MBS(毎日放送)

「廃業した診療所」と集落の人たちをつなぐ『紅葉』院長が亡くなり26年経った今も大切に

編集部セレクト

SHARE
X
Facebook
LINE

滋賀県多賀町の限界集落にある「廃業した診療所」。今は亡き1人の医師と集落の人々をつなぐ紅葉の模様を取材しました。

大杉集落で唯一の診療所だった『大杉医院』

滋賀県多賀町の『大杉集落』。この集落で暮らすのはわずか45人です。

村の人たちを100年以上診察してきた唯一の診療所『大杉医院』は、過疎化が進むなか26年前の1995年に院長の大杉春雄さん(当時71)が亡くなり、閉院しました。それでも、村の人たちが今なおこの場所を大切に残すのには、理由があります。

「熱が出た」から「仕事の悩み」まで、大杉院長は住民たちのどんな相談にも乗ってくれました。院長が亡くなった26年前から大杉医院の管理をしている西村政信さん(70)。院長に助けてもらった恩があるといいます。
d.jpg
(医院を管理する西村政信さん)
「あたたかいかい人でしたね。人情味のある。情緒不安定というか、ふわっとした感じで寝られんかったことが度々続いていましたので、夜中の2時頃に先生を起こして『先生話聞いてえな』『何とかしてえな』ということでお願いしました。2時間くらいかな、しゃべらせてもらいました。一番印象に残っています。先生にはお世話になったというのがね」

診療所の前は『住民の子どもの頃の思い出』が詰まった場所

紅葉の時期、診療所の前にはギンナンを拾う住民たちが集います。住民らは子どもの頃に、この診療所の前で遊んでいて、ケガをした際に治療をしてもらったことが思い出だと話しています。

(ギンナンを拾う住民)
「ここは良い遊び場でした。軒に蜂の巣ができると、竹でつついて遊んでいて、(蜂に)刺されたら(診療所の)中に入ってアンモニアの黒い薬を塗ってもらった」

診療所にあるイチョウの木が住民らを見守ってくれている

紅葉が色づく頃、西村さんは村に住むたった2人の小学生である自分の孫たちに、大杉医院の木を見せにやってきました。

(西村政信さん)
「じいじが生まれたときからあるねん。これから大きく成長して結婚して(いつか)おじいさんみたいになっても、まだあるやろう。見守っているわけや。先生もみんなを見守ってくれやった。後継いどるわけや。このイチョウの木がな」

住民らと大杉院長とには数多くの思い出があります。その思い出を見つめてきたイチョウの木は今も大切に守り続けられています。

2021年11月30日(火)現在の情報です

今、あなたにオススメ

最近の記事

ひたすら試してランキング「2025年下半期サタデミー賞」 半期に一度の恒例企画!清水アナ厳選の1位とは? アンタッチャブル・柴田英嗣&新川優愛も商品お試し【MBSサタプラ】

2026/01/07

【正月に考えたい"空き家"】相続問題が絡む?解体費用が高い?放置すると「火災」「倒壊」のリスクも...マッチングサービスや新しい活用例など徹底解説!

2026/01/04

先天性心疾患で"5回の手術"乗り越えた女性が授かった新たな命「安心して産むことができた」 不安抱え集う妊婦を支える"最後の砦"「希望が見えて未来が楽しみに」

2026/01/04

【家族で話そう"墓じまい"】離壇料だけで300万円!?書類の取得が大変!?お墓はつくるよりしまう方が大変... 正月モメずに話し合うには?手順・費用など徹底解説

2026/01/03

「水着をずらして性器を...」スイミングスクールで女児11人を盗撮 インストラクターの男は『盗撮の神』と崇められた...「娘の動画が一生残る」憤る両親は"第三者の検証"求めスクール相手に民事調停へ

2026/01/01

「もう着手したから止められない」年金事務所の"不当な差し押さえ"で経営危機に...横領被害の会社を追い詰めたのは行政の「勉強不足」 厚労省が異例の処分取り消し裁決 日本年金機構が処分撤回へ

2025/12/31

南海トラフ地震「最大90%程度以上」?発生確率の"幅"なぜ見直し? 確実に近づく"その時"...死者数減のカギは『早期避難』『耐震化率向上』

2025/12/31

「情けない日本にならないで」千利休の子孫で元特攻隊員・千玄室さん「今を大事に。今があってこそ明日がある」戦後80年を生きる日本人へ最後のメッセージ【単独インタビュー全文記事③】

2025/12/30

SHARE
X(旧Twitter)
Facebook