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メリットは「安心さ」 ワクチン接種は『かかりつけ医での個別接種を中心に』とする自治体

2021年05月20日(木)放送

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7月末までの高齢者への新型コロナウイルスワクチン接種完了を目指して、多くの自治体が「集団接種」を進める中、大阪府豊中市では“かかりつけ医”をメインにした「個別接種」を始めています。なぜ、かかりつけ医にこだわるのでしょうか。

問い合わせが1日2000件以上の日も 多忙な保健所

5月18日、大阪の豊中市保健所では、新型コロナウイルスのワクチン接種対策チームが市民からの電話対応に追われていました。市内のクリニックなどで高齢者向けの個別接種が始まったことから、保健所に予約方法などの問い合わせが多い日には2000件以上あるといいます。

(豊中市保健所 中根明美主幹)
「ものすごく電話での問い合わせが増えました。急きょ電話回線を増やしています。今後も増やす予定です」
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ただでさえ多忙を極める中、新たに加わった業務がワクチンの配送です。豊中市保健所が市内の約230のクリニックなどにワクチンを仕分けて配送まで担当するのです。

(豊中市保健所の職員)
「超低温で扱わないといけないものなので、あまり室温常温でさらすのは良くないので、速やかに間違いのないようにやっています」

大阪・豊中市はクリニックに直接予約する「個別接種」をメインに

豊中市と同規模の自治体の多くが効率などを考えて集団接種と個別接種の併用を検討していますが、かかりつけ医は普段から患者の持病や服用している薬を把握していることなどから、豊中市ではクリニックに直接予約する個別接種を中心にすることにしました。

(豊中市保健所 松岡太郎所長)
「豊中市においては個別接種メインでいくという方針で、集団接種を補完的に。これをきっかけに各クリニックとの結びつきと言いますか、地域の先生方と関係性を持つというそういった意味も含めてやっていきたいと思っています」

クリニックでのワクチン接種の流れは…

豊中市の個別接種の初日となった5月17日、市内にある飯尾クリニックを取材しました。クリニックの冷凍庫の中には保健所から届けられたワクチンが保管されていました。午前8時半、ワクチンを解凍しておくため、冷蔵庫に移します。

(飯尾クリニック 飯尾雅彦院長)
「解凍をしなければいけないということで、解凍の時間と接種時間を勘案して、逆算して冷蔵庫に移しています」
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飯尾クリニックは普段は高血圧や生活習慣病の患者を診ています。この日は、昼にワクチン接種を行うため、事前に院長らがマニュアルを入念に確認していました。その後、午前の診療が終わり、いよいよワクチン接種へ。解凍したワクチンを生理食塩水で稀釈し、接種ができるように事前に注射器へ移します。
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【接種前のやりとり】
(院長)「特に変わりはないですか?」
(市民)「変わらない」

予診を行い、接種が行える体調かどうかを確認します。そして…。
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(看護師)「右利きだったら左にした方がいいからね」
 (院長)「ちょっとチクッとしますよ。…はい、抜きますね。OK。夜はお風呂入ってもらっていいからね」
 (市民)「すみません、ありがとう」
 (院長)「また何かあったらお父さんに聞いてね。こっちに電話くれたらいいから」

予定していた全員の接種は30分ほどで終わりました。

(接種を受けた人)
「全然痛くなかった。安心しました」
「先生もよくわかってくれているから安心です」
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(飯尾クリニック 飯尾雅彦院長)
「患者さんもやはり日ごろ接している方でよくわかりますし、『安心や』というふうに言ってくださるので、その辺は個別接種の大きな利点だなと」

1日5人接種…自治体への供給量が少ないワクチン

ただ、この日に接種できたのはたったの5人だけでした。

(飯尾クリニック 飯尾雅彦院長)
「国から各自治体に来る量が少ないので、これは私たちいかんともしがたいところで、市の方もどうしようもない」
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国から各自治体へのワクチン供給量は非常に少なく、個別接種をメインにする豊中市であっても、各クリニックに最初の1週間は25回分ずつしか配布できませんでした。そのため、このクリニックでは接種人数を1日5人に限定せざるを得なかったのです。
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通常の診療に訪れた患者もワクチンの1日も早い接種を望んでいます。

(院長)「いつも通りお薬出しておきますね」
(患者)「お願いします。…(接種は)まだやね?」
(院長)「順番来たら連絡しますけどね、もうちょっと待っていてください」
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受付や電話でも問い合わせが相次ぎます。

【受付でのやりとり】
(職員)「4月27日に受け付けているから、470番くらい。(接種は)7月くらいだと思っていてください」
(患者)「7月!?」

(電話対応する職員)
「まだねワクチンが届いていないというか、何本届くかわからない状態なんです」
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そんな中、クリニックにはこんな人も訪れました。

【受付でのやりとり】
(職員)「あら~そんなんしてダメダメ。切った?」
(市民)「切った」
(職員)「これなくしてしまったら接種できないから」

本来、接種時に切り離さず持って来ないといけない接種券を誤って切り離してしまったようです。

(クリニックを訪れた市民)
「切ったらあかんとこ切っちゃった。全部読まずに切っちゃった。(ワクチンを)打てるものなら早く打ちたいわけよ。みんなそう思うんじゃない?」
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6月上旬ごろには、接種できる人数も3倍ほどになる見込みで、院長は「焦らずに待っていてほしい」といいます。

(飯尾クリニック 飯尾雅彦院長)
「こっちとしても早く打ってあげたいという気持ちはあるんですが、いかんせん配布されるワクチン量の制限がある。高齢者の方々、ちょっと長くはなりますが、少し待ってもらわないといけないですが、必ずワクチンは来ますので安心して待っていただきたいです」

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