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家族だから当たり前?「ヤングケアラー」の実態"周囲に相談できない若者たち" 一方で支援やケアラー同士のつながりも

コダワリ

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病気や障がいのある家族の介護・介助や料理などの家事をしたり、目を離せない家族の見守りや声かけなど日常的にケアを行ったりしている18歳未満の子どもたちを「ヤングケアラー」と呼びます。彼らは『学業』と『ケア』を両立させながらもその苦しみを周囲に話せず、孤立していく実態があるということです。

“当たり前のこと”として続けてきた家族のケア

大阪市に住む大学生の清崎鈴乃さん(21)には、知的障がいがある3つ年下の弟・陽斗さん(18)がいます。鈴乃さんがケアを始めたのは、陽斗さんが小学校に入学したとき。登下校の付き添いがきっかけでした。

(清崎鈴乃さん)
「いつ弟のテンションが変わるかもわからないですし。それに備えて私自身も緊張感を持ちながら家にいたり、家族で外出しても弟と手をつないでどっか行かないように見ていたり。初めてのところに行くときは積極的に手をつないできたりするので、それなりに安心を求めている部分もあるのかなと思います」
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『お手伝い』から始まった弟のケア。母子家庭のため、母親の帰りが遅い時は家族の晩ご飯を作ったり、陽斗さんの入浴を手伝ったりして、“当たり前のこと”として続けてきました。
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(清崎鈴乃さん)
「それが私たちの日常であり、私たちの普通なので、他の人と比べるようなこともないですし。私自身も人から言われて初めて『ヤングケアラー』っていうのがあるんやという感じで」
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「ヤングケアラー」。家族の世話や介護などを日常的に担う18歳未満の子どもをそう呼びます。国が2021年4月に行った初めての全国調査では、周囲に世話について相談したことがない中高生が6割を超えていました。なぜ、相談ができないのでしょうか。

「『大変だけど頑張れ』と一般論で返されると…」

朝田健太さん(35)は幼いころに父親を亡くし、認知症を患った祖父の介護を約10年続けました。

(朝田健太さん)
「祖父が夜間にけっこう起き出してきまして、私たちの部屋に来て『今何時や』とか『お前は誰や』と」
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介護に追われて大学院を途中で退学。ただ、友人たちにはその環境があまり理解されなかったそうです。

(朝田健太さん)
「そもそも話を聞いてほしいなっていうところがあるんですけれども、たぶん若い世代に介護ってとてもなじみのないことなんじゃないかなと思うんです。『お前も大変やけど頑張れ』というふうな一般論とかで返されてしまうと、人に話すってこと自体がしんどくなってくるかなと思います」
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そして、自分の夢をあきらめた若者もいます。ひかるさん(21)は中学生の時に母親が精神疾患を発症。そのため、友達と遊ぶことも少なく、祖母と協力して母親から目が離せない日々を過ごしました。

(ひかるさん)
「部活に入れるならバドミントンとかバスケットボールとかしたかったです。当時は全く話はしていなかったです、学校の先生にも友達にも。(Q話をしなかった理由は?)話をしても『きっとわかってもらえないだろうな…』と思っていて、話す気力もない状況だったので、聞いてもらおう、話をしようということをしなかったですね」
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ひかるさんは、母親のケアに追われた中高生の頃の記憶があまり残っていないといいます。

(ひかるさん)
「自分の道を断念せざるを得ない状況になる人も大勢いらっしゃるのではないかなと思います。私もその1人なんですけれども。逃げたいと思ってはいたんですけど、その選択肢は自分にはなくて逃げられなったですね」

事件を教訓に専門部署を立ち上げた神戸市

追い詰められても声をあげられないヤングケアラー。2019年には、兵庫県神戸市では21歳の幼稚園の教諭が介護の負担に耐えかねて、90歳の認知症を患った祖母を殺害する事件がありました。この事件を教訓に、神戸市は2020年に専門の部署を立ち上げて、2021年6月からは全国初となるヤングケアラーなどの相談窓口を設置しています。相談員は子どもにかかわる仕事をしてきた人たちです。

(清水智子相談員)
「スクールカウンセラーで心理カウンセラーとして主に仕事をしてきました」
(浜田義博相談員)
「一時保護所で児童にかかわってきました。その前は少年院で25年程度勤務していました」

これまでほとんど目を向けられてこなかった“ケアをする子どもたち”への支援が始まっています。

ヤングケアラー同士交流の場を立ち上げ

ヤングケアラー同士がつながる取り組みも始まっています。障がいのある弟のケアをしてきた清崎鈴乃さんは『同じような境遇の人たちと話したい』と「かるがも~学生きょうだい児の会~」を立ち上げました。1か月に1度行われるミーティングには全国から仲間たちが参加します。
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【オンラインミーティングの様子】
「年上のきょうだいに障がいがあったりとか、違うきょうだいの立場の人に質問してみたい人は?」
「障がいがある年下のきょうだいがいる人たちは、特徴というか、年下の障がい児がいるからこういう悩みがある、みたいなのはあるんですかね?」
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(清崎鈴乃さん)
「同じ境遇の人たちに出会ったこともなくて、つながりたいな仲良くなりたいなという思いから、交流ができる場ということで『かるがも~学生きょうだい児の会~』を立ち上げました」

中学生の17人に1人とされるヤングケアラー

2021年6月、神戸学院大学附属高校でヤングケアラーに関する授業が行われました。

(神戸市の職員)
「みなさんにヤングケアラーの状況を知っていただいて、みなさんの中にもそういうことで悩んでおられる方がいるかもしれないし」

今、ヤングケアラーは中学生の17人に1人、高校生の24人に1人いると言われています。「家族だから当たり前」と、子どもが頑張ることで実態の把握が難しいのが現状です。

(高校2年生の生徒)
「知らなかったです。今回の授業で知りました。意外と身の回りにもしかしたらいたりするかもしれないと実感できて、ひとごとではないなと」
「もし自分のクラスにいた時のことを考えたら、もう少し周りに気を配って話しかけたいなと思いました」

【神戸市 こども・若者ケアラー相談・支援窓口】
 電話:078-361-7600 (受付時間:月曜~金曜の午前9時~午後5時)

(2021年7月2日放送 MBSテレビ「よんチャンTV」内『コダワリ』より)

2021年07月05日(月)現在の情報です

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