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【旧統一教会】関連団体「CARP」ポップコーン作りの科学実験で教育現場に浸透、窓口は阪大生...『ママ友勧誘の懸念』

2022年08月16日(火)放送

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旧統一教会は、自民党をはじめとする中央政界だけでなく、地方の教育現場に浸透している実態が明らかになってきました。大阪府箕面市の小学校で、「CARP」と呼ばれる旧統一教会の関連団体が17年前から科学実験の講座を開催していました。窓口は大阪大学の学生でポップコーンやラムネづくりなど子どもが喜ぶような実験をしていたということです。元信者でもあるジャーナリスト多田文明氏は「CARPの学生は上の教えに絶対」「ママ友を勧誘する懸念もあって危険」と警鐘を鳴らします。中央政界や地方への旧統一教会の浸透ぶりについて河野太郎消費者担当大臣は「霊感商法一般を議論する」と発言、多田氏は「スピード感のある対応」と評価しています。(2022年8月16日MBSテレビ「よんチャンTV」より)

ーー岸田改造内閣では旧統一教会と大臣や副大臣など計29人に接点があったということです。多田さんはどのようにご覧になってますか?
「党として最初から調べなかったと、この辺が一番大きかったかなと思いますよね。党として調べないので本人たちも調べないですから、後から次々出てくるという結果になってると思いますね」

「教会の『恩』を売る巧みな手口」

ーー多田さんによりますと教会の「恩」を売る巧みな手口だと、岸田総理もここまで深く組み込まれているとは思っていなかったんじゃないかと?
「旧統一教会の手口は、全員を前面に出して近づくと、非常に得意としているところです。特に選挙では当選するかしないかと議員さんにとっては問題ですから、そこにアプローチしていく、いわゆる選挙ボランティアですね。一つだけ言えるのは選挙ボランティアがやっていることは、実は旧統一教会の人たちがすごく得意としているところなんですよ。実際に伝道と言って人を誘うとか、お金を集める、例えば電話をかけて誘う、街頭に行って人に声かける、ビラ配りもそうですが、得意中の得意なんですね。ですので力強くうつっていると思いますね」

ーー政治家の皆さんからすると選挙運動を一生懸命に手伝ってくれて感謝しているということでしょうか?
「そういうふうに恩を売っておけば何か祝電、何かあったときにいいよいいよという形になっていってしまうということですね」

思想を国政へ反映させるため「身元はある程度経ったら明かす」

ーー政界戦略を立てて近づく、政治家の懐に入り込んだタイミングで、旧統一教会の関係者ですよと明かす。『よく知らなかった』は怪しいので、今後どうやって国民の疑念を晴らすのでしょうか。政治家の皆さん関係について『知らなかった』という方が非常にたくさん多いですよね?
「よく考えないといけないのは、旧統一教会が近づいてる目的は元々彼らは伝道・布教を目的としてるんですよね。近づく目的は政治家とできる限り自分たちの思想とを一致させて、それを国政に反映させていくということを目的としてます。必ずですね、自分たちの身元はある程度経ったら明かすんですよ。1回だけ祝電を打ったぐらいだったらまだいいんですけど、これが2-3回と関係が深まれば、『絶対知らなかった』『違法性ある団体とはわからなかった』というのはちょっと通じないというふうに思います」

ーーある程度、関係が築けたら、『実は私こういうものなんですよ』というのは、大体明らかにするんですか?
「内偵して統一教会の教え、思想、考え方を受け入れてもらって、それを国政に反映させてもらわないといけないですから」

ーー実際に多田さんも元信者でいらっしゃいますけど、ご自身でもご経験があるということなんですか?
「選挙に関して私がそんなに関わっていないんですけど、彼らのやり方は、もう基本的にそういうやり方ですので、それはおのずと発想は同じで、いわゆる政治部門の布教という観点で考えることが必要だと思いますね。2-3回も、繋がりがあったと、本当に1回だけだったら、まだそうなのかなと思いますけど、今後調べてもっと付き合いがあるとわかった段階で『知りませんでした』って言ったらそれはないんじゃないのと私は思います」

小学校で旧統一教会系の団体が『講座』「自主的にやることは絶対にない」

ーー旧統一教会の関連団体が小学校にまで、箕面市の教育委員会の話です。市内の小学校1校で科学実験の講座を行っていた団体が旧統一教会と関連する学生団体の「CARP」ということが判明しました。「科学実験の講座」団体の窓口は大阪大学の学生だったとみられていて、ポップコーンやラムネ作りなど子供が喜ぶ実験を課外授業で行うと、怪しい内容などではなかった?
「こういうことは自主的にはできないんです。統一教会の教えは上の命令、組織の命令を下の人たちが実行するところで、初めて信仰が生まれてくるので、これを個別・自主的にやっていることは絶対にあり得ないですね。彼らの目的は『伝道』いわゆる布教活動なので、布教活動の一環として支持されて、特に「CARP」という学生の人たちはまさに統一教会の教え、上の人の命令は絶対に従う、そうした中でやっていることで組織的な命令の中で長期的にわたって行われていたということですね」

ーー旧統一教会に関しては、河野太郎消費者担当大臣は一度締め直さなきゃいかんと、旧統一教会に限定するのではなく、霊感商法「一般」を議論すると話しました。多田さんによりますと、今は思想を入れて信者にさせてから、献金や物を売る形に巧妙に移行しているので、被害が発覚しにくいといということです。
「一般の消費者に壺を売ったり物を売ったり、恐怖で訴えかけていた。だまされたことに本人が被害に気づきやすかったんですよね。ところが、今は被害に気付かせないようにして、『霊感商法』、ある程度思想を入れた後に、やっていくので、非常に気づきにくいということです。旧統一教会は何か法律ができると対策を打つのがスピード感があって本当に上手いんですよ。ですので、2018年に消費者契約法が改正されて霊感商法で取り消しができると、2009年に刑事事件があって、2018年の改正ですから、1980年に霊感商法の問題が起きて、何十年経ってできたのって。河野さんは今回、スピード感を持ってやってくれたのは非常に私はいいことだなと思っています」

ーー日本維新の会の松井一郎代表は、寄付行為などは所得に合わせた上限額を作って、法律で取り締まる必要がある。臨時国会に提出するというふうに話しました。多田さんは法律を作ると、それをかいくぐった手口が出てくる、多方面からの検討が必要ではないかということですか?
「隠れた形でお金を出す、知人・友人に金を借りてこっそり金を渡すとか、宗教法人自体が本人に嘘をつかせて献金額を低くいうことなど、様々なことが想定されるので多方面から考えるべきだと思いますね」

(2022年8月16日MBSテレビ「よんチャンTV」より)

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