MBS(毎日放送)

イチョウの下で作る「棕櫚箒」...静かに伝統を守る職人の姿 隣町の"宮司不在の神社"のイチョウは地元住民らで賑わい

編集部セレクト

SHARE
X
Facebook
LINE

和歌山県にある2本の大イチョウ。木の下には伝統を守りたい人たちの思いがありました。

イチョウの下の「棕櫚箒職人」

和歌山県紀美野町の山あいに大きなイチョウがあります。その下で作られるのは室町時代から続くという伝統工芸品。
i5.jpg
工房で作業する西尾香織さん(45)は、棕櫚(しゅろ)という植物から箒(ほうき)を作る「棕櫚箒職人」です。

(棕櫚箒職人 西尾香織さん)
「自然の棕櫚皮はメッシュみたいになっているんですよね、交差している繊維があって。現代ではいい棕櫚皮が少ない」
i9.jpg
最も箒に適した繊維は、皮1枚から取れても10本。大変な手間をかけてでも作り続ける理由があります。

(西尾香織さん)
「掃き心地がよくて、耐久年数もすごく長いんですよ。どうしてもそれが作れるものなら作れる間は作っていこうと」
i7.jpg
このイチョウの下に工房を構えてもうすぐ10年。ひとり静かに伝統を守り続けています。

(西尾香織さん)
「いろんな職人さんが試行錯誤して、その積み重ねで今の箒になっているので、私もその一員としてもっとよりよいものを作りたいなって思っています」

樹齢800年ともいわれるイチョウ ライトアップは地元の人たちの手で

その隣町のイチョウは大賑わいです。和歌山県かつらぎ町にある丹生酒殿神社の大イチョウ。
i12.jpg
樹齢は800年ともいわれています。
i13.jpg
(イチョウを見に来た人)
「きれいですね、自然がね。やっぱり自然の力をもらいたいから、ちょっとでも」
「(子どもが)お腹の中にいるときに写真を撮っていて、同じような写真がとれたらと思って」
i16.jpg
この木は住む人の心のよりどころ。日が沈むとライトアップされます。人々に愛され、心を灯す黄金色のイチョウ。神社には後継者がおらず、20年前から宮司はいません。それでも地元の氏子たちの手で大切に守られ続けています。ライトアップも地元の人たちの手で行われています。

2021年12月07日(火)現在の情報です

今、あなたにオススメ

最近の記事

「怨念の深い闇の中で、一生生きていく」父親が悲痛な叫び 大型トラックを酒気帯び運転 自転車の20代男性を死亡させた男(61)に「懲役5年」の実刑判決 大阪地裁 自宅で「発泡酒と焼酎水割り」を飲み... 1~2時間ほどだけ寝て、ハンドル握り事故起こす

2025/11/21

採取したキノコを撮影してAI判定 AIは"食べられる"と回答も... 実際は「毒キノコ」 和歌山市の70代男性が嘔吐の症状で一時入院 「AIや図鑑で自己判断するのは危険」市が注意呼びかけ

2025/11/21

【混雑回避 】秋の京都は穴場で楽しむ!ゆったり過ごせるスポット3選  市内一望の「大舞台」から「宇治抹茶の名産地」まで

2025/11/21

【速報】「生きているべきではなかったです」「このような結果になってしまい、大変ご迷惑をおかけしておりますので」山上徹也被告が被告人質問で"謝罪" 安倍元総理銃撃事件裁判 母親については「相変わらずだなと」「統一教会に関することで理解しがたい面は多々ある」

2025/11/20

「このままでは国に帰れない」万博・コモンズD出展の「ギニア」 "行き違い"で売れ残った大量の工芸品...ピンチに万博スタッフらが再集結し『売り尽くしイベント』開催!価格は交渉次第...目玉商品2メートル超の『ニンバ』は売れる?

2025/11/20

【新型原子炉建設へ】受け入れ先の町民らは"経済と安全"の間で揺れる 福島では原発事故で自宅取り壊し更地に「苦労したことも楽しかったことも何もかもなくなった」

2025/11/19

ひたすら試してランキング『冷凍うどん』プロが「うどん職人が目指すところ」と最高の評価をした冷凍うどん界の"大横綱"が第1位に!「食べながら口の中で踊っているみたい」【MBSサタプラ】

2025/11/19

野球の審判もロボットが担う時代へ?背景に"高齢化によるアマチュア野球の審判不足" 少年野球の試合で初の実践投入を終え「まだまだ改良が必要」

2025/11/17

SHARE
X(旧Twitter)
Facebook