BLOGつぶ乃ブログ2019.10.31

京都には落書きしていいお寺がありますんえ!

Byつぶ乃

すっかり秋どすなぁ。あの暑かった夏がちょっと懐かし……くは全然あらしまへんけど。私、暑いのキライなんどす。ちなみに寒いのもイヤどすえ。

今回、ご紹介させてもらうのんは、なんと落書きしていいお寺さん。ようニュースとかでお寺さんとか神社さんに落書きしてるのが見つかった、とか聞きますやろ。なんちゅー非常識なことしはるんやろ思て、そのたびにプンスカしてましたんえ。それが落書きしていいお寺さんがあるて! しかも聞いておくれやす、自分から「らくがき寺」て名乗ってはるんやって! こんなん行かなウソですやろ。早速、そのお寺さんがある八幡市へ行ってみましょ。

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■ つぶ乃

洛中の外れに生まれ育ち、京都を担う二次元タレントを目指して活動を開始。ホンネが見え隠れする毒っけの強い物言いで、京都の真実に斬り込んでいく予定。

石碑にもらくがき寺て書いてはりますえ!

やってきました、八幡市の単伝庵さん。門前の石碑にもしっかり「らくがき寺」て書いてはりますわ。これはいったいどういうことなんやろか......? 謎を解決する前に、単伝庵さんは臨済宗妙心寺派の古刹で、江戸時代初期に創建された歴史あるお寺さんなんどす。いったいなんでらくがき寺って名乗るようにならはったんか、早速境内へ入ってみますえ。

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こちらが単伝庵さんの境内どす。静かでゆっくりした時間が流れてますんえ。

壁一面に落書きが書かれてますえ〜!

境内に入って、堀尾行覚ご住職にお話を聞かせていただいたら、入って正面にあるお堂へ行くように言われたんどす。ほな、失礼しますえ。

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こちらが入って正面にある大黒堂どす。早速中へ入ってみましょ。

では、お堂の中へごめんやしておくれやしますえ。ん? 左右の壁に何かびっしり文字が書かれてますなぁ......。いや、これ落書きやんかいさ! ご住職〜、お堂の中に落書きがぁぁ〜! て、ここはらくがき寺やから、それでエエんか。いややわ、取り乱してしもたわ。

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お堂のなかの左右の白壁に、なんか文字がぎょうさん書かれてるんどす。

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ほら! たっくさん書かれてますやろ。なかには絵描いてる人もいてはるわ。ホンマに落書きみたいやけど......。

らくがき寺になったのは皆さんのおかげ!?

ご住職によると、以前、単伝庵さんは和尚さんがいない荒れたお寺になってはったんやて。でも先代のご住職がお寺を復興させることを思い立ちはったんどす。それから京都、大阪を托鉢して復興のための寄付を集めて回らはったん。それで1、2年してお堂を建てる目処がついたんです、とご住職。ええ話どすなぁ......て! 落書きのことまだ聞いてまへんえ!

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絵を描かはるんは小さいお子さんとかが多いんやて。そんで男女比はちょっと女性が多くて、最近は若い人もよう来はるって教えてくれはりました。

そしてお堂が建ったときに、支援してもろうた人をお招きしたんやそう。そのときに、皆さんの願いを壁に書いてもろたらよう見える、そしたら大黒様によう届くいうことで、壁に皆さんの願いを書いたのが始まりなんやて。そやから落書きやないんどす。皆さんのお願いなんどすけど、それが落書きみたいやからいうことで、「らくがき寺」てなったんどすな。

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こちらがお堂の中に貼られてる決まりどす。いちばん大事なお願いを書くんどすえ。「ニ」の所定の範囲って?と思われたアナタ、安心しておくれやす。

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こんな木枠がちゃんと用意されてますんえ。これ持って書いたら、バッチリどす。

毎年書きに来はる人もいらっしゃいますんえ

こちらでお願いを書くには、いくつかのお約束があるんどす。まず、参拝は基本的に土曜、日曜とお正月の三が日。でも、それ以外の日も相談に乗ってくれはるそうやから、一回連絡してみるのもエエどすな。で、拝観料が100円、祈願料が300円になってますんえ。そして上でも説明してますけど、決められたスペースに書くこと。これを守ってお願いを書いておくれやす。でも、いろんな人が来て、書くとこ無くならへんの? と思て聞いてみたんどす。そしたら毎年12月の最終週に壁を塗り替えるんが決まりで、大みそかの除夜の鐘が終わって新年が始まる最初に願いごと書きたいって人が、夜11時ごろから来はるんやって。新年の始めに真っ白な壁に願い事書いたら、そりゃ気持ちよろしいなぁ。

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いろいろなお話を聞かせてくれはったご住職。お忙しいのに、おおきに〜。

落書きやのうて、お願いごと、書きに行きまひょ

今回は京都・八幡にある「らくがき寺」こと単伝庵さん、ご紹介しました。落書きやのうて、皆さんが書いてはるお願いごとは、家内安全、無病息災、良縁祈願やらいろいろ。私やったらやっぱり健康......いやいやお金.........それより良縁......ああ、一つに決められまへん! でも、書けるのは一番大事なお願いごとだけどすえ。皆さんは書くこと決めてから行ってみておくれやす。白い壁にお願いごと書いたら、きっと大黒様が見てくれたはりますえ。

■単伝庵(らくがき寺)

京都府八幡市吉野垣内33
075-981-2307
※参拝は土曜、日曜(9:00〜15:00)、正月三が日(元日は0時から)
※拝観料100円、祈願料300円
※毎月第四土曜に親子坐禅会開催(8月、12月はお休み)

京都の人しか知らんこと その7

「らくがき寺」やけど、落書きやなくてお願いごとを書くんどす。そしたらきっと大黒様が見てくれてますえ

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つぶ乃

洛中の外れに生まれ育ち、京都を担う二次元タレントを目指して活動を開始。ホンネが見え隠れする毒っけの強い物言いで、京都の真実に斬り込んでいく予定。