デジタル復元師・小林泰三 #315 2022年08月21日(日)放送

 今回の主人公はデジタル復元師の小林泰三さん。
2000年頃から文化財のデジタル復元に取り組み、数多くの著書もあります。
剥落した色をただ元に戻すだけではなく、当時と同じ環境や設えにして鑑賞することで、隠されていたメッセージが見える瞬間があると言います。
例えば国宝「地獄草紙」。復元してみると獄卒たちが極彩色になり、「おどろおどろしい」雰囲気がなくなりました。
しかし小林さんは画像をプリントアウトして絵巻にし、実際に手に取ってロウソクの灯りで鑑賞する方法を考えました。
すると・・・現代のアニメーションのように場面が展開、獄卒たちがうごめいて見え、怖さがより増しました。
小林さんは、こうした体感型鑑賞法を「賞道」と呼んでいます。
飛鳥美人で知られる高松塚古墳壁画は、原寸大の石室のレプリカを作り、埋葬された人物の目線で鑑賞。すると驚きの発見がありました。
西陣織の精緻な仏画"糸のみほとけ"を暗がりで鑑賞すると、さながら厨子に鎮まる仏様を拝んでいるような感覚が沸き上がります。
2年前に活動拠点を京都に移した小林さんの仕事と思いに迫ります。

【INFORMATION】
「西陣美術織"糸のみほとけ"ロウソク鑑賞会」
日時:9月4日(日)10:30~11:30
場所:西陣織国際美術館
〒602-8355 京都市上京区一観音町428 とみや織物ビル6F
検索&お申し込み:小林美術科学フェイスブック
https://www.facebook.com/kobabi2004

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