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離島の「桜」に魅せられて移住 島唯一の小学校で"たった1人の卒業式" ある家族の春の物語

2021年04月15日(木)放送

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兵庫県南あわじ市にある「沼島(ぬしま)」。島唯一の小学校にある1本の桜は毎年、春の訪れを告げてくれます。島の桜に魅せられ、6年前に移り住んだ“ある家族”を取材しました。

「桜が呼んでくれた」小さな島に移り住んだ3人家族

兵庫県にある淡路島の南に浮かぶ小さな島「沼島」。ここに住む堺さん一家は、夫の聡さんと妻の直子さん、そして小学6年生の虹翔(ななと)くんの3人暮らしです。
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もともと離島巡りが趣味だった聡さんと直子さん。旅先の沼島で出会った満開の桜に心を奪われ、移住を決意しました。

(直子さん)
「桜が呼んでくれたなというか。私たちが沼島に引っ越してくるきっかけを作ってくれたのが桜だなと思いますね」
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聡さんはWebデザイナーで、直子さんは翻訳家です。パソコン1台あれば十分な2人にとって、働く場所は関係ありませんでした。

(直子さん)
「(Q不便に感じたことは?)意外とないですね。東京に住んでいたときは、東京じゃなきゃいけないと思っていたんですよ、勝手に。引っ越してみたらどこでもできるんだなと」
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ただ、虹翔くんは都会の生活に憧れもあるようです。

(虹翔くん)
「自然もいいけど…。物を買うところがない」
(直子さん)
「コンビニで買い物がしたいんだよね」

入学式の記念撮影は桜の前で

6年前にあった小学校の入学式。記念撮影は、校内の桜の前でした。

(直子さん)
「懐かしいね、ここでね、初めて担任の先生が来てくれて」
(聡さん)
「最初はさすがに引っ越したばかりで虹翔もなかなか学校に馴染めなくて、すごく泣いてたりしてね、朝行くときに」
(直子さん)
「でも、みんな放課後に遊びに来てくれて。全校生徒が遊びに来てくれて。『虹翔くん遊ぼう』って来てくれて。毎日のように子どもたちでいっぱいになって」

卒業に先生や島民たちの思いは…

虹翔くんが通う沼島小学校は約150年前に創立されました。大正時代には400人を超える児童がいましたが、今はわずか11人です。
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なかでも虹翔くんはたった1人の6年生です。おとなしい虹翔くんにとって、担任との距離の近さは自分の思いを伝えやすいものでした。

(沼島小学校5・6年担任 羽石瑛先生)
「(虹翔くんは)真面目だなあというイメージがすごく強かったんです。でも、今年1年でいろんな表情を見せてくれたりだとか、ちょっと苦手だけど頑張ってみようとか。6年生になったなぁというか、卒業するなぁという感じを受けていますね」
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6年間過ごしたこの小学校もいよいよ卒業を迎えます。虹翔くんの卒業は島の人たちにとっても大きな出来事です。

(商店の人)
「大きくなったもんなぁ。中学に行くってなって、ほんで急にまた大きくなったみたいやな。子どもも減っていくばっかしやのに。島のみんな喜んでいますわ」
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(虹翔くん)
「地域の人たちも優しく、僕が移住してきたときから優しく接してくれて。僕も住みやすかったから、いいなって。ありがたい」

たった1人の卒業式

今年3月、迎えた卒業式の日。虹翔くんは胸に花飾りをつけ、本番に向けて教室で1人、予行演習を繰り返していました。
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そして式本番。虹翔くんには、島に馴染めずにいた頃、あたかく迎えてくれたみんなに伝えたいことがありました。

(卒業式で言葉を述べる虹翔くん)
「初めて島に移住してきたので、どんな友達や先生に会えるのだろうと思い、ワクワクした気持ちとドキドキした気持ちが入り混じっていました。6年生は僕1人だけだったけど、在校生の皆さんがいてくれたおかげで素晴らしい1年間を過ごすことができました」
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両親とともに在校生に拍手で送り出される虹翔くん。この島が新たなふるさとになりました。

今年も桜は満開に

今年もまた、沼島に春がやってきました。

(直子さん)
「満開だわ本当。きれい。この下で撮ったんだよ、入学式の写真。懐かしいね、すごくきれいに咲いているね」
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桜はずっと3人を見守り続けてきました。

(直子さん)
「この6年間は本当に無我夢中というか、1日1日がすごく濃厚というか…でもすごく楽しかったですね」

これからも一家はこの島で暮らしていきます。

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