金の推移を見てみると、去年1月から1000円以上値上がりした状態のまま高止まりが続いています。高騰が続く電気料金に街の人は次のように話します。

 (街の人)
 「たしかに明細を見ると上がっているなというのはすごく感じますね。電気を消すとかコンセントを抜くとか、そういう地道なことをやっています」
 「(電気料金が)上がっていて、電気会社というか供給会社を変えようかなと検討したりとか」
 「携帯会社のセットのやつに入っているんですけど、どこまでが安いのか高いのか全然把握できていないです」

2022年10月18日(火)現在の情報です

今、あなたにオススメ

最近の記事

ひたすら試してランキング『ポン酢』6年連続ミシュランガイド三つ星に輝く京割烹「祇園さゝ木」の佐々木浩さんが導入を検討!?香りも食材との相性も抜群の第1位の商品は?【MBSサタプラ】

2025/11/26

【カツめし】名物100円朝食!1000席の巨大学食 関西大学「学生食堂ディノア」(2025年11月20日)

2025/11/26

神戸の津波観測施設があす26日から工事 津波発生時は「欠測」と発表 12月は大阪・京都でも工事予定

2025/11/25

「応援したいと思ってもらえるチームに」アイスホッケー"不毛の地"西日本で旗揚げした初のプロチーム「スターズ神戸」 資金繰りに苦労しながら挑んだホーム開幕戦

2025/11/25

JR福知山線脱線事故20年 "当事者"と"第三者"を架橋し「どう生きるのか」を問う 事故負傷者らが今春刊行の書籍

2025/11/23

「怨念の深い闇の中で、一生生きていく」父親が悲痛な叫び 大型トラックを酒気帯び運転 自転車の20代男性を死亡させた男(61)に「懲役5年」の実刑判決 大阪地裁 自宅で「発泡酒と焼酎水割り」を飲み... 1~2時間ほどだけ寝て、ハンドル握り事故起こす

2025/11/21

「もし今も生きていたら...」願いをかなえる"絆画" ガンで夫を亡くした親子が依頼にこめた思いとは 遺族に寄り添う似顔絵作家の創作活動に密着

2025/11/21

採取したキノコを撮影してAI判定 AIは"食べられる"と回答も... 実際は「毒キノコ」 和歌山市の70代男性が嘔吐の症状で一時入院 「AIや図鑑で自己判断するのは危険」市が注意呼びかけ

2025/11/21

SHARE
X(旧Twitter)
Facebook