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「働きながら田舎で暮らしたい...けど不安」なあなたに『おためし暮らし』をJR西日本が提案 参加した52歳男性の1か月

2022年06月30日(木)放送

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 田舎暮らしをしてみたいけど不安…という人を後押しする取り組みをJR西日本が企画しました。その名も『おためし暮らし』です。都市部で働く人に対して、勤務先への通勤代などをサポートして、1か月~10か月の期間限定で田舎暮らしを体験してもらうというものです。この企画に参加した男性の1か月を取材しました。

「JR西日本」が企画した『おためし暮らし』

 今年5月、引っ越し作業に追われる斯波淳二さん(52)。

 (斯波淳二さん)
 「ギター2本とアンプと。あとは必要最低限の布団とか、それくらいだけで」
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 趣味のギターと身の回りの品だけを車に乗せて1か月限定の田舎暮らしを始めます。地方に暮らしながら大阪で働けるのかも試すつもりです。

 (斯波淳二さん)
 「まずは今の会社にちゃんと通えるかどうかというのを確認して、ほんとに気楽にお試しという形で考えています」

 車で新たな生活拠点に向かいました。
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 『おためし暮らし』を企画したJR西日本は、新型コロナウイルスの影響で2年連続の赤字に。さらにテレワークの普及などで通勤スタイルは元に戻らないとみて、少々遠くても週に何度か都心に通う新たな需要を模索しています。

 (JR西日本 長谷川一明社長 今年5月)
 「いろんな価値観というのが芽生えていて、そういったことに対する新しい移動の需要というのも当然あるわけなので。お客さま一人ひとりに私たち自身がアクセスをしていく必要がある」
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 さて、斯波さんが到着したのは京都府南丹市。JR園部駅から徒歩20分ほどの家で『おためし暮らし』です。大阪の職場までは自宅のある兵庫県川西市からと比べて直線距離で2倍以上になります。6畳のリビングに6畳の寝室、キッチンなどがついて1か月の家賃は3万円。JRが用意した異なるエリアや期間、複数のおためしプランの中から選びました。

 (斯波淳二さん)
 「ここで1か月。カーペットをどう敷いたらええかな、縦にしようか…。じゃあこんな感じでとりあえず」
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 斯波さんが『おためし暮らし』の中でもう一つやってみたいことが、近所にあるイベントも行えるカフェ「UZUMAKI CAFE」での音楽ライブ。ギター好きでCDを自主制作したほどです。
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 『おためし暮らし』1日目。斯波さんが新生活の門出を祝って1曲披露してくれました。

 (斯波淳二さん)
 「すてきな毎日を僕らずっとずっとずっと過ごすべき~♪ ありがとうございました。いい秘密基地が誕生しました。今日ここに」

交通費はJRが40%を補助…帰り道には“田舎のサプライズ”も

 『おためし暮らし』16日目。この日は午前6時に起きて大阪まで出勤します。

 (斯波淳二さん)
 「電車の本数も少ないから1本逃すと怖いので。早めに行っておかないとね」
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 京都・園部駅から勤め先の大阪・天王寺駅までは山陰線・東海道線・大阪環状線を乗り継ぐ1時間44分の遠距離通勤。運賃は往復3000円を超えますが、おためし期間中はJRからサポートがあります。

 (斯波淳二さん)
 「SMARTICOCAですね。交通費の40%がポイントで還元されるということやったので」

 実質6掛けの運賃で利用できます。斯波さんは午前7時1分発の普通・京都行きへ乗り込んで大阪・天王寺の職場へ向かいました。
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 職場には午前9時に到着しました。雑貨店の店長を務める斯波さん。片道2時間かけた通勤の後もいつも通り接客や掃除を行っていました。

 (斯波淳二さん)
 「小売り業界でもリモートが進むだろうというところも想定しながらお試しさせてもらっています。今のところは全然ないですけどね、夜のレイアウト変更とか重点商品の発売日前はちょっと残業することになるんですけど、ひょっとして泊まりになるのかなと」
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 仕事も終わって午後8時、京都・園部駅に降り立った斯波さん。少々お疲れの様子ですが遠距離通勤はどうだったのでしょうか。

 (斯波淳二さん)
 「大阪から京都の間は座れなくてね。でも全然混んでいないのであっという間でしたよ」
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 駅からの帰り道、予想外の嬉しい出来事もありました。それはホタルです。優しい光が暗闇に浮かび上がります。

 (斯波淳二さん)
 「きれい。こんなサプライズがあるとは思っていませんでしたけどね。梅雨やから嫌やなーと思っていたけど、ほっとしますね、これ見ると」

“おためし暮らし”も中盤…独特の人付き合いの難しさに悩む

 『おためし暮らし』17日目。期間の半分が過ぎたある日、斯波さんが訪れたのは、大型犬と一緒に京都府南丹市で『おためし暮らし』をして、そのまま移住を決めている先輩の家です。

 (『おためし暮らし』の先輩)
 「デメリットとして冬はめっちゃ寒い。古民家やから寒いんかな。今は大変なのは雑草ですね」
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 斯波さんは、カフェで音楽ライブを計画するにあたって、独特の人付き合いの難しさを打ち明けます。

 (斯波さん)「“裏の人と区長さんに挨拶は絶対だよ”と言われて。都会でイベントを行うにはそういうのはあんまりなくて、地域住民の総意がどうのとか」
   (先輩)「私は焦ってここに溶け込もうとかは思っていなくて。でもこの子(一緒に暮らす大型犬)が仲介役になっていって」

 生の声を聞いたことで少し肩の荷が下りた様子です。

『本格的に家が見つかったらこっちに来ようと思う』

 『おためし暮らし』27日目。期間の終盤となった6月26日、いよいよライブ当日です。昔からのバンド仲間を呼びオリジナル曲を披露します。閑静な住宅地に斯波さんの音楽が響きます。
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 (斯波さん)「残すところあと何日かで“おためし暮らし”が終わっちゃうんですけど」
(バンド仲間)「また引っ越すってこと?」
 (斯波さん)「“おためし暮らし”が終わっちゃうのよね、1か月の契約やから。次は本格的に家が見つかったらこっちに来ようと思う」
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 (歌う斯波淳二さん)
 「月に吠えろ、このチャンスをオレは手に入れたんだな~♪」

 慣れない土地に戸惑いながらもライブは無事成功しました。

 『おためし暮らし』は、通勤費の補助や自治体サポートを受けられる参加者、遠距離通勤の需要を探るJR西日本、そして人口減少に歯止めをかけたい沿線自治体、全員がWin-Win-Winな取り組み。斯波さんも、1か月の『おためし暮らし』を経て、働きながら地方で暮らす挑戦に現実味が増してきたようです。

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