南無＆ピース！？　知恩院の浄土系フェスってなんですのん！？

この前、秋どすなぁ言うてた思たら、もう冬が始まるよ、みたいな時期どすえ。ホンマ、月日の経つのは早いもの、光陰矢の如しとはよう言うたもんどすなぁ。で、冬言うたら、京都のあちゃこちゃで始まりますやろ、アレが。アレて何て、も〜知ってはるくせにぃ。建物やら通りやらがキレイに、明るなって、人がようさん来て……そう、ライトアップどす！　

そのライトアップなんどすが、京都の祇園からもほど近い知恩院さんって知ってはりますやろ。そうそう、ものすご立派なお寺さんどす。その知恩院さんで南無＆ピースとか浄土系フェスとか言うて、変わったライトアップをやったはるみたいなんどす。いったいどんなことしてはるんやろ......。早速、行ってみますわ、近おすしな。

■ つぶ乃

洛中の外れに生まれ育ち、京都を担う二次元タレントを目指して活動を開始。ホンネが見え隠れする毒っけの強い物言いで、京都の真実に斬り込んでいく予定。

お坊さんが舞い、唄う！ 南無＆ピースな浄土系フェスの正体は......

祇園からすぐにある知恩院さん。東大路通から東へ、ホンマに歩いてもすぐ着きますえ。今回はまず浄土系フェスとはなんなんどすか？　という素朴な疑問を解き明かさへんことには前へ進めまへん。しかしお寺でフェス......どんなんやろか？　なんかピースフルでアッパーなグルーヴがハートフルでウォーミングなニルヴァーナ的世界に展開して......。あかん、わかりまへん、先を急ぎますえ。知恩院布教部おてつぎ運動係・僧侶の磯部孝造さんにお話聞いてみましょ。

お話をお聞きした磯部さんどす。いろいろ教えてもらいましたんえ。

ー浄土系フェスてなんですのん？
「毎年やってる知恩院のライトアップです。今年はバンドやブレイクダンス、ギターや紙芝居、声明のライブなど、特に盛りだくさんな内容で行っています」

ーライトアップはいつからやってはるんどすか？
「2000年にスタートしたので、今年で20周年になります。当時、寺院の夜間拝観が少しずつ始まったくらいの時期で、やってみようということで始まりました」

ー毎年えらい人が来はるんどすか？
「1か月の期間中、例年30,000人くらいがいらっしゃいます」

ーポスターとか見せてもろたんですが、なんかお坊さんがダンスとかしてはりましたえ！？
「今年も行っている"おてつぎフェス"という催しがあるんですが、ここの"坊主・オン・ステージ"でブレイクダンスやバンド演奏などを披露します。この"おてつぎフェス"自体は4年前からスタートしたんですけど、ブレイクダンスは初めて、バンド演奏は2年目になります」

ーお寺でブレイクダンスてすごいわぁ。
「バンド演奏もブレイクダンスも、披露するだけじゃなく、なぜこういうことをするのかというお話をしているんです。例えばブレイクダンスだと、元々の発祥は平等と平和が関係していることであるとか、バンド演奏で披露する曲も明日への糧になるような歌であるとか。仏教との結びつきを考えているんです」

カッコよすぎどす！ 今年11月4日にブレイクダンスを披露した、その名も「廻天坊主」のお二人。ちなみにここ、三門どすえ〜！

ーなるほど〜。ただお坊さんがダンスしたはるだけやないんどすな。
「ライトアップは1か月の期間があるんですが、基本的にずっとお話を聞いてもらえるようにしています」

ー11月5日から29日まで宝佛殿でやってはる「聞いてみよう！ お坊さんのはなし」どすな。
「そうです。毎日5回、木魚念仏体験と合わせて、週替りのテーマに沿ったお話をしています。ライトアップを見に来てもらって、観光だけで終わらず、拝みたくなる心を養ってほしい、紅葉をきれいに感じるのと同時に、お話で心を落ち着けて、お寺だからこそのイベントを楽しんでもらいたいですね」

ーなんやホームページ見たら、"お坊さんコレクション2019"いうて、ナウでファンキーなステッカーも配ってはるんどすな。
「ライブのあとや、宝佛殿でのお話のあとに配ってるんです。すべてコンプリートしたら、特典もいろいろあるんですよ。"聞いてみよう！ お坊さんのはなし"に参加された方には、知恩院七不思議のひとつ、"白木の棺"をモチーフにした缶バッジもプレゼントしてます（注......無くなり次第終了どすえ）」

磯部さん、ライトアップ前のお忙しいときに、いろいろお話してくれはって、ホンマにおおきに！

ーこれから来はる人にメッセージをおくれやす。
「来ていただくと、お坊さんがお出迎えの思いを持って披露する場に立っているのがわかっていただけると思います。ゆっくり自分を見つめ直す時間にもなると思いますし、一生懸命思いを伝えたいという心を感じていただいて、明日以降の生活のヒントにしてもらえたらうれしいですね」

