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「タイムマシーンみたいなもん」マイカーを大阪発のフェリーに乗せて『韓国ドライブ旅行』 ビーチに立ち寄りサービスエリアで食事して...ソウルへ向かう夫婦に密着!

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 大阪港にある国際フェリーターミナル。週3回、韓国・プサンに向かうフェリーが出港します。夏休み、船旅を楽しむグループや、日本を旅して帰路に就く韓国人の家族などに出会いました。旅のスタイルは様々。なんとマイカーで韓国へ渡る人も!今回は、フェリーを使って韓国でのドライブを楽しむ夫婦に密着しました。

“飛行機では持っていけない量”の荷物がOK!車ならではのメリット

 大阪市住之江区にある大阪港国際フェリーターミナルを訪れていたのは、横浜市に住む鈴木浩明さんと妻・智子さん。ソウルに住む親友に会うため、マイカーで韓国に向かいます。

 (鈴木浩明さん)「韓国に持っていく荷物は、旅行バックが2つ、お土産、枕、生活用の小物。普通これ飛行機で持っていけないですから。これ持っていくといったらすごく大変」

 荷物をたくさん持っていけるのも、車ならではのメリット。韓国で走るためにはパスポートや国際免許証、税関に提出する書類などが必要です。

 (鈴木浩明さん)「(Q書類の準備は簡単ですか?)簡単ですよ。そんな大変ではない」
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 日本と韓国は取り決めにより、それぞれのナンバーのままで走行することができるため、車で旅する人も結構いるそうです。

憧れのマンガに登場する峠道を愛車で…夢をかなえた韓国人の姿も

 フェリー乗り場に、一際目立つ車が入ってきました。韓国のナンバープレートをつけた車です。運転していたのは、日本の文化が大好きだという韓国人のハンさん。日本人の友達の案内で大阪や群馬など日本各地を巡ったあと帰国するところでした。

 (ハンさん)「(Q群馬にはなぜ?)群馬は『頭文字(イニシャル)D』。頭文字Dで知って、走りたいと」

 車好きに人気のマンガ「頭文字D」。憧れだったマンガに登場する群馬県の峠道まで行き、愛車で走る夢をかなえたそうです。

 (ハンさん)「群馬はめちゃ遠いから、群馬はもう無理」

 一方、フェリーで韓国から到着した人もいました。

 「(Qどこから?)ソウルです。いま乗っているのが『隼』というバイクなんですけど、『隼祭』が鳥取県で行われるので、それに参加しに来ました」
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 「隼」に乗るライダーたちが集まるイベントのために来日。バイクで日韓の交流を深めるそうです。

「『飛行機が嫌だね』と言って…」鈴木さん夫婦が初めて車で韓国に渡ったのは25年前

 プサンに向かうフェリーに車の積み込みが始まりました。この日は鈴木さんとハンさんの車、そして韓国人ドライバーの車がもう1台の計3台です。

 大阪からプサンまで19時間。瀬戸内海を西に進み、未明に関門海峡を通過。翌朝10時、プサンに到着します。鈴木さんの目的地ソウルまではここからさらに400km。

 鈴木さん夫婦が初めて車で韓国に渡ったのは、いまから25年前のことでした。

 (鈴木浩明さん)「(Q車での渡韓は何回目?)17回目。『飛行機が嫌だね』と言って、飛行機じゃない海外旅行ってあるの?という話になって、その時、(ソウルに住む)友達のイ教授が『車でくればいいじゃん』と言って、車で行ったのが最初」

 鈴木さんは、韓国メーカーの車を日本に向けて販売する仕事に携わっていました。車だと、どこにでも自由に行ける便利さがあるため、韓国での仕事があるたびに観光を兼ねて妻の智子さんと縦横無尽に走りました。子どもが小さかった時はベビーカーやふとんを積み込んでいたそうです。
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 (鈴木浩明さん)「この写真は子どもを連れていったときのもの。税関から『お前まさか亡命じゃないよね』と言われて、荷物がすごすぎて。こちらはパーキングエリアで撮影した写真で、長男が1歳のとき」
 (妻・智子さん)「(長男は)韓国人の食堂のおばちゃんにみんなに抱っこしてもらって、その間、私がごはん食べた。韓国へは飛行機より車のほうが多いので、そっち(車)が当たり前」

