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コダワリ

大阪市保健所の所長が「第4波の体制不十分」認める "急激な患者増加"の時期に保健所では何が?

2021年06月29日(火)放送

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新型コロナウイルスの第4波の影響で、今年4月には日付が変わっても業務が終わらないなど極めてひっ迫した状態が続いていた大阪市保健所。今回、MBSが市の保健所のトップにインタビューをした結果、当時の体制が十分ではなかったことを初めて認めました。

感染者急増 大阪市保健所で『疫学調査に遅れ』

大阪市保健所のトップである吉田英樹所長。6月10日にMBSの単独取材に応じました。

(大阪市保健所 吉田英樹所長)
「(感染者数の)急激な増加がありましたので、対応しきれずお待たせすることになってしまいました。その点に関しては非常に申し訳なかったと思っております」

所長は第4波での“疫学調査の遅れ”について市民に対して謝罪しました。

疫学調査とは、新型コロナウイルスの感染が確認された患者に、保健所の職員が電話などで直接連絡をとり、症状・行動歴の確認や濃厚接触者の特定を行うものです。しかし大阪市では感染者の急増に伴い疫学調査に遅れが生じていたのです。

GWの最終日、午前0時を過ぎても明かりが消えない大阪市保健所が入るフロア。MBSでは5月11日に第4波でひっ迫する保健所の実情を放送しました。その中で、仕事を終えて取材に応じてくれたのが大阪市保健所の疫学調査担当の責任者・仲間いずみさんでした。仲間さんは疫学調査の連絡が滞っていた実態を明かしました。

(大阪市保健所 仲間いずみ主幹)
「実際に連絡できなかったときは、(GWの)連休前がそうだったんですけれども、800人から900人くらいの方をお待たせしていたと思います」

大阪市によりますと、連日1000人を超える感染者が確認された4月中旬から疫学調査の連絡を1日以上持ち越した件数が増え始め、4月20日には306件、4月23日には610件と倍増。その後も件数は増加し、4月29日には最大918件にも上りました。

その結果、2週間以上も連絡を待たせた患者もいたばかりか、疫学調査を6日間待っている間に30代の男性が死亡していたことも判明しました。

(大阪市保健所 仲間いずみ主幹)
「急激な患者数の増加、それに見合う職員の確保がなかなか難しいというところがあるのかなと思います。一定の経験と知識を持っている職員の層が必要かなと思います」

今年4月の“人事異動”保健所の体制は?

MBSが独自に入手した今年1月と今年4月の大阪市の保健所の体制図。
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体制図によりますと、第3波の今年1月中旬時点では疫学調査を担当する「大阪市保健所疫学調査班」の職員は42人いました。しかし人事異動の際に、感染がいったん落ち着きを見せたことから、今年4月中旬には31人に減りました(短期配属などの6人を除く)。

そして31人のうち約7割の23人は今年4月の人事異動で配属された職員だったのです。しかも、そのうち10人は新規採用でした。

大阪市は、この31人に加え、他部署などからの応援職員約20人に疫学調査や事務作業を担わせました。ただ、保健所の関係者によりますと、頻繁に入れ替わる応援職員だと、クラスターの継続調査など担当できない業務があるといいます。

保健所の体制は不十分だったのではないか。5月13日、MBSの質問に対して、大阪市の松井市長は次のように反論しました。

(大阪市 松井一郎市長)
「なんで不安をあおるようなことばかり、MBS。何が面白いの?それ言って。実際現場は51人体制で動いているんです。事務的な手続きで応援体制という手続きをとっているだけで、1日で人は変わっていません。(Q新規採用職員が10人。業務ひっ迫の一因では?)もっとベテランが多い方がいいじゃないかと言われればそうかもしれないけれども、感染症に対応する組織力としては、我々としたら看護師・保健師という資格を持った人員の拡充はしています」

疫学調査の応援職員は「日替わりではなく固定している」「保健師などの有資格者でできる業務は変わらない」として保健所の体制は強化し続けてきたと強調しました。

「患者の数と体制の間でミスマッチ」所長は体制が十分ではなかったと認める

保健所の関係者と松井市長の間で食い違う見解。実際はどうだったのか。大阪市保健所の吉田所長に問いました。

(大阪市保健所 吉田英樹所長)
「今年4月の時点、これまで長いこと働いてこられた時間外労働が多かった方も一定数を変えたり、あるいは新しい人が入ってきたり、人の入れ替えというのがございました。患者の数と体制の間でミスマッチがあって、一時的に厳しい時期があったのは否めない」

体制が十分ではなかったと認めた上で、応援職員は固定ではなく、できる仕事も限られていたと明かしました。

(大阪市保健所 吉田英樹所長)
「(クラスター調査など)継続的に何日間か続けて対応しないといけないこともありますので。そうなると、ずっと毎日来られる者とそうでない者との間で、役割分担を変えるということもございますので、そういうところはありました」

取材で明らかになった保健所の不十分な体制。大阪市は6月7日、保健師の職員4人を新たに配属するなど、『第5波』に向けて体制の見直しを進めています。

(6月29日放送 MBSテレビ「よんチャンTV」内『コダワリ』より)

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