お寺でフェスてどんなんやろか！？思てましたけど、そこはさすが知恩院さん。ぜ〜んぶ仏さんのありがたいお話につながるようにちゃ〜んとなってましたんどすな。そしたら見せてもらいます〜。

お坊さんバンド、ぽくぽくすまいる参上！

三門下でライブしてはるんが、メンバー全員がお坊さんのバンド。その名も"ぽくぽくすまいる"さんどす。なんかもう名前からしてありがたいやんかいさ。

女性ベーシストを含む3ピースバンドなんどす。しかし、こんなとこでライブできるの、世界中でぽくぽくすまいるさんしかいてまへんな。

ウルフルズさんのカバーを中心に披露してくれはったぽくぽくすまいるさん。今年は11月2日、16日の土曜日、演奏を聴かせてくれましたんえ。ほんで11月30日（土）にもライブやらはるんやって！ MCではなんでこの曲を選んだんかも説明してくれはるから、改めて歌詞の意味やら考えて、いつも以上に聴き入ってしもたわ〜。

見とくれやす！ 男坂にこんなに人が集まって、ぽくぽくすまいるさんの演奏を聴いてましたんえ。

宝佛殿ではコラボ法話が楽しめましたんえ

今度は宝佛殿へ行ってみましょ。今年、こちらでは"変わりダネ法話"が行われてたんどす。三味線、紙芝居、ギター、二胡、それぞれの出し物と法話のコラボですわ。伺った日はちょうど二胡の日やったんどす。

宝佛殿の前にこうやって、スケジュールも出されてますえ。今回、二胡て初めて生で聞いたけど、なんか落ち着く音色どすなぁ。

二胡と法話を聴かせてくれはったんは、川野真広上人どす。"もみじ"とか"ハナミズキ"を演奏してくれはりました。お話もわかりやすくて、みんなしっかり耳を傾けてはりましたえ。

ちなみに宝佛殿のなかにはめちゃめちゃ立派な仏さんが並んではりました。ほら、こんな感じ。ここで法話を聞けますんえ。贅沢な時間どすわ。ちなみに11月30日（土）は紙芝居×法話、12月1日（日）は二胡×法話をやりはるから、ぜひ！

これが磯部さんが言うてはった"お坊さんコレクション2019"の台紙どす。左下のが二胡のシール。全種類集めたら、超いいことがありますんえ！

ほかにもようけ見どころあるんどす！

知恩院さんの境内はものすご広おますから、見るとこもようけあるんどす。キレイにライトアップされたお庭やら見てたら、ホンマにええ雰囲気なんどすえ。

男坂にはカラフルな番傘が置かれて、ものすごええ感じ。美人度5割増しくらいで写ってますやろ。

方丈庭園は9年ぶりの公開なんどすえ。なかはこんな感じどす。めちゃくちゃきれいでしばらくボーッとしてしまいましたわ。

木の戸に浮かぶ白い文字は光で書かれてるんどす。方丈庭園、毎年見せてほしいわ〜！

入り口すぐのとこにある友禅苑。ここも、とにかくきれい。ホンマ、どこ行っても見どころばっかりどす。

友禅苑のなかの補陀落池には高村光雲作の聖観音菩薩立像が立ってますんえ。これも見事どす！

今年のライトアップは12月1日（日）まで。急いでおくれやす！

知恩院さんのライトアップ、どないどした？　まあとにかく盛りだくさんで、あっちも見どころ、こっちも見どころどした。今回紹介した以外にも、知恩院で見つけた"ナムい"写真をインスタグラムに投稿して、"ナムいで賞"を選ぶ"ナムい！ フォトコンテスト"とか、とにかくいろんなイベントをやってるんどす。今年は12月1日（日）までやってまっさかい、まだ間に合いますえ。ぜひ足を運んでみておくれやす。ぽくぽくすまいるさんのライブももう一回やらはりますし、ほかにもまだいろんな催しやってますんえ。詳しくはホームページを見ておくれやす。

（知恩院 秋のライトアップHP https://www.chion-in.or.jp/special/lightup_aut/）

普段は見られへん夜の知恩院さん見て、楽しい時間を過ごして、ありがたいお話も聞けて。ホンマ、明日からも元気にやっていこ！て思うこと間違いなしのイベントどす。たくさんのお坊さんときれいな知恩院さんに会いに行って、ナムい夜を送っておくれやす！

きょうとの人しか知らんこと その8

南無＆ピースな浄土系フェスは、明日からもがんばる気持ちにしてくれるありがたくて美しいイベントどした！