 車での思い出は尽きません。

「大冒険だった」カーナビがなかったころは道路地図とにらめっこ

 ようやくフェリーがプサンに着きました。港で韓国の「通行許可証」をもらい、フロントガラスに貼るだけで韓国を走れるようになります。

 (妻・智子さん)「どこ行くっていう話。ソウルは海がないからプサンの海のほう」
 (鈴木浩明さん)「海雲台(ヘウンデ)行く?」

 13年ぶりのプサン。ソウルへ向かう前に、まずは、美しいビーチがある海雲台を目指します。

 (鈴木浩明さん)「あんなに建物なかったよね」
 (妻・智子さん)「高層マンションとか」
 (鈴木浩明さん)「まるでタイムスリップして未来に来た感じですよ。20~30年来てないくらいの違いですよ」
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 人口300万人を超える大都市・プサン。変貌を遂げた街の姿に驚きを隠せません。

 車は日本とは逆の右側通行。いまはカーナビがあるので迷うことはありませんが、ナビがなかったころは道路地図とにらめっこだったそうです。

 (妻・智子さん)「韓国の道路地図を一冊買って。日本語で書いてある貴重なものをなんとか見つけて、それをずっと。それと標識を見比べながら」
 (鈴木浩明さん)「大冒険だったよね」
 (妻・智子さん)「(2002年)ワールドカップが韓国であったときに標識に英語の表記が入るようになったんですよ。だいぶ見やすくなって。それまではハングルしかなくて。でもあれはあれで楽しかった」

その国の文化を知ることができる『サービスエリア』

 プサン港から1時間。海雲台に到着しました。白い砂浜と海岸線が美しい韓国で人気のビーチです。

 (鈴木浩明さん)「13年ぶり。きれい」
 (妻・智子さん)「海も穏やか」
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 ビーチをあとにしてソウルに向かう鈴木さん夫婦。約400kmの道のりです。高速道路を使って移動します。

 (鈴木浩明さん)「韓国も大陸だから山とか景色とか見ていても奥行きがある。広い。日本では味わえないね」

 その途中、立ち寄ったのはサービスエリア。入ってみると日本とよく似たフードコートがありました。メニューはもちろん韓国料理が中心。タッチパネルには日本語の表示もあります。2人が選んだのは…

 (鈴木浩明さん)「『ラミョン』とうどん」
 (妻・智子さん)「韓国も日本と似ているうどんがある」

 韓国でラミョンと言えばインスタントラーメンに具材を加えて調理したもの。サービスエリアの定番メニューで、韓国の国民食と言われるほど。
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 (鈴木浩明さん)「うまい。辛い」
 (妻・智子さん)「これはきつねうどん。日本とあまり変わらない。おいしい」

 サービスエリアはその国の文化を知ることができる場所。別のサービスエリアでは、韓国のファストフードやお菓子、日用品も売られていて、まるで市場のようです。

「韓国人しか知らないところに行くことができる。車がタイムマシーンみたいなもん」

 おなかがいっぱいになった所で目的地ソウルへ!…ここで寄り道して、韓国第3の都市・テグへ。

 (鈴木浩明さん)「(Qいつも寄り道する?)これがおもしろいんですよ。(目的地に)たどり着かなくて泊まったこともあってね。いろんなもの見られるし、いろんな人と知り合いになるのもあるし」

 翌日、鈴木さん夫婦はソウルの街を走っていました。無事、親友との再会を果たした鈴木さん。マイカー旅行の良さについてあらためて聞いてみました。

 (鈴木浩明さん)「ガイドブックにも載っていない、日本人は知らない韓国人しかか知らないところに勝手に行くことができる。車がタイムマシーンみたいなもんですよ。それがいいんじゃないですか」
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 マイカーは旅の相棒。鈴木さんの旅はまだ続きます。

2024年08月26日(月)現在の情報です

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